燧ヶ岳
テンプレート:Infobox 山 燧ヶ岳(ひうちがたけ)は福島県にある火山。山頂は南会津郡檜枝岐村に属する。尾瀬国立公園内にあり、至仏山とともに尾瀬を代表する山でもある。東北地方最高峰(2,356m)であり日本百名山に選定されている。
概要
火口付近には柴安嵓(しばやすぐら、2,356m)、俎嵓(まないたぐら、2,346.0m)、ミノブチ岳、赤ナグレ岳、御池岳の5つのピークがある。尾瀬ヶ原からは左から柴安嵓、御池岳、赤ナグレ岳が見え、尾瀬沼からは左から柴安嵓、俎嵓の2つのピークが目立つ。登山道が通じているのは柴安嵓、俎嵓、ミノブチ岳の3つであり、この順番に登山道で結ばれている。俎嵓には二等三角点「燧岳」がある。燧ヶ岳は、2,300m以上の山として日本で最も北に位置する。日本国内では、燧ヶ岳より北にそれより高い地点はない。
噴火
噴火が記された文献はないが、約500年前に噴火したと見られる。噴出物の調査及び文献から、約8,000年前に山体崩壊を起こして尾瀬沼ができ、1544年頃に溶岩ドームが出現した際に水蒸気爆発が起きて白い粘土が噴出した(直後の同年7月28日に「白ヒケ水」と呼ばれる洪水が起きた)ことが分かっている。
登山
記録に残る最初の登頂者は平野長蔵で、1889年に仲間らとともに登頂に成功している。2010年現在、4方向から4本の登山道がある。燧ヶ岳には山小屋はもちろん、売店や自動販売機なども一切無いため、食料や水を十分に確保した上で早朝出発、早期下山することが必須である。森林に覆われているため頂上に近づくまで眺望はほとんど無い。特別な装備や技術は不要であるが、雪解けの時期や雨天、雨後はぬかるみが酷い。靴が水や泥に浸かってもいいように登山用のスパッツを装備するとよい。
- 沼尻休憩所から(ナデッ窪)
- 南から上り、ミノブチ岳で長英新道と合流、俎嵓に至るルート。最短ではあるが急峻で道が荒れていることからしばしば閉鎖となる。上級者を除いて通常は使われない。滑りやすいことで知られ、事故を避けるため下りでの利用は避けた方がよい。
- 長蔵小屋から(長英新道)
- 南東から上り、ミノブチ岳でナデッ窪と合流、俎嵓に至るルート。ナデッ窪に次いで二番目に短い。沼山峠や尾瀬沼方面からの登山者によく使われる。ぬかるみが多い。
- 御池から
- 北から上り、俎嵓に至るルート。登山口まで車で直接行ける唯一のルートである。他のコースに比べるとやや距離があるものの、広沢田代、熊沢田代などの美しい湿原を通過するため人気がある。
- 見晴から(見晴新道)
- 西から上り、柴安嵓に至るルート。登山口の標高が他コースと比べて低い事から、上りに使用する場合には長丁場となる。登山口付近は沢沿いであり、増水時には道にも水が溢れる。2013年9月の台風18号により土石流が発生し、登山道が流出しており、当分の間、見晴の見晴新道分岐から柴安嵓山頂までの区間が立入禁止となっている。復旧は未定。
- 温泉小屋から(温泉小屋道)
- 西から上り、柴安嵓に至るルート。登山口付近は沢沿いであり、増水時には腰まで水に浸かりながら渡渉することになる。2007年のシーズンを最後に廃道となった。
ギャラリー
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左から順に尾瀬沼、燧ケ岳、尾瀬ヶ原.手前の谷は三条ノ滝から奥只見湖(銀山湖)に繋がる只見川最上流部(2006年6月撮影)
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尾瀬ヶ原から望む燧ヶ岳(2004年8月撮影)
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尾瀬ヶ原、中田代の池塘と燧ヶ岳
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熊沢田代から燧ヶ岳
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俎嵓から山頂の柴安嵓
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俎嵓から山頂