マイアミの奇跡のソースを表示

{{Infobox football match
| title                   = [[アトランタオリンピック]]<br />[[男性|男子]][[サッカー]]グループリーグD組第1戦
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'''マイアミの奇跡'''（マイアミのきせき）は、[[1996年]][[アトランタオリンピック]]（以下アトランタ五輪と略）・[[男性|男子]][[サッカー]]グループリーグD組第1戦において、[[U-23サッカー日本代表|日本五輪代表]]が[[U-23サッカーブラジル代表|ブラジル五輪代表]]を1対0で下した試合の[[日本]]における通称である。

== 概要 ==
[[アトランタオリンピックにおけるサッカー競技|アトランタ五輪男子サッカー競技]]は出場16カ国を抽選でA〜Dの4グループに分け、各グループ上位2チームが決勝トーナメントに進出する方式で行われた。アジア地区予選で2位となり、銅メダルを獲得した[[メキシコシティオリンピックにおけるサッカー競技|メキシコシティ五輪]]以来28年ぶりに五輪に出場した日本五輪代表はグループDに入り、初戦は南米地区代表のブラジル、2戦目はアフリカ地区代表のナイジェリア、3戦目はヨーロッパ地区代表のハンガリーと対戦することになった。ブラジル戦は五輪開催都市の[[ジョージア州]]アトランタではなく、[[フロリダ州]][[マイアミ]]の[[アメリカンフットボール]]球技場[[マイアミ・オレンジボウル]]で開催された。

[[1994 FIFAワールドカップ|ワールドカップ1994年大会]]でW杯史上初の4回目の優勝を成し遂げたブラジルは、[[オリンピックサッカー競技|五輪]]ではまだ金メダルを獲得したことがなかった。ブラジルは[[1998 FIFAワールドカップ|ワールドカップ1998年大会]]の予選が免除されていた<ref>当時は、前回優勝国は次の大会が予選免除されており、優勝国のブラジルは南米予選を免除されていた。なお、[[2006 FIFAワールドカップ|2006年大会]]からは前回優勝国も予選から参加することになった。</ref>ことで真剣勝負の場が無く、代表チームの強化の意味合いも含め、[[サッカーブラジル代表|A代表]]監督の[[マリオ・ザガロ]]が五輪代表の監督も兼任。正規の23歳以下の選手として[[ロベルト・カルロス・ダ・シウバ|ロベルト・カルロス]]、[[ジュニーニョ・パウリスタ]]、[[サヴィオ]]、ロナウジーニョ<ref>[[ロナウジーニョ]]（ロナウド・デ・アシス・モレイラ）ではなく所謂[[ロナウド]]（ロナウド・ルイス・ナザリオ・ジ・リマ）。DFの[[ロナウド・ギアロ]]（大会登録名ロナウド）がいたので、大会登録名をロナウジーニョにした。アトランタ五輪時点では[[FCバルセロナ]]への移籍前で、ブラジル五輪代表では控えのFWだった。</ref>、[[フラビオ・コンセイソン]]といったすでにA代表で活躍している若手選手を揃えた<ref>1995年には6月の[[アンブロカップ]]（リバプール）と8月の親善試合（国立競技場）で日本対ブラジル戦が行われ、ロベルト・カルロスとサヴィオが日本A代表から得点していた。</ref>。さらに、この大会から認められた[[オーバーエイジ]]枠に当時のA代表のレギュラーである[[ジョゼ・ロベルト・ガマ・デ・オリベイラ|ベベット]]、[[リバウド]]、[[アウダイール]]を加入させ、優勝候補の大本命と目されていた。大会前にはブラジル五輪代表とブラジルＡ代表が練習試合を行ない、なんと五輪代表チームが勝っている。

一方、日本は[[西野朗]]監督の意向で[[オーバーエイジ]]枠を使用せず、[[日本プロサッカーリーグ|Jリーグ]]所属の23歳以下選手、アジア予選を戦ったメンバーで大会に臨んだ。当時の[[サッカー日本代表|日本A代表]]経験者は[[前園真聖]]と[[城彰二]]の2人のみ、怪我で本戦メンバーから外れた[[小倉隆史]]を含めても3人だけだった。西野や[[山本昌邦]]コーチらスタッフは、スカウティング（以下、偵察と略すことあり）のために入手したブラジルの試合映像を見て「（自信を失わせない様に）選手達には見せない方が良いだろう」と思ったほど殆ど隙が見当たらず、選手個々人の能力、チームとしての総合力に大幅な開きがあることを痛感していた。日本のメディアを含め、下馬評ではブラジルの圧倒的有利が予想されており、日本がグループリーグを突破するためには得失点差の計算上、敗れるにしても大量失点を避けるべきとする意見もあった。

