冥王星族
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
テンプレート:混同 テンプレート:外縁天体の分類 冥王星族(めいおうせいぞく、Plutino)またはプルーティノ族(プルーティノぞく)とは、冥王星と似たような軌道を持つ天体である。この族に属する天体は海王星と3:2の共鳴関係にあり、公転周期が海王星の約2分の3倍(243 - 253年)となる。冥王星族はエッジワース・カイパーベルトの内周部分を構成し、知られているカイパーベルト天体の約5分の1を占める。
冥王星とカロンを除くと、最初の冥王星族 (1993 RO) は1993年7月16日に発見された。
冥王星族に冥王星自身を含むことは(冥王星も軌道の性質が同じ為)便利だが、英語表記では plutino に「小さな冥王星」の意味があるために、含むべきではないという主張もある。
主要な冥王星族の天体
小惑星 番号 |
名前 (仮符号) |
直径 (推定:km) |
公転 周期 (年) |
衛星数 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
134340 | 冥王星 | 2,320 | 249 | 4 | 準惑星 |
Pluto I | カロン | 1,280 | 249 | - | 冥王星最大の衛星 準惑星候補 |
28978 | イクシオン (テンプレート:Mp) |
800 | 249 | 未確認 | 準惑星候補 |
38083 | ラダマントゥス (テンプレート:Mp) |
160 | 246 | 未確認 | - |
38628 | フヤ (テンプレート:Mp) |
540 | 250 | 未確認 | |
90482 | オルクス (2004 DW) |
840 - 1,880 |
246 | 1 | 準惑星候補 |
軌道
既知の冥王星族の軌道を第一図に示す。横軸が軌道長半径、縦軸が軌道傾斜角、円の大きさは直径(小天体等、不明な物は絶対等級やアルベドより数値化)である。
冥王星、オルクス、イクシオンの三天体は表記するには大き過ぎる為に白円で記す。冥王星最大の衛星、カロン(直径は概ねオルクスと等しい)も省いてある。
大多数の軌道は冥王星と同様に 10 - 25゜の軌道傾斜角に 0.2 - 0.25 の離心率を持ち、近日点は海王星軌道と交叉するか接する辺りから、遠日点はカイパーベルトの外縁にある。
以下に冥王星族の軌道の範囲の例として、極端な軌道を持つ3天体(図中黄色)を挙げる。
- テンプレート:Mpl 2012年現在、最大の軌道傾斜角(i=40゜)を持つ。
- テンプレート:Mpl 2012年現在、最も扁平な軌道(e=0.35)を持つ。近日点は天王星と海王星の中間辺りで、遠日点は散乱円盤天体領域にある。
- テンプレート:Mpl ほぼ円軌道(e=0.046)で黄道面上を運行(i=0.4゜)する。
全冥王星族(2008年10月現在)の軌道要素図を第二図に示す。図中に軌道傾斜角i(5゜刻み)と離心率e(0.05刻み)の度数分布図を添付する。