健康学園
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健康学園(けんこうがくえん)とは、肥満や気管支喘息、偏食、病弱などの健康上の障害のある児童に、集団生活ときちんとした健康管理と教育によって、健康改善の機会を提供しようとする試み、もしくはそのための全寮制の教育施設のことをいう。
概要
東京では、各特別区が独自で、空気のよい静岡県の伊豆半島あるいは千葉県の房総半島などで、区内の小学生を対象に行っている。概ね一年間親元を離れて生活し、その後元の学校に戻る。教員は、東京都の小学校の教員が通常の人事異動で派遣される。制度的には、所属校の病弱特別支援学級という位置づけである。
教育内容は基本的に設置区の通常の小学校と同じだが、健康に関わる内容や自立活動が授業に加わる。教科書、副読本も設置区が採用しているものと同じものを使っている。在籍児童数が少ないため、必然的に少人数での授業が行われる。卒業後は設置区の区立中学校へ進学するが、国立・私立中学校の進学実績も少なからずある。
しかし、地方自治体の財政難と対象になる児童数の減少で、こうした取り組みを止めた区が多くなってきている。
評論家の斎藤貴男も東京都豊島区立竹岡健康学園の卒業生であり(当時の名称は養護学園)、著作『機会不平等』(文春文庫)では健康学園の廃止問題についても触れている。
現存する健康学園
括弧内は所属校を表す。
- 中央区立宇佐美学園(中央区立城東小学校)-静岡県伊東市
所属校の「病弱特別支援学級」であり、園長は所属校の校長が兼務する。
同様の趣旨で設置されている区立病弱特別支援学校
- 大田区立館山さざなみ学校(千葉県館山市)
- 板橋区立天津わかしお学校(千葉県鴨川市)
- 葛飾区立保田しおさい学校(千葉県安房郡鋸南町)
1つの「学校」として独立しており、校長も配置されている。
閉園した健康学園
括弧内は所属校を表す。
- 千代田区立鎌倉臨海学園(千代田区立番町小学校)
- 港区立伊豆健康学園(港区立芝浦小学校)
- 新宿区立箱根岡田高原学園(新宿区立津久戸小学校)
- 文京区立岩井学園(文京区立窪町小学校)
- 台東区立岩井学園(台東区立黒門小学校)
- 台東区立保田学園 (台東区立小島小学校)
- 墨田区立健康学園(墨田区立中和小学校)
- 江東区立新舞子健康学園(江東区立元加賀小学校)
- 目黒区立興津健康学園(目黒区立不動小学校)
- 大田区立宇佐美養護学園(不明)
- 大田区立岩井養護学園(大田区立池上第二小学校)
- 世田谷区立三浦健康学園(世田谷区立玉川小学校)
- 渋谷区立富山健康学園(渋谷区立常盤松小学校)
- 中野区立館山健康学園(中野区立桃丘小学校)
- 杉並区立南伊豆健康学園(杉並区立西田小学校)
- 豊島区立竹岡健康学園(豊島区立仰高小学校)
- 荒川区立湊健康学園(荒川区立第二日暮里小学校)
- 板橋区立大磯学園(板橋区立常盤台小学校)
- 練馬区立下田学園(練馬区立早宮小学校)
- 足立区立上総健康学園(足立区立千寿小学校)