アル=マリク・アル=ザーヒル
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テンプレート:出典の明記 アル=マリク・アル=ザーヒル(アラビア語: الملك الظاهر Al-Malik Al-Ẓāhir、? - 1213年)は、アイユーブ朝時代の人物でアレッポの領主。アイユーブ朝の始祖サラーフッディーン(サラディン)の3男。第2代スルタン・アル=アジーズの弟。
イスラム思想家のイブン・アラビー(Ibn Arabi)と親交があり、また同じく照明学派(Illuminationist philosophy)の思想家スフラワルディー(Suhrawardi)を保護していたが、父がスフラワルディーを異端として処刑したために親子仲が悪化した。
1193年、父が死去するとその遺領は他の兄弟たちによって分割相続されることとなり、アフダルはアレッポを相続した。しかしその後一族は内紛を繰り返し、ザーヒルも自立を図るようになる。子孫はアイユーブ朝の滅亡後も衰退しながらも存続を続けて新しく成立したマムルーク朝と争ったが、孫の代にフレグ率いるモンゴル軍の攻撃を受けて、一族は処刑されて滅亡した(1260年)。