== 経緯 ==
=== 試合前までの状況 ===
ブラジル戦を前にして日本は念入りに情報分析を行い、相手の長所を消すための対策を研究した。スカウティング担当[[松永英機]]やブラジル人[[ゴールキーパー (サッカー)|GK]]コーチのジョゼ・マリオ<ref>後に[[1998 FIFAワールドカップ日本代表|仏W杯日本代表]]や[[柏レイソル]]等でもGKコーチを務めた。</ref>が事前にブラジル入りして偵察し、ブラジル五輪代表の試合の映像を入手した。また、ブラジルの新聞を取り寄せ、細かな情報まで仕入れるなど綿密なスカウティングを行った。それらを元に、[[スターティングメンバー]]や選手交代のパターンを予想した。

ブラジルの強力な2トップの内、スピードがある[[フォワード (サッカー)|FW]][[ジョゼ・ロベルト・ガマ・デ・オリベイラ|ベベット]]には[[ディフェンダー (サッカー)|DF]][[鈴木秀人]]をマークにあてることにした。2トップのもう一人は試合が接戦になった場合、FW[[サヴィオ]]から足元も上手く、高さもあるFWロナウジーニョ（所謂[[ロナウド]]）へ交代することが予想されたため<ref>ベベットは戦力アップの為に加えられた[[オーバーエイジ]]なので交代させないと予想した。</ref>、最初からサヴィオのマークに空中戦も強いDF[[松田直樹]]をあてることにした。実際に試合ではスタメンも交代パターンも予想通りであった<ref name="日本サッカー遺産">山本昌邦著『日本サッカー遺産-ワールドカップ出場舞台裏の歴史と戦略』P20 - P25</ref>。司令塔[[ジュニーニョ・パウリスタ]]対策としては、アジア予選のレギュラー[[ボランチ]]だった[[廣長優志]]を外し、左[[ディフェンダー (サッカー)|SB]]が本職である[[服部年宏]]のスピードを買って、ジュニーニョに密着マークさせることにした<ref name="journal">"[http://news.livedoor.com/article/detail/6673820/ 【元川悦子コラム】アトランタ五輪プレイバック：「28年の壁」をこじあけた日本、そして「マイアミの奇跡」 ]". Soccer Journal編集部.（2012年6月20日）2013年9月11日閲覧。</ref>。また、GKコーチのジョゼ・マリオは、左足での強烈なシュートを武器にする左SB[[ロベルト・カルロス・ダ・シウバ|ロベルト・カルロス]]のシュートパターンやシュートの軌道を、日本の正GK[[川口能活]]に徹底的に叩き込んだ。

このように守備面で万全の手を打つ一方で、攻撃面では打てる手は少なかった。唯一、ブラジル五輪代表には[[ディフェンダー (サッカー)|センターバック]]の[[アウダイール]]がオーバーエイジとして加入していたが、直前での加入だったためGK[[ネウソン・デ・ジェズス・シウヴァ|ジーダ]]との連係面に不安を抱えていた。さらに、アウダイールは経験豊富な反面スピードが無く、もう一人のCBロナウド・ギアロ（大会登録名ロナウド）も同様に比較的スピードが無かったため、「ブラジルCB2人の背後のスペースは数少ない狙い目だ」と選手たちに伝えていた<ref name="日本サッカー遺産" />。

アトランタ五輪本大会の1週間前に、[[ニューヨーク]]で行われたブラジル五輪代表と世界選抜のチャリティーマッチを[[西野朗]]監督と[[山本昌邦]]コーチが偵察した。試合は世界のスーパースターを揃えた世界選抜チームに、ブラジル五輪代表が勝利。西野らは驚きを示す一方、ブラジル五輪代表は慢心して隙が出来るのではと考えたという<ref name="日本サッカー遺産" />。

