タマリンド
テンプレート:生物分類表 テンプレート:栄養価 テンプレート:Commons&cat テンプレート:Sister タマリンド(英:tamarind、学名:Tamarindus indica)は、マメ科ジャケツイバラ亜科[1]タマリンド属の常緑高木。タマリンド属で唯一の種である。果実が食用になる。別名、チョウセンモダマ。
形態、分布
アフリカの熱帯が原産で、インド、東南アジア、アメリカ州などの亜熱帯および熱帯各地で栽培される。
樹高は20m以上になる常緑高木で、葉は長さ15-20cmの羽状複葉、小葉は10-20片で長楕円形。 花は総状花序をなし、5弁で径3cm。黄色に橙色または赤色のすじが入る。
果実は長さ7-15cm、幅2cmほどのやや湾曲した肉厚な円筒形のさやで、黄褐色の最外皮は薄くもろい。 1個ないし10個の黒褐色で扁平な卵円形の種子との間隙はペースト状の黒褐色の果肉で満たされる。 この果肉は柔らかく酸味があり、食用とされる。
半乾燥地に適応しているが、雨の多いところでも生育する。
品種
酸味が弱く甘味が強い生食に適した品種もある。
食用
料理の酸味料や食品添加物の増粘安定剤として用いられる他、ピクルス、シロップ、清涼飲料水に加工されるなど、利用範囲の非常に広い果実である。その他に甘みと酸味を楽しむ生食、ドライフルーツや砂糖漬け、塩漬けに加工される。
種子の胚乳部分から抽出して得られたものから、食品添加物としての多糖類を主成分とする 増粘安定剤のタマリンドガム(タマリンドシードガム)を製造する。
酒石酸とクエン酸に よる強い酸味をもつ黒褐色の果肉が使われる。 水に浸してとんかつソースのようになったものを調味料として使う。 栽培地では果肉だけを集めて黒味噌のような姿で、日本には数百gのブロックか、浸出したエキスの形で売られるのが一般的である。
香りの主成分はフルフラール(Furfural)、2-アセチルフラン(2-Acetylfuran)など。
インド料理では果肉を熱湯に溶かしてチャツネを作る他、サーンバールやラッサムの酸味づけに用いる。インドのマクドナルドでは、マクイムリー(McImli:「イムリー」(इमली)とはヒンディー語でタマリンドの意)というタマリンドソースをつけてもらうことができる。
タイ料理のトムソムやフィリピン料理のシニガン(sinigang)の酸味づけにもタマリンドが欠かせない。イラク中部と南部ではドルマの酸味づけにタマリンドを用いることがある。
ラテンアメリカでは、タマリンドの果肉から清涼飲料水を作る。タマリンドの缶ジュースも市販されている。
ベトナム料理の甘酸っぱいスープカインチュアの酸味づけにもタマリンドを用いる。他、ベトナムでは砂糖菓子に加工したり、煎りピーナツを加えたタマリンドジュース(ダー・メー、đá me)として飲む。
生食にはスイートタマリンドと呼ばれる種類の果実を樹上で成熟させ水分が20%以下にしたものを収穫して用いる。
フィリピンでは、マラリアに効能があるとして葉をタマリンド茶として用いる。
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Jamaican snack
その他
- 果実はサルの好物で、マダガスカルのキツネザルの主要な食物の1つである。
- 材木は家具や道具の材料に用いられる。パルプを金属磨きとして用いる地域がある。
- 属名はアラビア語で「インドのナツメヤシ(デーツ)」を意味する「タマル・ヒンディー」(تمر هندي)に由来する。アラビア語圏でタマリンドが知られるようになったのが、原産地のアフリカから直接持ち込まれたのではなく、果実がナツメヤシ類似の交易品としてインドからもたらされたためと推定される。