ザカルパッチャ州のソースを表示

{{基礎情報 ウクライナの州| 
　|公式名称     = {{lang|uk|Закарпатська область}}|
  州旗         = Flag of Transcarpathian Oblast.svg|
  州章         = CarpathianRutheniaCoA.svg|
  地図         = Map_of_Ukraine_political_simple_Oblast_Transkarpatien.png|
  中央都市     =[[ウージュホロド]] |
  面積順位     = 23|
  面積大きさ   = 1 E11|
  総面積       = 12,777   |
  陸地面積     = ?|
  水域面積     = ?|
  水面積率     = ?|
  人口統計年   = 2006|
  人口順位     = 17|
  人口大きさ   = 1 E0|
  人口値       = 1,241,887 |
  人口密度     = 98.02 |
  地区         = 13 |
  地方行政区分名   = '''[[市町村]]'''総数<br />&nbsp;-&nbsp;うち市の数<br />&nbsp;-&nbsp;うち町の数<br />&nbsp;-&nbsp;うち村の数 |
  地方行政区分     = <br />10<br />9<br />579 |
  ISOコード    = UA-21　|
  電話番号コード = +380-31　|
  |Website     =www.carpathia.gov.ua
 }}
'''ザカルパッチャ'''、'''ザカルパート州'''<ref>『世界地名大辞典2 ヨーロッパ・ソ連II』[[朝倉書店]]、[[1974年|昭和49年]]による表記。</ref>（[[ウクライナ語]]:'''{{lang|uk|Закарпатська область}}'''<span style="font-size:90%;">ザカルパーツィカ・オーブラスチ</span>）は、[[ウクライナ]]の最も西に位置する[[州]]である。[[県庁所在地|州庁所在地]]は[[ウージュホロド]]。州名は、州の位置する地域の伝統的な名称からとられた。[[ロシア語]]名はザカルパチア州（{{lang|ru|Закарпатская область}}）。

歴史的に'''カルパティア・ルテニア'''と呼ばれた地方である。

{{bar box
|title=母語話者（ザカルパッチャ州） 2001
|titlebar=#ddd
|float=right
|bars=
{{bar percent|[[ウクライナ語]]|yellow|81.0}}
{{bar percent|[[ロシア語]]|#8dd3c7|2.9}}
{{bar percent|[[ハンガリー語]]|#b3de69|12.7}}
{{bar percent|[[ルーマニア語]]|#fdb462|2.6}}
}}
== 概要 ==
ザカルパッチャ州は、[[カルパティア山脈|ウクライナ・カルパート山脈]]の南西部から[[越カルパート低地]]にかけての地域[[ザカルパッチャ]]（越カルパート地域）<ref>伝統的に、時期によってハンガリー・ルーシ、[[カルパート・ルーシ]]（カルパティア・ルテニア）、[[ルーシ国]]、ポドカルパート・ルーシ、カルパート・ウクライナ、ザカルパート・ウクライナと呼ばれる。</ref>に位置している。時期によって、[[キエフ大公国]]、[[オーストリア帝国]]、[[ポーランド王国]]、[[ハンガリー王国]]、[[チェコスロバキア|チェコスロバキア共和国]]、[[ソビエト連邦]]などの支配を受けた。

[[第一次世界大戦]]後は、[[フースト]]を拠点にする[[ウクライナ人]]と[[ルシン人]]の勢力が、[[カルパート・ウクライナ]]と[[ドニエプル川|ドニプロ]]地方に成立した[[ウクライナ人民共和国]]との合同を宣言したが、ウクライナ人民共和国が[[ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国|ソヴィエト・ロシア]]との[[ウクライナ・ソビエト戦争|戦争]]に敗れたため、合同は実現しなかった。[[サン＝ジェルマン条約]]と[[トリアノン条約]]の結果、越カルパート地域は[[チェコスロバキア]]の領域になった。

チェコスロバキア時代には、[[資本主義]]経済が発達した。[[ミュンヘン会談]]後にカルパート・ウクライナはチェコスロバキア内での自治が認められた。そして、軍事組織「[[カルパートのシーチ|カルパート・シーチ]]」が設置されるなどこの地域の[[ウクライナ化]]が進められた。

