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[[Image:Lunar Base-1.jpg|thumb|right|350px|月面基地の想像図 ([[アメリカ航空宇宙局|NASA]])]] '''月面基地'''(げつめんきち、moon base、またはlunar base)は、[[月]]([[地球]]の[[衛星]])の表面に建設される、人間の居住空間を伴ってある程度恒久的な[[基地]]のこと。各国の計画や[[サイエンス・フィクション|SF]]を含む[[フィクション]]作品に出現する。[[アポロ計画]]が成し遂げた[[月面着陸]]時から、にわかに現実味を帯びてきたが、その後の[[宇宙開発]]計画の縮小・凍結により実現は遠くなった。しかし[[2000年代]]に入り再び、世界各国で建設に向けた動きが活発化している。 == 各国の月面基地計画 == 各国の[[宇宙機関]]・[[企業]]により、次のような月面基地の構想・計画が進められている。 === アメリカ === [[アメリカ航空宇宙局]] (NASA) は[[2006年]]12月、月面基地の建設構想を発表した<ref>「[http://www.sankei.co.jp/culture/kagaku/061206/kgk061206000.htm NASA構想、2024年に「月面基地」 世界が注目]」、[[産経新聞]]、2006年12月6日。</ref>。この発表に寄れば、[[2020年]]までに建設を開始し、[[2024年]]頃には長期滞在を可能とするとしている。また、各国の宇宙機関や民間企業にも参加を呼びかけており、[[国際宇宙ステーション|ISS]]同様の国際基地となる見込みであった。建設地としては、月の南極に存在する[[シャクルトン (クレーター)|シャクルトンクレーター]]付近が最有力地として挙げられていた。前段階として[[2009年]]、新型ロケットや月面着陸船を開発する[[コンステレーション計画]]を本格的にスタートさせたが、2010年に[[バラク・オバマ]]大統領により計画が中止されたため月面基地構想は白紙化された。 === ロシア === [[ロシア連邦宇宙局]]は[[2007年]]8月、[[2025年]]までの有人月面着陸と、[[2028年]]~[[2032年]]の月面基地建設を柱とした、長期計画を発表した<ref>「[http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20070901i304.htm 露が月面基地計画、2028年から建設…火星有人飛行も]」、[[読売新聞]]、2007年9月1日。</ref>。長期計画では、[[2015年]]までに新型の[[宇宙船]]を開発するともしている。 === 日本 === [[日本]]の[[宇宙航空研究開発機構]] (JAXA) も2006年7月31日の[[セレーネ計画|月周回衛星(SELENE)]]シンポジウムにて、2020年前後の有人月面着陸と、[[2030年]]前後の月面基地建設構想を明らかにしている。この月面基地は定員が2,3人で、居住棟、発電・蓄電システム、研究施設などから構成されるとしている。<ref>「[http://slashdot.jp/science/article.pl?sid=06/07/31/1628209 JAXAの有人月探査構想、「2020年に月面着陸、2030年に月面基地建設」]」、[[スラッシュドット]]([[毎日新聞]])、2006年8月1日。</ref> === その他の国々 === [[中国国家航天局]]や[[インド宇宙研究機関]]なども有人月着陸、月面基地を構想し、調査計画を進めている。 == 月面基地の構造 == 月面基地の形状・材質については様々なアイデアが考えられている。以下に、代表的な月面基地の構造を記述する。(''[[月の植民#構造物]]の項目も参照'') ;円筒型モジュール構造 :[[宇宙ステーション]]のモジュールのような、円筒形のモジュールをつなぎ合わせる構造。使用済みの[[ロケット]]を再利用することも考えられている。 ;インフレータブル構造 :空気圧で膨らませるドーム状の構造。地球からの運搬コストを削減でき、また容易に大空間を確保することができる。 ;コンクリート構造 :月の土から作成した[[コンクリート]]による構造。コンクリートに必要な材料のうち、[[水]]以外は容易に月で入手できるため、同様に運搬コストを削減することができる。 その他、月の地下に存在すると予想される[[溶岩洞]]を利用すること等も考えられている。 == 月面基地建設の有効性 == 現在、[[有人宇宙飛行]]で月に到達するには莫大な費用がかかり、それに対する成果も少ないとして、[[月探査]]や[[宇宙探査機|惑星探査]]の場合は[[無人探査機]]を用いることが主流となっているが、やはり有人探査の方が成果は高いと考えられている。 月面基地は有人探査を阻む、費用対効果(費用に見合う成果が出せない)問題を解決する為に作られる。月面に有人の基地があれば、月に関する詳細なデータを収集することが出来、さらに他の[[惑星]]への有人探査の基地となるため、各国において現在計画されている。 さらに、月面基地が完成し本格的な稼働を始めれば、月への人類の移住が始まり、それに伴う新たな資源採掘が進めば人類のエネルギー問題にも明るい兆しが見える可能性もある。また、月の[[重力]]は[[地球]]の約6分の1であるため<!--<ref>厳密には「同じ質量の物体が月で受ける重力は地球での1/6」</ref>-->、宇宙ステーションなどの[[無重量状態]]とはまた違った実験が出来る可能性がある。 == 脚注 == <references /> == 関連項目 == *[[宇宙ステーション]] *[[月の植民]] *[[月を扱った作品一覧]] == 参考文献 == *[[松本信二]]監修 [[清水建設]]宇宙開発室編、『宇宙に暮らす-宇宙旅行から長期滞在へ-』、[[裳華房]]、2002年。 :ISBN 4-7853-8754-8 == 外部リンク == * [http://moonstation.jp/ja/index.shtml 月探査情報ステーション] *[http://spaceinfo.jaxa.jp/ 宇宙情報センター] [[Category:月|けつめんきち]] [[Category:月探査|けつめんきち]] [[Category:SF|けつめんきち]] [[en:Moon base]]
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