バカチョン
テンプレート:出典の明記 バカチョンとは、1980年代ぐらいまでは主にオートフォーカスコンパクトカメラの別称として使われた言葉。CMのコピーに由来するが、現在は放送禁止用語となっている。
意味と用法
“ちょん”は、「『半人前』や『取るに足らない人』のことを、芝居の終わりに打つ拍子木の音になぞらえた言葉」であったとされる。「大辞林 第二版」は、「ちょん」の用例として、明治時代の小説、「西洋道中膝栗毛」から、『ばかだの、ちょんだの』と言う記述を引用している。ただし、西洋道中膝栗毛が刊行されたのは、1870年(明治3年)12月 - 1876年(明治9年)であり、征韓論が流布された時期である。
これが転じて、戦後、日本国内のメーカーが発売した、オートフォーカス機能を搭載したコンパクトカメラのCMのキャッチコピーとして用いられた。
そのカメラはフール・プルーフと同じ考えで開発され、「カメラについての専門知識抜きで、誰にでも使える」「馬鹿でもちょんとシャッターを押せば撮れる」「馬鹿でもチョンでも」扱える、操作が簡単なカメラの意味で使われたことから、その別称としてバカチョンカメラという言葉が広まり、バカチョンは商品名とは言えないものの、コンパクトカメラ全体を指す言葉となった。
バカチョンカメラは、従来カメラと縁遠かった女性や子供を販売の対象としており、かつて高嶺の花であったカメラを、安い値段で、いつでもどこでも誰でも簡単に撮影できるものとした商品であった。こうした事情から、元来この名称には、コンパクトカメラへの親しみが込められていた。 テンプレート:Seealso
放送禁止用語
「バカチョン」は「馬鹿でも朝鮮人でも」を意味するとの誤解が広まり朝鮮・韓国人を侮辱する差別発言に当たることから、現在は放送禁止用語となっている。チョンが韓国・朝鮮人の蔑称として広まったのは、これが原因である。
タレントの間寛平がテレビのバラエティ生放送で「僕はカメラの知識はぜんぜんダメで、昔からバカチョンカメラしか持っていないんですよ」と発言したことに対し、部落解放同盟から「チョンは在日韓国人及び在日朝鮮人を指す差別用語であり、何の知識を持ち合わせていない人種という日本人の一方的な差別用語である」との抗議電話があった。すぐに司会者が謝罪したところ、間も「これは僕の口から出たことなので、僕自身から謝罪させてください。ごめんなさい」と謝罪した。
2012年5月24日放送のテレビ朝日・報道ステーションにてゲストの飯田哲也が「原子力に反対する奴はバカだチョンだ」と発言し、キャスターの古舘伊知郎が番組中で謝罪した。
2013年8月7日、自民党の溝手顕正が党の会合で「安倍晋三首相のように非常に勢いのいい首相の下だと、ばかでもチョンでも(当選する)という要素があるのは否定できない」と発言。ただちに撤回するという出来事があった[1]。
脚注
関連項目
- ↑ 差別表現、すぐ撤回=自民・溝手氏 時事通信 2013年8月7日