[[1939年]][[3月15日]]には、選挙によって圧倒的な支持を得た[[セイム]]（議会）がカルパート・ウクライナの完全な国家的独立を宣言した。セイムは[[憲法]]を採択し、国号を「[[カルパート・ウクライナ]]」と定め、国家体制を「[[大統領]]制[[共和国]]」とし、[[公用語]]を「ウクライナ語」に定めた。国旗と国章、国歌はウクライナの伝統的な[[ウクライナの国旗|青・黄旗]]と[[ウクライナの国章|トルィズーブ]]「[[ウクライナの国歌|ウクライナは滅びず]]」とされた。大統領には、[[アウグスティーン・ヴォローシン]]が就任した。しかし、3日後の[[3月18日]]にはカルパート・ウクライナは[[ハンガリー軍]]によってほとんどの領域を占拠され、国家首脳部は[[ルーマニア]]へ亡命、国は亡びた。「カルパート・シーチ」は同年5月まで武力闘争を続けたが敗れた。

ハンガリー王国時代には、[[ベレグ]]、[[ウング]]、[[ウゴチャ]]、[[マーラマロシュ]]、[[シャーロシュ]]、[[ゼンプレーン]]県の各一部の地域となった。

[[1944年]]11月には[[赤軍]]がハンガリーを破り、かつてのカルパート・ウクライナの地域は[[ザカルパート・ウクライナ]]の国号の下、独立を宣言した。しかし、この国家はソヴィエト・ウクライナと合併することになり、[[1945年]]7月には消滅した。[[1946年]]には、[[ウクライナ・ソビエト社会主義共和国|ウクライナ・ソヴィエト社会主義共和国]]に併合された。

[[ソ連崩壊]]に伴い同地は新しく成立した[[ウクライナ]]の一部となった。[[2008年]][[12月26日]]には[[ムカーチェヴェ]]にて、ルシン人の[[民族主義]]政党が「近カルパト・ルーシ共和国（ポトカルパーツカヤ・ルーシ共和国）」のウクライナからの独立を宣言し、[[ロシア]]へ支援を求めた。ウクライナ側は、これをロシアによる[[ロシア・グルジア戦争|グルジアのシナリオ]]の焼き直しであるとして批判した。

<gallery>
Image:West ukraine.png
Image:Czechoslovakia01.png
Image:Subcarpathia Carpatho-Ukraine.svg
</gallery>

== 主な都市 ==
*[[ヴィノフーラジウ]]({{lang|ru|Виноградів}}) / ([[ナジセーレーシュ]])({{lang|hu|Nagyszőlős}}) / [[:en:Vinohradiv|Vinohradiv]]
*[[ウージュホロド]]({{lang|uk|Ужгород}}) / ([[ウングヴァール]])({{lang|hu|Ungvár}}) / [[:en:Uzhhorod|Uzhhorod]]
*[[ベーレホヴェ]]({{lang|uk|Берегове}}) / ([[ベレクサース]])({{lang|hu|Beregszász}}) / Bergsoß / [[:en:Berehove|Berehove]]
:([http://www.beregszasz.net/])
*[[ムカーチェヴェ]]({{lang|uk|Мукачеве}} / ([[ムンカーチ]])({{lang|hu|Munkács}}) / [[:en:Mukacheve|Mukacheve]] 
*[[フースト]]({{lang|uk|Хуст}}) / ([[フスト]])({{lang|hu|Huszt}}) / [[:en:Khust|Khust]]

