コマーシャルソングのソースを表示

{{国際化|領域=日本|date=2008年1月15日 (火) 07:32 (UTC)}}
{{独自研究|date=2011年10月}}
'''コマーシャルソング'''（[[和製英語]]：Commercial song、[[英語]]：'''Music in advertising'''、'''Advertising Jingle'''）は、広告・宣伝のための楽曲のことで、'''コマソン'''、'''CMソング'''とも呼ばれる<ref group = "※">[http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/81749/m0u/%E3%81%93%E3%81%BE/ デジタル大辞泉（goo辞書）]</ref>。[[小節]]の短いものは、[[サウンドロゴ]]として分類されることもある。

主に、'''テレビ・ラジオ'''の[[民間放送]]における[[コマーシャルメッセージ|コマーシャル]] (CM) で使用されるものを指すという定義もある<ref group = "※">世界大百科事典 - 平凡社 P.632</ref>。

歌詞のない[[器楽曲|インストゥルメンタル]]の場合は、{{要出典範囲|「CM曲」「CM音楽」と呼ばれる|date=2011年10月}}。また、TVCMやWebCMなどの動画広告は「[[コマーシャルメッセージ|コマーシャルフィルム]] ('''C'''ommercial '''F'''ilm)」ともいうため、その場合は、'''「CFソング」「CF曲」'''と呼ぶこともある。

== 概要 ==
現在のコマーシャルソング（以下、CMソングと表記）は、次の2つに大分される。

CMソングを新たに作成するだけでなく、既存楽曲の[[メロディ]]を用いることもある（CMを既存楽曲のイメージで作成する場合や、歌詞のワンフレーズを[[駄洒落]]的に用いる場合など）。

1. 歌詞に'''企業名・商品名・商品の特徴など'''を織り込んだ楽曲
:*楽曲そのものが宣伝媒体の一つといえるため、[[日本放送協会|NHK]]（民間企業の宣伝行為を行わない公共放送）で流れることはほとんどない（[[公共広告]]でのケースを除く）。また、{{要出典範囲|NHK以外であっても、音楽番組等で取り上げられることは少ない|date=2011年10月}}。
:*[[オムニバス]]盤以外でレコード・CD化されることは少なく、されたとしても商品名が出てくる歌詞は別なフレーズに置き換えられることが多い。

2. 歌詞に'''商品名が無く'''、商品やCM映像を想起させるイメージを持つ楽曲 （'''イメージソング'''）
:*NHK（[[NHK紅白歌合戦]]など）を含めた各種音楽番組でも歌われる（ただしCMについて詳しく触れられることは皆無）<ref group = "注">古くは『[[世界は二人のために]]』（[[佐良直美]]；明治「アルファチョコレート」が元曲）、広義では『[[有楽町で逢いましょう]]』（[[フランク永井]]；有楽町[[そごう]]）も。</ref>。
:*音楽業界はCMでの宣伝効果に注目し、[[1980年代]]以降、'''タイアップ曲'''（楽曲提供側のレコード会社とCM企業側とが[[タイアップ]]して作る）が増えたが、商品のイメージと曲とが乖離している場合もある。また、CM用に作った15 - 30秒程度の曲が、放映後の反響を受けて一つの作品となり、後から発売に至る場合もある。

なお、[[アメリカ合衆国]]におけるCMソングは、[[1966年]]の『[[w:No Matter What Shape (Your Stomach's In)|No Matter What Shape]] (Your Stomach's In、邦題：ビートでO.K.)』（[[w:The T-Bones|The T-Bones]]；胃腸薬）、[[1971年]]の『[[w:I'd Like to Teach the World to Sing (in Perfect Harmony)|I'd Like to Teach the World to Sing]] (in Perfect Harmony、邦題：愛するハーモニー)』（[[w:The New Seekers|The New Seekers]]；[[コカ・コーラ]]）のようなヒット例は稀で、基本的には[[ジングル]]やBGMのような扱いにすぎないという<ref>かまち　PP..33-34</ref>。

