無水マレイン酸
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無水マレイン酸(むすいマレインさん、maleic anhydride)とは、有機化合物の一種で、マレイン酸の2個のカルボキシル基が分子内で脱水縮合してできるカルボン酸無水物。分子式 C4H2O3 の、無色の針状結晶の固体である。
性質と反応性
アセトンやクロロホルムに溶ける。水に溶かすと加水分解してマレイン酸が生じる。
無水マレイン酸は、高分子の原料として工業的に重要である。電子不足であるため、スチレンなどのモノマーとラジカル重合により容易に共重合を行う。
LUMO のエネルギー準位が低く、ディールス・アルダー反応におけるジエノフィルとしての反応性が高い。
無水マレイン酸と第一級アミンを原料としてマレイミド骨格が合成できる。マレイミド骨格はチオールとの反応性が高く、ペプチドのシステイン残基を捕捉するために利用される。
製造
無水マレイン酸は、ベンゼンなどの炭化水素の気相酸化によって製造される。
無水マレイン酸の 2008年度日本国内生産量は 95,424 t、工業消費量は 22,930 t である[1]。
毒でんぷん騒動
本製品は工業用途向けであり、食品への使用は想定されていない。2013年、台湾にて無水マレイン酸を含むデンプンが流通していることが発覚し、毒性を理由に回収されたことがある[2][3]。回収された違法でんぷん商品は206トンを上回った[4]。
関連項目
脚注
- ↑ 化学工業統計月報 - 経済産業省
- ↑ テンプレート:Cite news
- ↑ 台湾揺るがす「毒でんぷん」 グルメ観光に打撃懸念 日本経済新聞、2013/6
- ↑ 台湾の食品 デンプンから違法添加物が検出人民日報、15 May 29 2013