上州富岡駅
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
上州富岡駅(じょうしゅうとみおかえき)は、群馬県富岡市富岡にある上信電鉄上信線の駅である。
概要
上信電鉄の中では高崎駅・吉井駅・下仁田駅とともに主要駅で、常時2名の駅員が配置されている。当駅発着の列車も設定されている。
1897年(明治30年)に富岡駅として初代駅舎が完成する。当時は路線バスの発着場も併設されていた。1921年(大正10年)には現在の駅名に改称し、1970年(昭和45年)に2代目の駅舎に建替が行われる。2011年(平成23年)に、駅舎の老朽化に伴う建て替の必要性と、群馬県富岡市の顔、また世界遺産登録を目指す富岡製糸場の最寄り駅として行政からの財政支援を受け、駅舎の建替が行われる運びとなる。
建替に伴い2010年に上州富岡駅舎デザイン検討委員会を設置し、2011年に上州富岡駅舎設計提案競技を実施。全国から施設提案の一般公募を行い、応募総数359件から最優秀案に選ばれた武井誠+鍋島千恵/TNA(ティー・エヌ・エー)の設計により建替が進められる。2011年から2013年にかけて群馬県、富岡市、上信電鉄、観光まちづくり団体、地元市民、設計者等を交えた「駅まち会議」で建替えの方向性の議論を行う。2013年3月に工事が着工し、2014年3月17日に3代目駅舎の開業式を迎える。
駅構造
- 島式ホームおよび単式ホーム2面3線の地上駅である。
- 駅構内にはインフォメーションスペースが設置されており、富岡製糸場を含めたまちの観光案内などが掲示されている。
- 駅事務室には上信電鉄の他、上信ハイヤーの事務室が併設されており、駅前ロータリーからは乗合タクシーの発着が可能となっている。
- 終日有人駅。公共スペースには駐輪場・公衆トイレ・自動販売機設置
- 高見沢製自動券売機設置
- 道路を挟んだ向かいの駐車場を含めた交流広場や敷地と隣接した環境広場も駅舎や駅前広場と一体的なデザインで計画が進行中(2014年3月18日現在)
駅舎
- 現駅舎(2014年3月18日現在)は煉瓦壁で作られた富岡製糸場への玄関口という点を考慮し、等間隔に配された鉄骨柱に煉瓦壁が巻きつくデザインとなっている。富岡製糸場の煉瓦を引き立たせる為、製紙場の煉瓦とは異なる色(薄茶色)の煉瓦を使用している。駅舎全体は高さ約6.5mの屋根で覆われた半外部空間を持つ開放的なデザインとなっている。
- 駅舎全体は「鉄骨煉瓦積造(鉄骨造と煉瓦積造の混構造)」で支えられている。これは柱に溶接されたブレース(筋交い)を煉瓦で挟み込むことで強い耐震性を得る独特な構造形式である。※富岡製糸場の構造形式は「木骨煉瓦積造」
- 煉瓦積は富岡製糸場と同じ「フランス積み」を基本としながら、構造体のブレースを煉瓦で挟み込むことで煉瓦の並びに独特の変化が生じる富岡駅特有の煉瓦積みとなっている。
- 駅構内及び駅舎周辺広場のサイン計画はイヤマデザインが担当している。
のりば
1 | テンプレート:Color上信線 | 高崎方面 |
2 | テンプレート:Color上信線 | 下仁田方面 |
駅舎側単式ホーム | テンプレート:Color上信線 | 当駅発着列車 |
駅舎から最も遠いのりばが1番線となっている。また、単式ホームには番線表示が設置されていない。
利用状況
- 朝夕のラッシュ時には沿線へ通学する高校生でにぎわう。
- 2012年度の1日平均乗車人員は429人である。
乗車人員推移 | |
---|---|
年度 | 1日平均人数 |
2007 | 461 |
2008 | 447 |
2009 | 410 |
2010 | 430 |
2011 | 416 |
2012 | 429 |
駅周辺
- 富岡市役所
- 富岡警察署
- 富岡小沢郵便局
- 富岡郵便局
- 旧官営富岡製糸場(片倉工業富岡工場) - 駅南西徒歩10分
- 群馬県立富岡東高等学校
- 群馬県立富岡実業高等学校
- 群馬県道206号富岡停車場線
- 群馬県道10号前橋安中富岡線
- 国道254号
路線バス
乗場 | 系統 | 主要経由地 | 行先 | 運行会社 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
那須線 | 総合病院、福島駅、歴史資料館 | 那須 | 上信ハイヤー | ||
小野線 | 東富岡駅、総合病院、下高尾 | こまち前 | 日曜日運休 | ||
額部線 | 東富岡駅、総合病院、歴史博物館、宮城、東富岡駅 | 富岡駅 | 日曜日運休 | ||
東富岡駅、総合病院、七日市病院、宮城、東富岡駅 | 富岡駅 | 日曜日運休 | |||
黒岩線 | 東富岡駅、総合病院、七日市病院 | 黒岩公民館 | 日曜日運休 | ||
丹生線 | 東富岡駅、総合病院、七日市病院、宮崎公園 | 岡部温故館 | 日曜日運休 | ||
菅原線 | 総合病院、七日市病院、本村公会堂、妙義ふれあいプラザ | 菅原 |
JR信越線のSL・DL運転日に横川駅行きの臨時バスを運行[1]
歴史
- 1897年(明治30年)7月2日 「富岡駅」として初代駅舎開業。
- 1921年(大正10年)には現在の駅名「上州富岡駅」に改称
- 1970年(昭和45年)8月24日 2代目駅舎に建替え。
- 2013年(平成25年)3月13日 3代目駅舎建替新築工事開始。
- 2014年(平成26年)3月17日 3代目駅舎開業。
隣の駅
その他
- 駅舎建替にともない、2013年2月には現駅舎お別れ記念入場券セットが発売された。
- 頻繁に地元中学生の職場体験を受け入れている。