ゆらゆら帝国
テンプレート:出典の明記 テンプレート:Infobox Musician ゆらゆら帝国(ゆらゆらていこく)は、1989年に結成された日本のロックバンド。おおむねサイケデリック・ロックというジャンルで語られるが、幅広いジャンルを内包した酩酊的なサウンドで異彩を放った。2010年3月31日、同日付での解散を発表。
目次
概要
ゆらゆら帝国というバンド名は、結成時にバンド名を決める際、いくつか挙げた候補のどれもピンと来ず、最もましだったものを選んだという程度で深い理由はないとのこと。坂本のかねてからのファンである水木しげるの漫画から取ったという説もある。
メンバーは坂本慎太郎、亀川千代、柴田一郎の3人で、このうち坂本のみが結成時のオリジナルメンバーである。このメンバーに落ち着いたのはメジャーデビュー前年の1997年で、それ以前まで加入・脱退が相次いでいた。結成時は4人編成であったが、メンバー数名が脱退したことを機会に3人構成を貫いている。メンバーについての詳細は後述のメンバーの節を参照のこと。
音楽性はサイケデリック・ロックと形容されることが多い。事実耳障りな程のファズギターやトリップ感覚をもたらすような反復を含む楽曲も少なからずあるが、90年代半ばからは比較的ストレートなロックンロールやポップスのフォーマットを導入しており、子供や女性がボーカルを務める楽曲や、ミニマル・ミュージック、音響系、ダブ、ファンクなど様々な音楽性が混在する独特のサウンドを志向していた。初期はおどろおどろしい歌唱とストーナー的な重苦しいグルーヴと共に「日本語のオリジナルロック」を追求していたが、デビュー後は特にこだわらなくなったようで、歌詞や曲名に英語が使われている楽曲が多くある。
メジャーデビューアルバムの『3×3×3』はリリースされた当時、CORNELIUSの小山田圭吾により音楽雑誌での企画“年間ベスト1アルバム”に選ばれた。坂本は「(小山田に)年間ベスト1に選んでもらって、それから周りの見る目が変わった」と後のインタビューで語っている。
ライブにおける特徴として、MCがほとんどない、アンコールがないといったことが挙げられる。演奏自体はときに非常に激しく、曲によっては暴力的なほどに大音量である。坂本はギターを弾きながら体を激しく動かし飛び上がることもある一方で、亀川はほぼ直立不動を保ち、大振りなアクションはまったく行わない。MCは、坂本が「どうも」「あと1曲です」「さよなら」「ありがと」「まぁまぁまぁ」などと言うだけで、まとまった事を喋ることはほとんどなく、他の二人は全く喋らない。また、観客からの掛け声に応じることも一切しない。以前はライブ途中での楽器の交換が基本的になかったが、2008年頃から坂本がギターを置きマラカスなどのパーカッションを持つことがあり、その際観客に手拍子を求めるような仕草(坂本本人にその意図があるかどうかは不明である)を見せることもあり、些かパフォーマンスに変化が見られた。
なお、メジャーデビュー以前のライブは坂本と吉田のみがパフォーマンスをし、亀川と橋口が全く動かないというスタイルであり、内容は激しく叫ぶ、全裸での演奏といった過激なものが多かった。最後の曲を観客からリクエストしたり、アンコールに答えることもあったという。
国内のフェスの参加のほか、2005年のレーベル移籍後はヨーロッパやアメリカでのライブ敢行や台湾のフェス出演など、海外での活動も活発に行っている。
2010年3月31日、ホームページにて「完全にできあがってしまった」と感じたことを理由に解散。また、発表の数時間前に田中宗一郎がtwitterにて解散を示唆するツィートを残し、批判が起こったためそのツィートを削除、謝罪するという珍事が起こった。
メンバー
坂本 慎太郎(さかもと しんたろう、1967年9月9日 - ) テンプレート:Indent
亀川 千代(かめかわ ちよ、1969年7月29日 - ) テンプレート:Indent
柴田 一郎(しばた いちろう、1968年9月2日 - ) テンプレート:Indent
旧メンバー
吉田 敦(よしだ あつし) テンプレート:Indent 橋口 優(はしぐち まさる) テンプレート:Indent 沢田 守秀(さわだ もりひで) テンプレート:Indent 下田 温泉(しもだ おんせん) テンプレート:Indent 阿佐美 和正(あさみ かずまさ) テンプレート:Indent
来歴
- 1989年2月、大学2年生の坂本慎太郎が学友の吉田敦を誘い結成。吉祥寺の曼荼羅、高円寺の20000Vを中心に活動を始める。当時のメンバーは4名であった。このころ、三宅裕司のいかすバンド天国に出演した異色バンド、マリア観音と共にライブを企画する。同バンドも掲げていた「日本語のオリジナルロック」を追求。翌年、亀川千代がベース担当として加入、亀川の友人である橋口優がギター担当として加入した。
