ドロシー・ホジキンのソースを表示

{{Infobox scientist
|birth_name=Dorothy Mary Crowfoot
| name = ドロシー・ホジキン[[ファイル:Nobel prize medal.svg|18px|ノーベル賞受賞者]]</br >Dorothy Hodgkin
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| birth_date = {{Birth date|1910|05|12|df=y}}
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| field = [[生化学]]
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| alma_mater = [[オックスフォード大学]]<br />[[ケンブリッジ大学]]
| doctoral_advisor = [[ジョン・デスモンド・バナール]] 
| doctoral_students = {{仮リンク|ジュディス・ハワード|en|Judith Howard}}<br />{{仮リンク|トム・ブランデル|en|Tom Blundell}}
| notable_students  = [[マーガレット・サッチャー]]
| known_for = [[X線回折]]の発見<br />[[インシュリン]]、[[ペニシリン]]、[[ビタミンB12]]の[[構造決定]]<br />完全な[[タバコモザイクウイルス]]の[[結晶]]の撮影<br />女性初の[[王立協会]]会員
| prizes = [[ノーベル化学賞]]（[[1964年]]）<br />[[メリット勲章]]（[[1965年]]）<br />[[コプリ・メダル]]（[[1976年]]）<br />[[ロモノーソフ金メダル]]（[[1982年]]）<br />{{仮リンク|王立協会フェロー|en|Fellow of the Royal Society}}
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[[ファイル:Model of the Structure of Penicillin, by Dorothy Hodgkin, Oxford, c.1945.jpeg|thumb|ホジキンが[[オックスフォード大学]]で作成した[[ペニシリン]]の構造モデル（[[1945年]]頃）]]
[[ファイル:Molecular model of Penicillin by Dorothy Hodgkin (9663803982).jpg|thumb|ホジキンが作成したペニシリンの分子モデル（1945年頃）]]
'''ドロシー・クローフット・ホジキン'''（[[英語]]:'''Dorothy Crowfoot Hodgkin'''、[[1910年]][[5月12日]] - [[1994年]][[7月29日]]）は、[[エジプト王国]][[カイロ]]生まれ、[[イギリス]][[国籍]]の[[生化学者]]、[[化学者]]、[[結晶学者]]。[[X線回折]]法による[[生体物質]]の[[分子構造]]の決定により[[1964年]]に[[ノーベル化学賞]]を受賞した{{sfn|大日本百科事典|1967|p=51}}{{sfn|グランド現代百科事典|1983|p=474}}。[[旧姓]]は'''ドロシー・メアリ・クローフット'''（'''Dorothy Mary Crowfoot'''）である。

[[1935年]]に[[1930年代]]の[[分子生物学]]に於ける[[X線結晶構造解析]]の第一人者であった[[ジョン・デスモンド・バナール]]と共に[[ペプシン]]の[[結晶]]で[[回折パターン]]を見出し{{sfn|廣田|2013|p=413}}、X線回折法により[[ペニシリン]]、[[ビタミンB12]]、[[インシュリン]]などの[[構造]]を決定したことでも名高く{{sfn|大日本百科事典|1967|p=51}}{{sfn|グランド現代百科事典|1983|p=474}}、[[1947年]]には女性初の[[王立協会]]会員に選ばれ、[[1965年]]には女性として二人目の[[メリット勲章]]を[[エリザベス2世]]から[[叙勲]]された<ref>女性初のメリット勲章受賞者はイギリスの[[看護師]]である[[フローレンス・ナイチンゲール]]であった。</ref>。また、[[1976年]]には王立協会より[[コプリ・メダル]]、[[1982年]]には[[ロシア科学アカデミー]]より[[ロモノーソフ金メダル]]が授けられ、イギリスの化学者[[マックス・ペルーツ]]はホジキンを「'''彼女は偉大な化学者で、聖人'''（中略）だ」と述べている{{sfn|廣田|2013|p=416}}。

夫は[[歴史学者]]の{{仮リンク|トーマス・リオネル・ホジキン|en|Thomas Lionel Hodgkin}}で、[[1937年]]に[[結婚]]して3人の子を設けた{{sfn|廣田|2013|p=416}}。

== 生涯 ==
ドロシー・メアリ・クローフットは1910年5月12日、父の赴任先であったエジプト王国のカイロに[[監督官]]の[[父]]ジョン・ウィンター・クローフット（''John Winter Crowfoot''、1873年 - 1959年）と[[考古学者]]であった[[母]]{{仮リンク|グレース・クローフット|en|Grace Crowfoot}}（''Grace Crowfoot''、1877年 - 1957年）の元に生まれ、10歳の頃に化学の初歩を学び、結晶や化学に興味を持った。

16歳の誕生日に母からイギリスの[[物理学者]]である[[ヘンリー・ブラッグ]]の『物の本性について（''Concerning the Nature of Things''）』（[[1925年]]）と言う本を与えられ、結晶学に興味を抱くようになる{{sfn|廣田|2013|p=416}}。18歳の頃には[[パレスチナ]]に趣き、[[発掘]]作業に参加する{{sfn|グランド現代百科事典|1983|p=474}}など[[考古学]]にも関心を示した{{sfn|廣田|2013|p=416}}。