== 日本における歴史 ==
=== 民間ラジオ放送開始まで ===
{{要出典範囲|広義でのCMソング<ref group = "注">特定の商品を対象にしないものの、1990年代から[[スーパーマーケット|スーパー]]、[[百貨店]]などの鮮魚コーナーで流された『[[おさかな天国]]』も同様。</ref>としては、[[1769年]]の歯磨き粉『漱石膏』のために[[平賀源内]]が作詞作曲した宣伝曲や、|date=2011年10月}}1880年代の[[イタリア]]の登山鉄道のための宣伝曲『[[フニクリ・フニクラ]]』、[[明治時代]]の『オイチニの薬屋さん』<ref group = "※">世界大百科事典 - 平凡社 P.632</ref>、[[1901年]]頃の[[岩谷松平]]（「東雲節」の替え歌で「天狗煙草当世流行節」）と[[村井吉兵衛]]（さのさ節」の替え歌による）たばこ販売CMソング合戦、[[1929年]]（1927年説も）の狐ヶ崎遊園地（後の[[狐ヶ崎ヤングランド]]）のためのPRソング『[[ちゃっきり節]]』などがあった<ref group = "※">[http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20131001/dms1310010719003-n1.htm 【仕事のヒント】ＣＭソング　世界最古は「フニクリ・フニクラ」] - ZAKZAK、2013.10.01</ref>。

=== 1951 - 1958年 ===
[[1951年]]（昭和26年）[[9月1日]]、[[ラジオ#戦後 - 1950年代|民間ラジオ放送]]が開始。

[[9月7日]]を'''「CMソングの日」'''としている例がある<ref group = "※">[http://ocnspecial.blogzine.jp/weekly/2006/09/97cm_91e9_1.html 今日は何の日vol.68] - OCN週間スペシャル</ref>が、これは日本初のCMソングの定説とされる『僕はアマチュアカメラマン』（作詞・作曲：[[三木鶏郎]]；[[コニカ|小西六写真工業]]）が初オンエアされた日（1951年）ということに基づいている。

しかし、[[9月3日]]に『ペンギンの歌』（作詞：重園よし雄・作曲：平岡照章；[[塩野義製薬]]）が流れており、また、9月1日のコマーシャル第1号となる[[精工舎]]のCMでも、時報メロディが電波に乗ったという資料があり、これこそが厳密には日本初のCMソングであるという指摘もある<ref group = "田家">田家　PP..382-391</ref>。

[[1953年]]（昭和28年）[[8月28日]]、民間テレビ放送が開始。当時は'''「シンギング・コマーシャル」'''という呼び方もされていた<ref group = "小川">小川　P.15</ref>。

1950年代半ばにはCMソングの強い宣伝効果が認識され、『[[ミツワ石鹸]]テーマソング』に代表される企業名・商品名を連呼するタイプが続出した<ref group = "小川">小川　P.16</ref>。

[[1957年]]（昭和32年）[[8月28日]]、『[[有楽町で逢いましょう]]』（歌:[[フランク永井]]）が発売。同フレーズが当時の[[流行語]]となる。

三木鶏郎の他にCMソングの作曲家には、[[いずみたく]]、作詞家には[[野坂昭如]]が活動し始めていた。歌手では[[楠トシエ]]も多くのCMソングを歌った。

;創生期の代表的な楽曲
* どなたになにを（[[古賀さと子]]；[[福助|福助足袋]]）
* エンゼルはいつでも（[[川田孝子]]；[[森永製菓]]）

=== 1959 - 1966年 ===
[[1959年]]（昭和34年）[[4月]]の[[ミッチー・ブーム|皇太子成婚]]を機に、テレビが急速に普及。[[高度経済成長]]と今までに無い新商品の発売に関連し、CMソングも多様化し始めた。その一つとして、'''「インフォマティブ・ソング」'''（作曲者の[[嵐野英彦]]が命名した商品説明型CMソング）が登場した<ref group = "小川">小川　PP..20-21</ref>。