ブラジル代表は当時、ロッカールームで自らを鼓舞し、同時に相手を威圧する為に、全員が大きな声を出しながらウォーミングアップを行うことがあった。実際、この試合前にもブラジル五輪代表が行っていたが、事前にその情報を入手していた山本は試合前から精神的に飲まれないため、こちらも負けずに声を出せと日本代表選手にはっぱをかけ、ピッチに選手たちが出るまで、ずっと選手たちの側で日本代表選手たちを鼓舞し続けた<ref name="日本サッカー遺産" />。

=== 試合展開 ===
日本五輪代表は[[城彰二]]のワントップ、[[中田英寿]]と[[前園真聖]]が後方からフォローする3-6-1のフォーメーション。DFラインは鈴木・松田の2ストッパーの後方で[[ディフェンダー (サッカー)#スウィーパー|スイーパー]]の[[田中誠 (サッカー選手)|田中誠]]がカバーする。ブラジル五輪代表はスカウティング通りのスタメンで<ref name="日本サッカー遺産" />、ベベト、サヴィオ、ジュニーニョらの技巧と、リバウド、ロベルト・カルロスらの破壊力を織り交ぜた4-4-2のフォーメーション。試合会場はブラジルから来たカナリア色のサポーターが圧倒的に多く、日本にとって完全アウェーの雰囲気に包まれた<ref name="journal"/>。

最初のシュートはFW登録された中田のヘディング。ブラジルの出鼻をくじくものの、その後ブラジルは徐々にペースアップし、流動的なポジションチェンジから度々日本ゴールに迫る。しかし、日本の守備陣も冷静に対応し、前半は0-0のまま終了した。

ブラジルは後半開始からさらに攻勢を強め、世界最強の攻撃陣が猛然と襲い掛かり、シュートの雨を降らせた。日本はボール保持もままならなくなり、後半はさながら日本サイドだけでのハーフコートマッチと化した。しかし、日本の正GK[[川口能活]]のファインセーブが続き、川口がゴール外に出るだろうと見送ったボールがゴールポストを直撃して難を逃れるなど、日本に運も味方し、両チーム無得点のまま試合は推移していった。

後半19分、ブラジルはFW[[サヴィオ]]からFWロナウジーニョ（所謂[[ロナウド]]）に交代したが、サヴィオのマークをしていたDF松田が事前の打ち合わせ通り、そのままロナウジーニョにつき、冷静に対応した<ref name="日本サッカー遺産" />。

後半23分頃、ブラジルが圧倒しながらも、一向に点が入らないことにいら立った観客がGK川口めがけてピッチに乱入し、川口の目の前で警備員に取り押さえられるハプニングが起こる。

そして、ブラジルの選手たちに疲労の色が見え始めた後半27分、左サイドにいたウイングバック・[[路木龍次]]が、ブラジルのディフェンスラインとGKの間のスペースを目掛け、山なりのボールを放り込んだ。そのボールを狙って、FW[[城彰二]]が逆サイドからゴール前に走り込む。それに気づいたブラジルの[[ディフェンダー (サッカー)|CB]]アウダイールが城のチェックに向かったその時、ボールをキャッチしようと飛び出したブラジルGK[[ネウソン・デ・ジェズス・シウヴァ|ジーダ]]と激突。ゴールに向かって転がったボールに[[ミッドフィールダー|ボランチ]]の[[伊東輝悦]]が走り込み、そのままゴールマウスに押し込んだ。凡ミスによるラッキーゴールに見えたが、事前のスカウティングで判明していた、数少ない狙い目であるブラジル代表CB2人の背後のスペースを見事に突いた得点であった<ref name="日本サッカー遺産" />。

まさかの失点に焦るブラジルはその後も一方的に攻め続けるが、GK川口の神懸ったセービングと、日本DF陣の抜かれても最後まで諦めずに食らいつく粘りの守備、さらにブラジルのシュートが数本ゴールポストに当たる幸運もあり、無得点に抑えた。[[ロスタイム]]2分30秒ほどブラジルの猛攻が続いたが、日本は最後まで守り切った。