[[1928年]]にイギリスの[[オックスフォード大学]][[サマーヴィル・カレッジ]]に入学。[[化学]]を専攻する一方[[結晶学]]のコースも専攻していた。[[1932年]]にオックスフォード大学を[[卒業]]し、[[ケンブリッジ大学]]に[[博士課程]][[修得]]のため[[科学史]]家でもあったジョン・デスモンド・バナールのもとで[[研究]]をした。なおこの頃（20代の半ば）よりホジキンは[[慢性関節リウマチ]]を患うようになっていた{{sfn|小山|2013|p=286}}。

[[1934年]]にはオックスフォード大学の[[講師]]、[[研究員]]として同大学に戻り、教鞭を執った。なお[[1940年代]]、ホジキンが受け持った[[生徒]]の中に後にイギリスの[[首相]]となる[[マーガレット・サッチャー]]<ref>当時マーガレット・サッチャーは[[結婚]]していなかったため旧姓のマーガレット・ロバーツと言う名前であった。</ref>がいた。

1935年に1930年代の分子生物学に於けるX線結晶構造解析の第一人者であったバナールと共にペプシンの結晶で回折パターンを見出す。

[[1937年]]、歴史学者のトーマス・リオネル・ホジキンと結婚。後に3人の子を設けた。

[[1941年]]頃から[[1949年]]頃にかけて当時開発されて間もない[[コンピュータ]]を用いて[[X線]]の実験データを解析してペニシリンを[[構造決定]]した{{sfn|小山|2013|p=286}}。また[[1948年]]頃から[[1956年]]にかけてはビタミンB<sub>12</sub>を構造決定した{{sfn|グランド現代百科事典|1983|p=474}}。

1947年、女性初の王立協会会員に任命される。

[[1960年]]から[[1977年]]までオックスフォード大学の[[教授]]を務め、1964年には「X線回折法による生体物質の分子構造の決定」によりノーベル化学賞を受賞した。1965年にはメリット勲章を叙勲された。1976年にコプリ・メダル、1982年にはロモノーソフ金メダルが授けられた。

1994年7月29日、イギリス[[ウォリックシャー]]の{{仮リンク|イルミントン|en|Ilmington}}で亡くなる。84歳没。

== その他 ==
* [[2014年]][[5月12日]]、ホジキン生誕104周年を記念して[[Google]]の[[ロゴ]]にホジキンの分子モデルが採用された<ref>[http://newclassic.jp/13161 ドロシー・ホジキン生誕104周年！女性化学者の功績がGOOGLEのロゴに] - The New Classic、2014年5月12日閲覧。</ref>。

== ホジキンを扱った科学読み物 ==
* [[シャロン・バーチュ・マグレイン]]著、中村久子<ref>両手、両足を切断した[[作家]][[中村久子]]とは関係がない。</ref>訳『お母さん、ノーベル賞をもらう―科学を愛した14人の素敵な生き方』（[[工作舎]]、[[1996年]]）
* [[小山慶太]]著『肖像画の中の科学者』（[[文春新書]]、[[1999年]]）

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}

== 参考文献 ==
* {{Cite book|和書|author=藤田千枝著|authorlink=藤田千枝|coauthors=|editor=[[澤田嘉一]]編|others=|title=大日本百科事典 27 ホウリーミツオ|origdate=1967-11-20|url=|format=|accessdate=|edition=|date=|year=|publisher=[[小学館]]|location=|series=[[日本大百科全書]]|language=}}
* {{Cite book|和書|author=景山真著|authorlink=景山真|coauthors=|editor=[[鈴木泰二]]編|others=|title=グランド現代百科事典 16 ふりーまよ|origdate=1983-6-1|url=|format=|accessdate=|edition=|date=|year=|publisher=[[学習研究社]]|location=|series=|language=}}
* {{Cite book|和書|author=廣田襄著|authorlink=廣田襄|coauthors=|editor=[[檜山爲次郎]]発行|others=|title=現代化学史 原子・分子の科学の発展|origdate=2013-10-5|url=|format=|accessdate=|edition=|date=|year=|publisher=[[京都大学学術出版会]]|location=|series=|language=}}
* {{Cite book|和書|author=小山慶太|authorlink=小山慶太|coauthors=|editor=[[小林敬和]]|others=|title=科学史人物事典 150のエピソードが語る天才たち|origdate=2013-2-25|isbn=978-4121022042|url=|format=|accessdate=|edition=初版|date=|year=|publisher=[[中央公論新社]]|location=|series=|language=}}

{{ノーベル化学賞受賞者 (1951年-1975年)}}
{{DEFAULTSORT:ほしきん とろしい}}
[[Category:イギリスの化学者]]
[[Category:イギリスのノーベル賞受賞者]]
[[Category:ノーベル化学賞受賞者]]
[[Category:メリット勲章]]
<!--[[Category:ブリストル大学の教員]]英国では総長は名誉職なので。-->
[[Category:キャヴェンディッシュ研究所の人物]]
[[Category:カイロ出身の人物]]
[[Category:1910年生]]
[[Category:1994年没]]
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