散種
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
散種(さんしゅ,テンプレート:Lang-fr-short,ディセミナシオン)とは、哲学者ジャック・デリダの代表的な用語。
多義性では、なぜその単語を使ったか知るために、時代背景等を考察する必要から、無限に遡ることが許される。 だが、遡ることが出来るのは、あくまで過去に存在していた意味の「解明」としてなされる。すなわち、かつて「過去」に存在したもので今後未来に回復されるべきものとして存在する。
対して散種とは、意味を遡る際に、それは過去に存在していたかどうか、過去にそのような意味で使われていたかどうかは関係無い。過去には別の意味で使われていたかもしれないが、それは遡ることは出来ない。また、今後ある言語の内部で新たに別の意味が設けられてしまうとき、その意味は多義性というものではなく、一つの意味に回収され得ず拡散していく。 散種とはすなわち、多義性という「同一性」にとらわれない差延的運動である。