妖怪道中記
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テンプレート:Infobox 『妖怪道中記』(ようかいどうちゅうき、Shadow Land)は、1987年4月にナムコ(現・バンダイナムコゲームス)から発表された日本のアーケードゲーム。
あらすじ
いつも村の人に悪さばかりしている少年たろすけは、神様にお灸をすえられ、眠っている内に地獄の入り口まで運ばれ、閻魔様の裁きを受けるべく生きながらにして地獄巡りをすることになってしまった。
作品解説
道中の様々な行動によって、エンディングが異なるマルチエンディングを採用。画面の半分を占めるメーター類や、地獄巡りという独特の設定がもたらす絵巻風の雰囲気、ナムコらしい可愛らしいキャラクター、前年発表した『イシターの復活』と同様にスコアを排除しているのが特徴。
アーケード版(以下、AC版)が発表された当時、テレホンカードなどのノベルティグッズをテレビ番組のプレゼント商品として提供するなど、積極的な宣伝活動をしていた。しかし、ゲーム後半の進行方法や難易度が一般向けとはいえず、1988年に移植されたPCエンジン版(以下、PCE版)は、設定が見直されマップも一部変更。続く、ファミリーコンピュータ版(以下、FC版)もゲームシステムが一部変更されている。
キャラクターを流用した『球界道中記』という野球ゲームが1990年に業務用で稼動し、1991年にメガドライブで発売された。また『F1道中記』というレースゲームも1990年にMSX2用として発売されている。
主な登場キャラクター
- たろすけ
- 主人公。半袖シャツと短パンに裸足で靴を履いているという典型的なワンパク坊主。丸眼鏡をかけたハゲ頭の父と、自分にそっくりな顔つきの母を両親に持つ。
- いたずら好きの性格(しかもかなりのスケベ)が災いして、眠っている間に神様の手により生きながらに地獄につれてこられてしまった。
- 閻魔様へ会いに行く道中を切り抜ける手段として、妖怪念力を撃ち出す能力を神様から授かっている。
- もんもたろー
- 白装束を纏った、たろすけのご先祖様の霊。たろすけのピンチになると、たろすけの口の中からエクトプラズムのように現れる。
- AC版、PCE版ではステージボスである鬼との対決で、FC版ではアイテムの御札を消費することで呼び出すことができる。
- 神子(みこ)
- 苦行の道にある神の池に現れる女神。回復アイテムのハートをくれる。
- FC版では裁きの谷や輪廻界にも現れ、その際はハートではなく、金をくれる。但し、輪廻界ではパイアスが一定値以下だと男に変身する。
ステータス
- POWER:たろすけの現在の体力。0になるとゲームオーバー。
- MONEY:現在の所持金。
- PIOUS:FC版のみのステータスでたろすけの徳の高さを表わす。高いほど良いエンディングを迎えられる。最終面でお金を取ったり、敵を倒すとパイアスが下がる。
ステージ構成
- STAGE1 地獄入口
- 基本操作に慣れる為のステージであり、難易度も抑え目。ボスは赤鬼。
- 途中にいる賭場ガマを倒すと、サイコロ道場に行くことができ、丁半博打に挑戦できる。
- STAGE2 苦行の道
- このステージよりよろず屋が登場し、貯めた金で回復や攻撃用のアイテムなどを購入できる。
- ゲームクリアを目指すなら、このステージにいる神子に会うのはほぼ必須である。
- ボスの青鬼が要求してくる金を支払うと、全ての装備を奪い取られる。
- STAGE3 幽海
- 地上面と海中面から成るステージ。ボスはいないがステージの最後には亀をつかまえた悪ガキトリオがおり、30000円払って亀を救出しなければならない。
- 亀を助けると竜宮城に案内され、中には乙姫が待っていて舞いを見せてくれる。アーケード版では人魚達が、PCE版とFC版では乙姫自ら舞いを披露する(AC版、FC版と異なり、PCE版の演出はかなりアダルトなものになっている)。昔話の浦島太郎よろしく、玉手箱を貰うことができ、開けるかどうかの選択ができる。運がよければ金を手に入れられるが運が悪いと老人となる。
- 老人となった場合、3秒毎に体力を減らされ移動速度が大幅に落ちる。よろず屋で購入できる専用の回復アイテムがあれば回復できる。
- STAGE4 裁きの谷
- 針山や溶岩の海などダメージを受けるトラップが多く、難易度の高いステージ。
- 道中に現れる妖火霊・妖岩霊・妖木霊を倒し、その魂を三途ババアに見せて通過することでステージクリアとなる。
- しかし、アーケード版では3つの魂を持っていなくとも、ちょっとしたコツで三途ババアの頭上から通過することができる。
- 三途の婆を倒すことによって通過することもできるが、婆は最強念力32発分の耐久力を持ち攻撃力も凄まじいので到底不可能である。
- STAGE5 輪廻界
- 最終ステージ。ステージ難度は前面である裁きの谷より低いが、より良いエンディングに辿り着こうとするなら、敵を倒さず、途中の金も取らないようにしながら進まねばならない。このステージでの成果によりエンディングが変化する。
移植版
- PCエンジン版
- PCエンジン初のサードパーティーソフト。敵キャラのグラフィックなどはAC版に近いがステージは全体的に縮小されており、登場する敵キャラクターの数も減少している。しかし、敵の配置などの変化とコンテニューの撤廃によりゲーム難易度はAC版よりも難しくなっている。エンディングは5つある。
- 2007年2月20日よりWiiのバーチャルコンソールにて配信している(600Wiiポイント)。
- ファミリーコンピュータ版
- 「ナムコット ファミリーコンピュータゲームシリーズ」第40弾として発売。ハードの性能上、グラフィックは見劣りするものの、ステージ構成はよりAC版に近い。FC版だけのオリジナルキャラクターも存在する。FC版での独自要素としてPIOUS(パイアス)という数値が設定されている。これは、たろすけの心の数値を表しており、イベントやお店で上昇し、コンテニューすると低下する。また最終面では敵を倒したり、金を取ったりしても低下する。最大20000で、ベストエンディングを見るためには一定ポイントを維持した上で条件を満たす必要がある。エンディングは6つある。
- バーチャルコンソールアーケード版
- 業務用の完全移植版。2009年4月28日より配信開始(要800Wiiポイント)。