静岡大学教育学部附属島田中学校
テンプレート:日本の中学校 静岡大学教育学部附属島田中学校は、静岡大学教育学部の附属中学校の3校のうちの一つ。静岡県島田市中河町169に所在する。 生徒定員は一学年120人である。島田市立島田第二中学校と道を挟んで隣接する。
目次
概要
志願者は各小学校につきおおむね3、4名程度であり、競争倍率はさほど高くないと思われる。ただし、近年においては受験者は増加傾向にあり、倍率は上昇しているといわれる。一般的認識としては、少数精鋭でレベルの高い中学校教育を受けることができると高く評価されている。静岡大学には附属高校がないため、卒業生は静岡県立掛川西高等学校や静岡県立藤枝東高等学校のような、いわゆる進学校へ進んでいる。理数科などの専門科への入学も多い。通学する生徒の約8割が一年時より何らかの予備校へ通っており、進学への意識の高さが伺える。
名称
略称
マスコミ等の表記
しばしばメディアや出版物において「付属島田中学校」と表記されることがあるが、 [1] [3] 正式には「附属島田中学校」である。この表記は新聞用語懇談会が「附」の字は使用しない(「付」と表記する)と決めたことによる。[4]
沿革
年表
- 1944年4月1日 静岡青年師範学校附属青年学校として創立される。
- 1947年4月1日 新学制により,静岡青年師範学校附属中学校ならびに静岡青年師範学校附属実務高等学校と改称される。
- 1949年4月1日 静岡大学教育学部附属島田中学校と改称される。
- 1951年 静岡青年師範学校附属高等学校は,静岡大学教育学部附属高等学校と改称され,1953年まで続く。
- 1953年10月5日 校章が制定される。
- 1955年4月1日 静岡大学教育学部島田分校が教育学部(静岡)に統合廃止される事に伴い,同分校跡(島田市中河町)に移転される。
- 1958年 第1回教育研究発表会が開催される。
- 1962年8月11日 プール(25m×13m)が竣工される。
- 1963年2月1日 研究第1書『中学生の思考過程(明治図書)』が出版される。
- 同窓会が結成される。
- 教育機器レスポンス・アナライザー(応答分析器)を自作し,全国に先駆けて「教育機器による授業分析」研究が行われる。
- 1965年2月1日 研究第2書『中学校における授業の組織化(明治図書)』が出版される。
- 講堂兼体育館(RC1,826㎡)が竣工される。
- 1966年本館第一期工事(RC32,743㎡:管理棟,普通教室棟)が竣工される。
- 運動場(10,416㎡)が整備される。
- プール完成
- 1967年 球技コート(2,746㎡)の整備・正門造成工事が竣工される。
- 研究第3書『矛盾の克服をめざす授業(明治図書)』が出版される。
- 1968年 W.オコン教授(ポーランド)が来校し,授業参観,講義が行われる。
- 1969年 特別教室(RC3,829㎡)が竣工される。
- 1970年 研究第4書『主体性の追究(明治図書)』が出版される。
- 1972年 創立25周年記念式典が挙行され,記念像(はばたきの像)が設置される。
- 1973年 温室・教育工学機器設備・運動場スプリンクラーが設置される。
- 1978年 中庭造園工事が竣工される。
- 1981年 研究第5書『自ら求めわかり合う授業(明治図書)』を出版される。
- 1982年 教育実習室兼研修室が竣工される。
- 教室棟の耐震工事が完了する。
- 1987年 研究第6書『わかり方の追究(明治図書)』が出版される。
- 1988年 学校教育目標が『高い知性 豊かな感性 強い信念』と改訂される。
- 1993年 研究第7書『生徒の「思い」が育つ授業(明治図書)』が出版される。
- 1999年 本校研究第8書『教科の本質・魅力に出会う授業づくり(明治図書)』が出版される。
