法 (文法)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
テンプレート:文法カテゴリー 法(ほう)、またはムード(テンプレート:Lang-en)とは言語学で使われる用語で、文法カテゴリーの一つである。文が表す出来事の現実との関係(事実的realisか反事実的irrealisか)や意図、聞き手に対する態度などを表す。特に動詞の形態に反映された場合のことを言うが、モダリティ(法性)と同義で語られることもある。断定、疑義、命令、可能・必然 (epistemic)、許可・義務 (deontic)、願望・要求 (propositional attitude) などにかかわる。
印欧語の「直説法」「命令法」、「接続法」(仮定法)、「希求法」、「条件法」、「禁止法」などがこれにあたる。
文法用語としての英 mood(述べ方)は、フランス語の mode(方式)の訛形であるが、ゲルマン語に起源を持つもう一つの mood(気分)からも意味的な影響を受けている。
日本語
日本語においては「行く」(意志・命令・疑問など)「行こう」(意志・勧誘)「行け」(命令)「行くな」(否定命令=禁止)「行ったら」「行けば」(仮定・放任)「行かない」(否定)「行きたい」(希求)のような文末の形態の違いが法に関わり、命題を包むような形で法が実現されていると分析されている。
英語
- 直説法
- As I wasn't born two hundred years ago, I didn't succeed to the throne.
- 「200年前に生まれなかったので、王様にならなかった」
- 仮定法(動詞の形態)
- If I had been born two hundred years ago, I would have succeeded to the throne.
- 「200年前に生まれていたら王様になったのに」
- 仮定法(助動詞、あるいは原形)
- His majesty requested of me that I (should) succeed to the throne.
- 「王は私に王位を継いでくれるよう頼んだ」