サテム語派
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ファイル:Indo-European isoglosses.png
紀元前500年ごろのインド・ヨーロッパ語族の諸語および他のいくつかの言語の分布の境界。
*テンプレート:Color: ケントゥム語派の諸語(ケルト語派、ギリシャ語派、イタリック語派、および東方のトカラ語派、など)
*テンプレート:Color: サテム語派の諸語(バルト語派、スラヴ語派、イラン語派、アルメニア語派、インド語派、など)
*テンプレート:Color: 接頭母音字を用いる諸語(ギリシャ語派、イラン語派、アルメニア語派、インド語派、など)
*テンプレート:Color: インド・ヨーロッパ語族のうち*-tt- > -ss-の転訛をした諸語(ケルト語派、イタリック語派、ゲルマン語派)
*テンプレート:Color: インド・ヨーロッパ語族のうち*-tt- > -st-の転訛をした諸語(ギリシャ語派、イラン語派、スラヴ語派、バルト語派、アルメニア語派)
*テンプレート:Color: 助格、与格および奪格の複数形、さらに単数形と双数形のいくつかにおいて、*-bh-でなく-m-で始まる語尾を用いる諸語(ゲルマン語派、スラヴ語派、バルト語派)
*テンプレート:Color: ケントゥム語派の諸語(ケルト語派、ギリシャ語派、イタリック語派、および東方のトカラ語派、など)
*テンプレート:Color: サテム語派の諸語(バルト語派、スラヴ語派、イラン語派、アルメニア語派、インド語派、など)
*テンプレート:Color: 接頭母音字を用いる諸語(ギリシャ語派、イラン語派、アルメニア語派、インド語派、など)
*テンプレート:Color: インド・ヨーロッパ語族のうち*-tt- > -ss-の転訛をした諸語(ケルト語派、イタリック語派、ゲルマン語派)
*テンプレート:Color: インド・ヨーロッパ語族のうち*-tt- > -st-の転訛をした諸語(ギリシャ語派、イラン語派、スラヴ語派、バルト語派、アルメニア語派)
*テンプレート:Color: 助格、与格および奪格の複数形、さらに単数形と双数形のいくつかにおいて、*-bh-でなく-m-で始まる語尾を用いる諸語(ゲルマン語派、スラヴ語派、バルト語派)
サテム語派(サテム語派、satem)はインド・ヨーロッパ語族に属する言語の、音声学上の分類のひとつ。
概説
印欧祖語における *kʲ(硬口蓋化した軟口蓋破裂音)が、口蓋化によって早い段階で ʧ -> s などに変化したものがサテム語派である。これに対し、*kʲ が硬口蓋破裂音 k と合流したものをケントゥム語派と呼ぶ。
サテム語派では印欧祖語に見られた k と kʷ の区別は失われていることが多い。
サテム語派とケントゥム語派の違いは「百」を表す単語に見ることができる。この語は祖語の段階で *kʲmtom という形であったが、サテム語派に属するイランのアヴェスタ語で satem(「サテム」の名称の由来)、リトアニア語で šimtas、ロシア語では сто テンプレート:IPA2 などに変化している。一方、ケントゥム語に属するラテン語ではcentum テンプレート:IPA2、ギリシャ語では (he-)katon(現: εκατόν)、英語では hund(-red)(*k > h の変化はグリムの法則による)などとなっている。
サテム語派には、印欧語のうちインド・イラン語派、バルト語派、スラヴ語派、アルメニア語派、アルバニア語派が属する。
関連項目
外部リンク
de:Kentum- und Satemsprachen en:Centum-satem hu:Kentum–szatem izoglossza it:Isoglossa centum-satem nl:Kentum- en satemtalen ru:Изоглосса кентум-сатем