- 2002年 非常警報装置・監視カメラが設置され,警備員が配備される。
- 2004年 国立大学独立行政法人化により,「国立大学法人静岡大学教育学部附属島田中学校」と改称される。
- 2005年 研究発表会が2日間開催となる。
- 体育館及び技術棟の耐震工事が竣工される。
- 2006年 生徒用コンピュータ(40台)が更新される。
- 2007年 第1,2理科室床及び実験台改修・教室廊下側窓枠サッシ改修が行われる。
- 体育館ステージ用ワイドスクリーンが設置される。
- 2009年 校舎の全面改修が行われる。
- 2011年 屋外バスケットコート2面が完成する。
- 2014年 武道場が完成する。
生徒会活動
- 生徒会本部
- 専門委員会
- 生活委員会
- 保健委員会
- 図書委員会
- 広報委員会
- 放送委員会
- 環境委員会
- 体育委員会
- 文化委員会
- 選挙管理委員会
部活動
- 部活動は自由加入で、休日における活動時間が制限される等、学校として力を注いでいる訳ではないという認識が強い。生徒においては伸び伸びとやっている様子がみられる。加入生徒は短い部活動時間中に真剣に取り組んでおり、優れた成績を残すことも多い。
- 校外活動に取り組む生徒も多く、部活動以外の面でも優れた成績を残す生徒が多い。近年では特に、英語スピーチコンテスト、ロボットコンテスト、ディベート等文化的活動において東海地区優勝、個人賞受賞、全国大会出場等活躍が顕著である。同好会として存在する水泳同好会も全国レベルの実力を持つ。各方面のコンクールでの入賞・受賞は特に珍しがられない程に活躍する人間は多く、独自の個性を尊重する校風が伺える。
運動部
- 野球部
- サッカー部
- 男子バスケットボール部
- 女子バスケットボール部
- 男子バレーボール部
- 女子バレーボール部
- 男子テニス部
- 女子テニス部
- 男子卓球部
- 女子卓球部
文化部
- 声楽部
- 吹奏楽部
同好会
- 水泳同好会
通学区域
- 公共の交通機関を利用して概ね1時間で通学できる範囲内(受験資格)
しかし現状としては、それを多少オーバーしても黙認されているようなところが見受けられ、現に御前崎市や川根本町から通学している生徒もいる。
交通
通学以外であれば以下の交通機関からが便利である。
- JR東海道本線 島田駅より徒歩20分(1.5km)
- 島田市コミュニティバス大津線 第二中学校入口より徒歩2分(100m)
通学方法は、徒歩、自転車、電車、バスがある。
自転車通学
自転車通学については、認可制である。それに関しては、いくつかの条件がある。
- 自宅から当校までの直線距離で1.5km以上あること
- 自転車を利用した場合に30分以内で通学できること
- 以上の条件を満たしていなくても、道路事情等により通学距離が長くなり、保護者からの申請もあり、自転車による通学が適切と認められる場合
- 通学に使用する自転車は、認可時に配布される指定のシールを貼ったものとする
なお、自宅から最寄りの駅やバス停までの自転車通学に関しては、特に基準は定められていない。
電車通学
当校の最寄りの駅である島田駅まで利用する。島田駅からの通学は必ず徒歩でなければならない。
バス通学
電車通学と同じく、利用は島田駅まで。主に、初倉、榛南方面の生徒がしずてつジャストライン 島田静波線を利用し、通学している。
校内の風景
校内の様子としては自然が豊富で、目に付く物として静大学教育学部附属島田中学校の校章にも使われているユーカリの木が植えられている。また、太陽光発電と風力発電による電気を使った循環式のビオトープも作られており、メダカや水草などが放たれている。夏になるとアメンボやトンボが交尾を観察できたり、様々な種のカエルが生息するなど自然に満ちている。
授業体系
- 5~6人で1組の生活班とは別に、4人で1組の小集団と呼ばれるグループが存在する。