最終的にブラジルが放ったシュートは計28本。対する日本のシュートは、たったの4本だった。日本サッカー史上、最高の[[ジャイアントキリング]]の典型である。

=== 反響 ===
この試合結果を受け、日本では新聞や雑誌などで号外が出された。当時「[[スーパーサッカー (TBSのサッカー番組)|スーパーサッカー]]」の司会者だった[[生島ヒロシ]]は[[新幹線]]での移動中に試合結果を知り、頼み込んでその新幹線でアナウンスしてもらったという。海外でもこの結果は話題になり、[[1950 FIFAワールドカップ|1950年ブラジルW杯]]グループリーグで、全員アマチュアの[[サッカーアメリカ合衆国代表|アメリカ代表]]が、全員プロの[[サッカーイングランド代表|イングランド代表]]を1-0で下した[[FIFAワールドカップ]]史上最大の[[番狂わせ]]（世紀のアップセット）と並ぶものとして讃えられた。

ブラジルにとって格下と目されていた日本の、しかも2軍扱いしていたチームに敗れたことは番狂わせの最たるものだった。ブラジルのテレビ生中継番組の解説者は、ボールがブラジルゴールに吸い込まれていく際に「あーっ、入っちゃう…」と絶望にも似た声でつぶやき、試合終了直後の実況は「こんなことがあっていいのか。大変な教訓になりました。日本はお祭りです。ブラジルは悲しんで……」と絶句した。この試合後、ブラジル国内ではテレビ局が特別番組を組み、国内の有識者たちが屈辱的な敗戦の要因を徹底討論した。また、フル出場したベベットは試合後、この試合のビデオを見返したが、「なぜ、僕たちが負けたのか今でも分からない」と発言した。この試合のブラジルにおける呼称は「マイアミの'''屈辱'''」である。

=== グループリーグD組最終結果 ===
その後、日本は第2戦[[U-23サッカーナイジェリア代表|ナイジェリア]]戦も実力差を考慮し、守備的布陣で臨んだ。試合開始から身体能力を生かし、[[ロングボール]]を多用するナイジェリアに、日本は圧倒され続けた。数少ない日本の攻撃時も、人数がかけられない為、決定機は数本のみだった。ハーフタイムのロッカールームでは、中田が守備陣に対してもっと攻撃参加するよう要求。西野監督はチーム戦術に反した中田を叱責し、チームの武器であった団結力に亀裂が生じた<ref name="journal"/>。後半もナイジェリア優勢が続く中、負傷した田中誠と交代した[[秋葉忠宏]]が[[オウンゴール]]を犯し、後半37分にナイジェリアに先制を許す。さらに後半44分、DF[[鈴木秀人]]が自陣ペナルティエリア内で判断ミスでハンドの反則をとられ、駄目押しの[[ペナルティーキック|PK]]を決められ、0-2で日本は敗れた。

グループDの他会場はブラジルが[[サッカーハンガリー代表|ハンガリー]]に3-1で勝ち、2戦終了時点で、2勝のナイジェリア（勝ち点6・得失点差+3）、1勝1敗のブラジル（勝ち点3・得失点差+1）、1勝1敗の日本（勝ち点3・得失点差-1）が決勝トーナメント進出の可能性を持ち、2敗したハンガリーは敗退決定となった。

日本の最終戦は、ハンガリーを相手に大量得点で勝利することが命題であった。日本は中田をスタメンから外し、3-5-2の攻撃的布陣で臨んだが、開始3分にハンガリーに先制点を与えた。前半40分に前園のPKで追いつくが、後半4分にカウンターを許し、1-2と再びリードされた。攻めながらも得点を奪えず、迎えた後半[[ロスタイム]]、交代出場したばかりのDF[[上村健一]]が同点ゴールを決め、その直後にも前園が決勝点を決めて（公式記録は後半44分）<ref>『Sportiva』2003年7月号付録「JAPAN NATIONAL FOOTBALL TEAM SPECIAL DATA BOOK」、P41。</ref>日本が3-2で逆転勝利した。同時刻に開始された最終戦のもう一方の試合はブラジルがナイジェリアに1-0で勝利した。

その結果、日本はブラジル、ナイジェリアと2勝1敗（勝ち点6）で並んだものの、得失点差で両国を下回ったためグループリーグ通過はならなかった。「グループリーグで2勝を挙げながら敗退」という記録は史上初の出来事であった。ちなみに、ブラジルとナイジェリアは準決勝で再度対戦し、ナイジェリアが4-3で勝利。ナイジェリアが決勝戦で金メダルを獲得し、ブラジルも3位決定戦で銅メダルを獲得したことから、グループDが非常に厳しい組であったことが分かる。

