硫酸塩
テンプレート:Infobox 無機化合物 硫酸塩(りゅうさんえん、テンプレート:Lang-en-short)とは、硫酸イオン(りゅうさんイオン sulfate; SO42-)を含む無機化合物の総称である。
性質
硫酸は2価のオキソ酸であり、硫酸塩は正塩(MI2SO4; MIISO4)、水素塩(MIHSO4)[1]、塩基性塩に分類される。また複塩も形成し、タットン塩(MI2MII(SO4)2・6H2O)やミョウバン類(MIMIII(SO4)2・12H2O)などが知られている。
いずれの硫酸塩でも硫酸イオンは、正四面体構造を取り、S–O間距離は149pm(1.49Å)であり、水和物結晶では水分子が配位していることも多い。
ほとんどすべての金属元素と安定な塩を形成する。バリウム塩、ストロンチウム塩、鉛(II)塩、カルシウム塩、銀塩が水に難溶である以外は、硫酸塩は多くの場合水に溶けやすく、多くの場合硫酸水素塩は正塩に比べて水に対する溶解度が大である。一方、塩基性塩の多くは溶解度が低い。
また正塩のTl(I)塩、K塩は無水塩が安定ではあるが、多くの場合には安定な水和物結晶を生成することがしられており、一般的に2価の金属塩は6ないしは7水和物が安定であり、3価の金属塩はさらに多価の水和物を形成する。
生成
硫酸は比較的弱い酸化力を持つため不動態を形成し反応しないこともあるが、多くの場合、金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩は硫酸に溶解し硫酸塩となる。
揮発性の酸を成分に持つ塩化物,硝酸塩も過剰の硫酸と加熱すると,それぞれ HCl,NO2を発生して分解し硫酸塩に変化する。
反応
塩基性塩が強熱で熱分解するのに対して、アルカリ金属、アルカリ土類金属元素の塩は熱に対しては比較的安定である。一方、水素塩は融点が低い。
硫酸塩を炭素を還元剤として強熱すると、硫化物を生成する場合が多い。また、金属元素の交換(複分解)を目的として炭酸アルカリ金属塩と強熱すると目的金属の炭酸塩が生成する。
一般に、金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩は硫酸に溶解し硫酸塩となる。また、塩化物、硝酸塩も過剰の硫酸と加熱すると、それぞれ HCl、NO2およびO2を発生して分解し、硫酸塩に変化する。
硫酸塩鉱物
テンプレート:See also 鉱物学において、硫酸塩からなる鉱物を硫酸塩鉱物(りゅうさんえんこうぶつ、テンプレート:Lang-en-short[2])という。
脚注
参考文献
- 長倉三郎ら編『岩波理化学辞典』第5版 CD-ROM版、岩波書店、1998年。
- 金澤孝文「硫酸」『世界大百科事典』CD-ROM版、平凡社、1998年。
- 湊秀雄「硫酸塩鉱物」『世界大百科辞典』CD-ROM版、平凡社、1998年。
関連項目
外部リンク
テンプレート:節stub- ↑ 硫酸水素塩を重硫酸塩と呼ぶのは誤称(『岩波理化学辞典』)。
- ↑ テンプレート:Cite book