- 1つの課題について、個人追究→小集団での話し合い→全体追究の順に授業が進められることが多い。
行事
年間
- 4月
- 修学旅行(3年)
- 宿泊学習(2年)
- 静大訪問・島田めぐり・避難生活体験(1年)
- 生き方学習報告会
- 5月
- 教育実習Ⅱ
- 6月
- 教育実習Ⅲ
- 9月
- ゆうかり祭陸上部門
- 10月
- ゆうかり祭文化部門
- 教育実習Ⅰ
- 11月
- 研究発表会
- 1月
- 本校入試
修学旅行
行き先は沖縄である。時節柄、まだ寒さが残ることもあり、一般的にイメージされる観光地としての沖縄を楽しむよりも、「平和学習」をテーマとして研修性の高い修学旅行となっており、ひめゆりの塔の前で、「目に親し・・・」で始まる有名な合唱歌、別れの曲(わかれのうた)を唄うのが伝統となっている。現地の人々にも受け入れられているこの恒例の合唱には、一年近くの歳月が費やされるため、元ひめゆり学徒隊の方々を初め、毎年多くの方が聞きに訪れる。
生き方学習報告会
1~3年生が各学年3人ずつで集まり、それぞれの体験活動を報告しあう会。発表形式は、新聞、アルバムなど(指定)にまとめ、決められた時間の中で発表する。
ゆうかり祭
体育祭・文化祭は「ゆうかり祭」と呼ばれ、毎年盛大に行われる。 ゆうかり祭には、「陸上部門」呼ばれる体育祭と「文化部門」と呼ばれる文化祭がそれぞれ開催され、団結と伝統を重んじる心を育む行事となっている。
- ゆうかり祭陸上部門
- 「ゆう陸」と呼ばれる体育祭では、保護者の参加率が高いことに加え、卒業生の参加者が多いことも特徴である。体育祭後のテントなどの片付けを卒業生がすることが恒例となっており、これにより在校生は体育祭の疲れを残さず速やかに下校することが可能となるとともに、引き継がれている伝統を感じるのである。また、バザー・オークションが併設され、善意で寄付された販売物による収益を、学校法人である学校の運営資金に充てられている。
- ゆうかり祭文化部門
- 「ゆう文」と呼ばれる文化祭は、「有志の部」「展示の部」「合唱の部」に分かれる。例年、合唱の部である、学級合唱、学年合唱に強く力が注がれており、生徒一人ひとりの真剣な歌う姿勢は見る者の多くに感動を与えている。また、有志の部、展示の部では、他の公立校では普通目にすることのない、音楽、芸能、文化等の能力に秀でた生徒の発表の場となっている。
- 学級で唄う「学級合唱」の曲の選択は自由度が高いが、学年全体で唄う「学年合唱」にはいわゆる「伝統」として歌い継がれてきた曲が存在し、特に三年生が唄う河口は「卒業式でも唄われる歌」として長年歌い継がれている。
評価
近隣、保護者などの間では「生徒主体の学校」というイメージがあり、自主性に任せる校風が重んじられていたため、実際にほ校則に対する厳しさはなく、また、ほとんどと言って良い程宿題は生徒に課されていない。(それでも、受験生が1倍を大きく超え続ける事から判るように、生徒の成績は総体的に優れている。) また、学校の設立目的にもなっている教育研究の実践の場としての使命を果たすため、質の高い学習が展開されているという評価がある一方で、年々志願倍率が高くなる現状から、保護者の一部には学力重視への偏重も見受けられ、本来の「真に楽しい学校」から「卒業した先輩から聴いていたイメージと違う」とする生徒自身の声も一部では聴かれる。
廃校問題
2004年に国立大学が法人化されたことを契機に、全国の国立大学では経営の合理化による附属学校の統廃合が大きな課題として挙げられていた。附属島田中学校は、老朽化が進んでおり、また附属静岡中学校、附属浜松中学校と違い附属小学校を持っていない等の事情もあり、常に存続の危機が取り沙汰されていた。しかし2009年から2011年にかけての校舎改修工事によって、当面の存続が決定した。