{| class="wikitable" style="text-align: center;"
|-
! style="width: 3em;" | 順位
! チーム
! style="width: 3em;"| 勝点
! style="width: 1.5em;"| 勝
! style="width: 1.5em;"| 分
! style="width: 1.5em;"| 負
! style="width: 4.5em;"| 得失差
! style="width: 4.5em;"| 総得点
|-
| '''1'''
| style="text-align: left;" | {{BRAf}}
| '''6''' || 2 || 0 || 1 || +2 || 4
|- align="center"
| '''2'''
| style="text-align: left;" | {{NGAf}}
| '''6''' || 2 || 0 || 1 || +2 || 3
|- align="center"
| '''3'''
| style="text-align: left;" | {{JPNf}}
| '''6''' || 2 || 0 || 1 || 0 || 4
|- align="center"
| '''4'''
| style="text-align: left;" | {{HUNf}}
| '''0''' || 0 || 0 || 3 || -4 || 3
|}

== その後 ==
アトランタ五輪大会後、[[日本サッカー協会]]（JFA）技術委員会は、JFAテクニカルレポート<ref>協会技術委員等が出す大会報告書のこと。大会のサッカーの傾向及び各チームの分析等を行い、育成方針等の指導改善に役立てる。各国協会及びFIFAがそれぞれ独自に作成する。</ref>で、[[U-23サッカー日本代表|日本アトランタ五輪男子代表]]について「守備的なサッカーで将来につながらない」と厳しい評価を下した。他の日本五輪男子代表スタッフがその評価に憤りを示す中、[[西野朗]]監督は努めて冷静に受け止めたという<ref name="日本サッカー遺産" />。

西野は「将来の日本代表監督候補」と言われながらも、アトランタ後はナショナルチームを離れ、[[日本プロサッカーリーグ|Jリーグ]]のクラブ監督を務めた。攻撃的サッカーを標榜し、[[柏レイソル]]や[[ガンバ大阪]]でタイトルを獲得して、Jリーグ最多勝監督となった。山本昌邦コーチは[[アテネオリンピック (2004年) におけるサッカー競技|2004年アテネオリンピック]]で日本五輪代表チームを指揮したが、グループ最下位（1勝2敗）で敗退した。松永英機スカウティングスタッフは、[[ヴェルディ川崎]]、[[清水エスパルス]]、[[ヴァンフォーレ甲府]]、[[FC岐阜]]の監督を務め、特に甲府や岐阜での評価が高かった。

マイアミの奇跡から4年後、[[2000年]]の[[シドニーオリンピックにおけるサッカー競技|シドニー五輪男子]]グループリーグD組最終戦でも日本とブラジルが対戦。この時はブラジルが1-0で勝利し、4年前の雪辱を果たす形となった。[[2013年]]現在、A代表でのブラジル戦勝利は果たせていない。