- 1991年から、自主制作のカセットテープを次々制作、発売した。
- 1992年にはインディーズレーベルにて1stアルバム『ゆらゆら帝国』発売。しかし吉田が聴覚障害の悪化を理由に脱退。さらに橋口が脱退。ドラムス担当として沢田守秀が加入。スリーピースバンドとなる。
- 1994年、2ndアルバム『ゆらゆら帝国』を発売。
- 1995年、沢田が脱退。ドラムス担当として下田温泉が加入。翌年には3rdアルバム『LIVE』、4thアルバム『Are you ra?』が発表され、このころから音楽業界で広く話題になりはじめる。
- 1997年、下田が脱退。かかしのメンバーであった柴田一郎が加入。
- 1998年、ミディと契約しメジャーデビュー。メジャー1stアルバム『3×3×3』発表。各メディアで絶賛される。
- 2000年、フジロックフェスティバルに初参加。その後、2年おきに出演するようになる。
- 2005年、ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズに移籍。
- 2008年、園子温監督作『愛のむきだし』に主題歌「空洞です」を含む複数の挿入曲が起用される。
- 2009年、結成20周年を迎える。記念ライブを日比谷野外音楽堂で開催。
- 2010年、公式ウェブサイト上で3月31日をもって解散を発表。
作品
シングル
- 発光体 (1998年7月8日)
- ズックにロック (1999年4月21日)
- ゆらゆら帝国で考え中 (2000年11月22日)
- ラメのパンタロン (2001年5月3日)
- 冷たいギフト/貫通 (2002年11月20日)
- つぎの夜へ (2006年6月21日、AICL-1750)
- 美しい (2007年7月4日、AICL-1836)
アルバム
- ゆらゆら帝国 (1992年4月25日)
- 冥土の口/狂っているのは君のほう/虫男/私は点になりたい/太陽のうそつき/生き物万歳/お花もどき/なぞ宇宙
- ゆらゆら帝国II (1994年6月10日)
- 人間やめときな/魚ちゃん/壁のない部屋/バカのふり/心は半分/奴隷と神様/夜中の果実
- Are you ra?/アーユーラ? (1996年3月25日)
- アイツのテーマ[1]/されたがっている/最後の一匹/グレープフルーツちょうだい/うそのアフリカ/アイドル/ファミリー/わかって下さい
- 3×3×3 (1998年4月15日、読みは「さんかける さんかける さん」)
- ミーのカー (1999年6月16日)
- 太陽の白い粉 (1999年11月17日)
- ゆらゆら帝国III (2001年2月21日)
- ゆらゆら帝国のしびれ (2003年2月26日)
- ゆらゆら帝国のめまい (2003年2月26日)
- Sweet Spot (2005年5月18日、AICL-1617)初回盤のみデジパック仕様、ステッカー封入
- 空洞です (2007年10月10日、AICL-1877)
リミックスアルバム
- REMIX 2005-2008 (2008年7月2日、AICL-1940/1941)
ライブアルバム
- LIVE (1995年7月1日)
- な・ま・し・び・れ・な・ま・め・ま・い (2003年11月26日)
ベストアルバム
- 1998-2004 (2004年9月16日)
- SINGLES 1998-2002 (2013年2月27日)
オムニバス参加アルバム
- BLOODY BUTTERFLY (1991年)M-4「お葬式」、M-5「虫男」、M-6「冥土の口」を収録。
- Tokyo Flashback 2 (1992年)M-6「バカのふり」を収録。
- RICE-TONE CIRCLE vol.1 (1996年10月19日)M-5「昆虫ロック」、M-11「彼女のサソリ」を収録。
- けものがれ、俺らの猿と (2001年5月30日)同名映画のサウンドトラック。M-6 「つきぬけた」を収録。
- FINE TIME 2 〜A TRIBUTE TO NEW WAVE〜 (2005年4月6日)M-14「Frankie Teardrop」(スーサイドのカバー)を収録。
- 乱歩地獄 オリジナル・サウンドトラック (2005年10月26日)M-23「ボーンズ」を収録。
- A Pack To The Future (2006年12月7日)石野卓球によるDJミックスアルバム。M-2「ONE BUTTON (YURA YURA TEIKOKU)」を収録。
- 極東最前線2 (2008年7月23日)M-3「タコ物語 (LIVE)」を収録。
自主制作
以下はすべてカセットテープによる作品。
- ゆらゆら帝国 (1991年)生き物万歳/夜の恋人達/太陽のうそつき/神様おねがい
- ゆらゆら帝国 (1991年)冥土の口/お花もどき/耳なし口なし/お葬式
- ゆらゆら帝国 (1991年)心は半分/魚ちゃん/砂糖人間/お花もどき/炎ってすてき