==人口==
[[2001年ウクライナ国勢調査]]によるデータ。
*[[総人口]]：{{Nts|1258300}}人<ref>{{Cite web
|author=ウクライナ国立統計委員会
|date=2001-12-5
|url=http://2001.ukrcensus.gov.ua/results/general/estimated/
|title=2001年ウクライナ国勢調査。ウクライナの総人口
|language=ウクライナ語
 |accessdate=2011年12月14日 
}}</ref>
*[[都市人口]]：{{Nts|466000}}人（37%）；農村人口：{{Nts|792300}}人（63%）<ref name="都市人口">{{Cite web
|author=ウクライナ国立統計委員会
|date=2001-12-5
|url=http://2001.ukrcensus.gov.ua/results/general/urban-rural/
|title=2001年ウクライナ国勢調査。ウクライナの都市人口・農村人口
|language=ウクライナ語
 |accessdate=2011年12月14日 
}}</ref>
*性別人口：[[男性]]は{{Nts|605500}}人（48%）；[[女性]]は{{Nts|652800}}人（52%）<ref name="性別人口">{{Cite web
|author=ウクライナ国立統計委員会
|date=2001-12-5
|url=http://2001.ukrcensus.gov.ua/results/general/sex_region/
|title=2001年ウクライナ国勢調査。ウクライナの性別人口
|language=ウクライナ語
 |accessdate=2011年12月14日 
}}</ref>
{|
|-
|
{{Bar box
|width=350px
|title=民族構成<ref name="地域別民族構成">{{Cite web
|author=ウクライナ国立統計委員会
|date=2001-12-5
|url=http://2001.ukrcensus.gov.ua/results/general/nationality/
|title=2001年ウクライナ国勢調査。地域別民族構成
|language=ウクライナ語
 |accessdate=2011年12月14日 
}}</ref>
|titlebar=#eee
|float=left
|bars=
{{Bar pixel|[[ウクライナ人]]|#F9C700|80.5||1010,100人 (80.5%)}}
{{Bar pixel|[[ハンガリー人]]|#F90057|12.1||151,500人 (12.1%)}}
{{Bar pixel|[[ルーマニア人]]|#71C2FF|2.6||32,100人 (2.6%)}}
{{Bar pixel|[[ロシア人]]|#CCCCCC|2.5||31,000人 (2.5%)}}
{{Bar pixel|[[ロマ人]]|black|1.1||14,000人 (1.1%)}}
{{Bar pixel|[[スロバキア人]]|orange|0.5||5,600人 (0.5%)}}
{{Bar pixel|[[ドイツ人]]|#FF0000|0.3||3,500人 (0.3%)}}
}}
|}

[[ウクライナ人]]の他、[[ハンガリー人]]、[[ルーマニア人]]、[[ロシア人]]、[[ロマ]]、[[スロバキア人|スロヴァキア人]]、[[ドイツ人]]、[[ルシン人]]などが居住する。かつては[[ユダヤ人]]の人口も多かった。なお、ルシン人はウクライナ人と合わせて[[ルテニア人]]とも呼ばれる多数民族である。このほか、同じく古来からのウクライナ人の一派である{{仮リンク|フツル人|uk|Гуцули|ro|Huțuli|en|Hutsuls}}も山岳地域を中心に居住している。

== 出身者 ==
:[[ハンガリー人の一覧]]、[[ウクライナ人の一覧]]も参照
*[[ユーリー・ヴェネーリン]] - ウクライナ人の歴史家
*[[ミルトン・フリードマン]]の両親（アメリカ出身のユダヤ系経済学者）
*[[ロバート・マックスウェル]]<font size=-3>''（ヤーン・ルドヴィーク・ホッホ、ホッホ・ヤーノシュ・ラヨシュ）''</font>　[[:en:Robert Maxwell|Robert Maxwell]] - イギリスのビジネスマン。ユダヤ系
*[[ムンカーチ・ミハーイ]] - ハンガリーの画家

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{reflist}}

== 参考文献 ==
*{{ja icon}} [[伊東孝之]], 井内敏夫, [[中井和夫]]編　『ポーランド・ウクライナ・バルト史』 (世界各国史; 20)－東京: [[山川出版社]], 1998年.  ISBN 9784634415003
*{{ja icon}} 黒川祐次著　『物語ウクライナの歴史 : ヨーロッパ最後の大国』 (中公新書; 1655)－東京 : 中央公論新社, 2002年. ISBN 4121016556
*{{uk icon}} {{lang|uk|''[[ウクライナ・ソビエト社会主義共和国の市町村史|Історія міст і сіл Української РСР]]'': Закарпатська область. — Київ: УРЕ АН УРСР.}}

== 外部リンク ==
{{commonscat|Zakarpattia Oblast}}
* {{uk icon}} [http://www.carpathia.gov.ua/ {{PAGENAME}}合同庁の公式サイト]

{{ウクライナの地方行政区画}}

{{DEFAULTSORT:さかるはつちや}}
[[Category:ザカルパッチャ州|*]]
[[Category:チェコスロバキア]]
{{East-europe-stub}}