析出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
析出(せきしゅつ)とは、ある物質の溶液から固体が現れること。析出は主に温度変化や溶媒の量・混合比の変化によって、その化合物の溶解度が下がることによって起こる。再結晶や再沈殿はこの現象を利用した物質の精製法である。
反応を行う際に適切な溶媒を用いないと反応中間体や生成物が析出し、反応がうまく進行しないことがある。逆に、反応の進行とともに反応溶媒に不溶な物質が生成することが予想される場合には、反応の進行を確かめる一つの目安になる。また、平衡反応の場合、固体となって析出した物質は基本的に平衡には関与しないので、生成物が溶媒に不溶であれば、反応を生成系に偏らせるドライビングフォースと成りうる。
また、水溶液にアルコールを加え、溶存塩を分離するときも析出という[1]。これは塩がアルコールに溶けにくい性質を利用したものである。