== 試合データ ==
{{Footballbox
| date         = [[1996年]][[7月22日]]
| number       = 
| event        = 
| round        = 
| time         = 18:30（[[東部夏時間|EDT]]）
| team1        = {{JPNf2}}
| score        = 1 – 0
| report       = [http://www.fifa.com/tournaments/archive/tournament=512/edition=197142/matches/match=32223/report.html FIFA公式記録]
| team2        = {{BRAf}}
| goals1       = [[伊東輝悦]] {{goal|72}}
| goals2       = 
| stadium      = [[マイアミ・オレンジボウル]]
| attendance   = 46,724人
| referee      = [[ベニート・アルチュンディア]]（{{MEX}}）
}}
{| width="100%"
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{| style="font-size: 90%" cellspacing="0" cellpadding="0"  align="center"
|colspan=4|{{flagicon|Japan}}'''日本代表'''
|-
!width="30"| !!width="30"|
|-
| GK || {{0}}1 || [[川口能活]]
|-
| DF || 13 || [[松田直樹]]
|-
| DF || {{0}}5 || [[田中誠 (サッカー選手)|田中誠]]
|-
| DF || {{0}}3 || [[鈴木秀人]] || || {{Yel|75}}
|-
| MF || 17 || [[路木龍次]]
|-
| MF || {{0}}8 || [[伊東輝悦]]
|-
| MF || {{0}}6 || [[服部年宏]] || || {{Yel|87}}
|-
| MF || 10 || [[遠藤彰弘]] || {{suboff|75}}
|-
| MF || {{0}}7 || [[前園真聖]] [[ファイル:NYCS-bull-trans-C.svg|18px|キャプテン]]
|-
| FW || 14 || [[中田英寿]] || {{suboff|82}}
|-
| FW || {{0}}9 || [[城彰二]] || {{suboff|86}}
|-
|colspan=3|'''控えメンバー'''
|-
| GK || 18 || [[下田崇]]
|-
| DF || {{0}}2 || [[白井博幸]] || {{subon|75}}
|-
| DF || 12 || [[上村健一]] || {{subon|82}}
|-
| MF || 11 || [[森岡茂]]
|-
| MF || {{0}}4 || [[広長優志|廣長優志]]
|-
| MF || 15 || [[秋葉忠宏]]
|-
| FW || 16 || [[松原良香]] || {{subon|86}}
|-
|colspan="3"|'''監督'''
|-
|colspan="4"|{{flagicon|JPN}} [[西野朗]]
|}
|valign="top"|
|valign="top" width="50%"|
{| style="font-size: 90%" cellspacing="0" cellpadding="0"  align="center"
|colspan=4|{{flagicon|Brazil}}'''ブラジル代表'''
|-
!width="30"| !!width="30"|
|-
|GK || {{0}}1 || [[ネウソン・デ・ジェズス・シウヴァ|ジーダ]]
|-
|DF || {{0}}2 || [[ジョゼ・マルセロ・フェレイラ|ゼ・マリア]]
|-
|DF || {{0}}3 || [[アウダイール]]
|-
|DF || {{0}}4 || {{仮リンク|ロナルド・ギアロ|label=ロナウド|en|Ronaldo Guiaro}}
|-
|DF || {{0}}6 || [[ロベルト・カルロス・ダ・シウバ|ロベルト・カルロス]]
|-
|MF || {{0}}5 || [[フラビオ・コンセイソン]]
|-
|MF || {{0}}8 || {{仮リンク|アレシャンドレ・ダ・シルバ・マリアーノ|label=アマラウ|en|Alexandre da Silva Mariano}} || {{suboff|45}}
|-
|MF || {{0}}9 || [[ジュニーニョ・パウリスタ]]
|-
|MF || 10 || [[リバウド]]
|-
|FW || {{0}}7 || [[ジョゼ・ロベルト・ガマ・デ・オリベイラ|ベベット]]
|-
|FW || 11 || [[サヴィオ]] || {{suboff|64}}
|-
|colspan="3"|'''控えメンバー'''
|-
| GK || 12 || {{仮リンク|ダンルレイ|en|Danrlei}}
|-
| DF || 14 || {{仮リンク|アンドレ・ルイス・モレイラ|en|André Luiz Moreira}}
|-
| MF || 13 || {{仮リンク|ナルシーゾ・ドス・サントス|en|Narciso dos Santos}}
|-
| MF || 15 || [[ジョゼ・エリアス・モエディム・ジュニオール|ゼ・エリアス]] || {{subon|45}}
|-
| MF || 16 || {{仮リンク|マルセリーニョ・パウリスタ|en|Marcelinho Paulista}}
|-
| FW || 17 || [[ルイス・カルロス・ゴウアート|ルイゾン]]
|-
| FW || 18 || ロナウジーニョ（ロナウド） || {{subon|64}}
|-
|colspan="3"|'''監督'''
|-
|colspan="4"|{{flagicon|BRA}} [[マリオ・ザガロ]]
|}
|}

== 脚注 ==
<references/>

== 関連書籍 ==
*[[金子達仁]]著『28年目のハーフタイム』（[[文藝春秋]]刊 [[1997年]]）
*[[山本昌邦]]著『日本サッカー遺産-ワールドカップ出場舞台裏の歴史と戦略』（[[ベストセラーズ]]刊 [[2009年]]）

== 関連項目 ==
*[[アトランタオリンピックにおけるサッカー競技]]
*[[U-23サッカー日本代表]] / [[オリンピックサッカー日本代表選手]]

{{サッカー日本代表年別記録}}
{{アトランタオリンピック サッカー日本代表}}

{{DEFAULTSORT:まいあみのきせき}}
[[Category:サッカー日本代表の試合]]
[[Category:アトランタオリンピック]]
[[Category:1996年のサッカー]]
[[Category:日本のサッカー史]]