敦化市
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敦化市(とんかし)は中華人民共和国吉林省延辺朝鮮族自治州の県級市。朝鮮族が人口の約5%を占める。市名の由来は中庸に「大徳敦化」とあるのによる。古代の渤海国初期の都城が所在した。
地理
敦化市は延辺朝鮮族自治州の西北部にあり、牡丹江上流の地である。北東は黒竜江省、東は同州汪清県、東南は延吉市、南は安図県、西南は吉林省白山市、西北は同省吉林市と接する。
歴史
698年大祚栄は衆を率いて東牟山に城を築き、震国王と号した。713年玄宗 (唐)はこの地に使者を送り、大祚栄を冊封して渤海郡王とし、渤海と称するようになった。渤海の都が後に上京竜泉府(現・黒竜江省牡丹江市)に移ると、東牟山の地は「旧国」と呼ばれるようになる。
清代には満州皇族の発祥地とされ、200年にわたって封禁されたが、1882年(光緒7年)に敦化県が設置されている。1945年(康徳12年)には満洲に侵攻したソ連軍による敦化事件の舞台になっている。1946年(民国35年)から発生した国共内戦では中国共産党吉林省委員会と吉林省政府が一時的に敦化県に設置された。1958年延辺朝鮮族自治州に移管され、1985年県級市となった。
行政単位
- 街道弁事所:勝利街道、渤海街道、民主街道、丹江街道
- 鎮:大石頭鎮、黄泥河鎮、官地鎮、沙河沿鎮、秋梨溝鎮、額穆鎮、賢儒鎮、大蒲柴河鎮、雁鳴湖鎮、江源鎮、江南鎮
- 郷:大橋郷、翰章郷、青溝子郷、紅石郷、黒石郷
経済
2002年の全市生産総額(GDP)は38.5億人民元で、吉林省の県、県級市のなかでは第3位にランクされる。 黄泥河鎮では朝鮮人参の人工栽培を行い、年間50トンを生産する。
観光
牡丹江右岸の六頂山南斜面にある六頂山古墓群は渤海初期の王族の墳墓で、1948年に発掘され墓誌を出土した貞恵公主墓や1980年に発掘され壁画や墓誌を出土した貞孝公主墓が残り、国家級文物保護単位に指定されている。 また市の東南部、牡丹江に臨む敖東城は渤海初期の都城、東牟山であった。
外部リンク
- 敦化市人民政府(中国語)