ウィリアム・ホルマン・ハント
テンプレート:Infobox 芸術家 ウィリアム・ホルマン・ハント(William Holman Hunt、1827年4月2日 - 1910年9月7日)は、19世紀から20世紀のイギリスの画家。ラファエル前派の一員に数えられる。
生涯
1848年、ロンドンのロイヤル・アカデミー付属美術学校の学生であったハントは、学友のジョン・エヴァレット・ミレー、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティらとともに「ラファエル前派」(Pre-Raphaelite Brotherhood)を結成した。「ラファエル」とはイタリア・ルネサンスの巨匠であり、西洋古典絵画の代名詞とも言える画家ラファエロのことを指す。「ラファエロ以前」という言葉には、19世紀当時のアカデミーにおける古典偏重の美術教育に異を唱える意味があった。ラファエル前派に思想的な面で影響を与えたのは、同時代の思想家であり美術批評家であったジョン・ラスキンであった。ラスキンの美術に対する考えは、一言で言えば「自然をありのままに再現すべきだ」ということであった。この思想の根幹には、神の創造物である自然に完全さを見出すというラスキンの信仰がある。しかし、明確な理論をもった芸術運動ではなかったラファエル前派は長続きせず、1853年にミレーがロイヤル・アカデミーの準会員になったことなどをきっかけとして、数年後にはグループは解散した。
ラファエル前派の主要メンバーであった上記3人のうち、ミレーとロセッティは徐々に芸術的方向性を変えていった。そうしたなかで、ラファエル前派の画家としての特色を最後まで保っていたのがハントであった。
その特色とは、聖書、伝説などに主題を求めることと、画面のすみずみまで徹底的に描き込んだ細密描写であり、ラスキンの「自然の忠実な再現」という思想をもっとも忠実に実行した画家であったといえよう。徹底した写実主義者であったハントは、聖書の物語を絵画化するためには、物語の起きた現場を見なければ描けないと考え、パレスチナを3度も訪れている。
代表作
- William Holman Hunt 001.jpg
雇われ羊飼い(1851-2n年・マンチェスター市立美術館収蔵)
- Hunt english coasts.jpg
我が英国の海岸(1852年・テート・ギャラリー収蔵)
- William Holman Hunt - The Awakening Conscience - Google Art Project.jpg
良心の目覚め(1853年・テート・ギャラリー収蔵)
- Hunt Light of the World.jpg
世の光(1853年 - 1854年頃・マンチェスター市立美術館収蔵)
- William Holman Hunt - The Scapegoat.jpg
贖罪の山羊(1854年 - 1856年頃・レディ・リーヴァー美術館収蔵)
- HUnt-Isabella+Pot-1867.jpg
イザベラとメボウキの鉢(1868年・レイング・アート・ギャラリー収蔵)
- William holman hunt-the shadow of death.jpg
死の影(1870年・マンチェスター市立美術館収蔵)
- Holman-Hunt, William, and Hughes, Edward Robert - The Lady of Shalott - 1905.jpg
シャロットの女(ウォズワース・アテネウム収蔵)