映像作品
- Live 1997.9.1 (VHS、1998年1月25日)下北沢CLUB Queでのライブ映像。昆虫ロック/ドックンドール/いたずら小僧/発光体
- CLIPS 1998-2003 (DVD、2007年9月26日)発光体/ズックにロック/ゆらゆら帝国で考え中/ラメのパンタロン/冷たいギフト/貫通/夜行性の生き物3匹/ドア
- YURAYURATEIKOKU LIVE 2005-2009(2CD+DVD、2010年11月24日)
- YURAYURATEIKOKU LIVE 1997-2004(DVD、2010年12月22日)
坂本慎太郎の作品
作品は全てインディーズレーベルzolone recordsから
シングル
発売日 | タイトル | 規格品番 | 収録曲 | 備考 | |
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1st | 2013年1月11日 | まともがわからない | zel-007(通常盤) zel-007s(初回限定盤) zel-008(LP) |
全3曲
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TX系ドラマ「まほろ駅前番外地」エンディングテーマ オリコン最高12位、登場回数9回、2013年インディーズ年間6位 |
7inch vinyl
発売日 | タイトル | 規格品番 | 収録曲 | 備考 | |
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1st | 2011年8月17日 | 幽霊の気分で | zel-001 | 全2曲
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2nd | 2013年4月20日 | 坂本慎太郎 feat. Fuko Nakamura / 幽霊の気分で | zel-009 | 全2曲
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アルバム
発売日 | タイトル | 規格品番 | 収録曲 | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|
1st | 2011年11月18日 | 幻とのつきあい方 (How To Live With A Phantom) | zel-002(通常盤) zel-002s(初回限定盤) zel-003(LP) |
全10曲
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オリコン最高11位、登場回数10回、2011年インディーズ年間79位 |
2nd | 2014年5月28日 | ナマで踊ろう(Let’s Dance Raw) | zel-012(通常盤) zel-012s(初回限定盤) |
全10曲
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参加作品
発売日 | タイトル | 規格品番 | 収録曲 | 備考 |
---|---|---|---|---|
2012年10月24日 | オシリペンペンズ『心』 | DON-4 | 全6曲
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ゲストミュージシャンとして参加 |
2013年12月11日 | Soup Stock Tokyoの音楽2 Music For Soup Stock Tokyo vol.2 Selected by Koichi Matsunaga (a.k.a.COMPUMA) | PCD-20290 | 全17曲
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P-VINE |
ミュージックビデオ
ゆらゆら帝国
監督 | 曲名 |
天久聖一 / 山口保幸 | 「美しい」 |
井本学明 | 「ズックにロック」「発光体」 |
丸山太郎 | 「ロボットでした」 |
山口保幸 | 「2005年世界旅行」「つぎの夜へ」「ゆらゆら帝国で考え中」「タコ物語」「ラメのパンタロン」「貫通」「空洞です」「夜行性の生き物3匹」「冷たいギフト」 |
不明 | 「ドア」「空洞です (alternate version)」 |
坂本慎太郎
監督 | 曲名 |
坂本慎太郎 | 「君はそう決めた」 |
山口保幸 | 「死者より(From The Dead) 」 |
脚注
外部リンク
- ゆらゆら帝国 Official Site
- テンプレート:MySpace
- Pitchfork - Pitchforkのレビュー
- PUBLIC-IMAGE.ORG インタビュー