[[1960年]]（昭和35年）[[6月29日]]、[[ビートルズ#日本公演|ビートルズ]]が来日し、公演を行う。既に、[[ロカビリー]]などの洋楽が日本に入り、リズムはCMソングにも導入され始めていたが、まだ音階は、[[全音階]]的[[長音階]]が中心のままだった<ref group = "小川">小川　P.22</ref>。

同年[[9月10日]]、テレビのカラー本放送開始。

この頃、CMソングばかりを流す番組『歌うコマーシャル』が、ラジオ東京（現・TBSラジオ）で放送されていた<ref>電通　P.76</ref>。

[[1962年]]（昭和37年）、第2回ACC全日本CMフェスティバルから、CMソングを対象とする「シンギング部門」がラジオ部門の中に創設される<ref>藤本　P.66</ref>。

[[1963年]]（昭和38年）、5秒CMが解禁<ref group = "田家">田家　P.27</ref><ref group="注">約2年後の1965年10月には、まずTBSがゴールデンタイムの5秒CM廃止に踏み切った。　（東京新聞、1965年11月4日）</ref>。CMソング受難の時期となる一方で、[[サウンドロゴ]]が発展したという見解もある。

;1966年までの代表的な楽曲
* 明るいナショナル（三木鶏郎合唱団；[[パナソニック|Panasonic]]）
* [[光る東芝の歌]]（[[ダークダックス]]；[[東芝]]）
* かっぱの唄（楠トシエ；[[黄桜酒造]]）
* キンカンの唄（[[雪村いずみ]]、ダークダックス；[[金冠堂]]「キンカン」）
* 長生きチョンパ（楠トシエとフォー・コインズ ; [[船橋ヘルスセンター]]）
* ライオネスコーヒーキャンディー（[[ライオン菓子|篠崎製菓]]）
* セクシー・ピンクの歌（[[伊勢半|キスミー]]）
* チクレ・モリナガ（[[ロス・パンチョス|トリオ・ロス・パンチョス]]；[[森永製菓]]）

=== 1967 - 1974年 ===
この頃は、戦後の[[流行歌]]のような[[ヨナ抜き音階|ヨナ抜き長音階]]・[[短音階|自然短音階]]が、ようやくCMソングに用いられた時期でもあった。これは、[[#1951 - 1958年|創生期]]の[[ラジオ歌謡]]をベースとしたホームソング調・童謡調にはなかったものだった<ref group = "小川">小川　PP..26-27</ref>（初期の'''テレビCM'''に関しては多様で、オペラ風、シャンソン風、音頭風などもあったという<ref group = "小川（考古学）">小川（考古学）　PP..62-63</ref>）。

[[1967年]]（昭和42年）[[4月]]、[[レナウン (企業)|レナウン]]の『イエイエ』（作曲：[[小林亜星]]）が[[オンエアー]]。斬新なもので、広告界では「イエイエ以後」という言葉が生まれた<ref group = "小川">小川　PP..23-24</ref>。

同年、『[[世界は二人のために]]』（[[佐良直美]]）が発売される。元々は[[明治製菓]]「アルファチョコレート」のCMソングだったものである。 初期のCMソングの歌詞は、訴える対象が不明確な三人称がほとんどだったが、この曲以降、一人称・二人称が増えたという<ref group =  "※">言語生活 1984年6月号（No.390） P.61</ref>。

[[1968年]]（昭和43年）[[1月4日]]付から、[[オリコンチャート]]（[[レコード]]等の売上ランキング）が正式スタート。

[[1970年]]（昭和45年）には、[[公害|公害問題]]などを踏まえた商品宣伝を一切しないCMも登場した。
{{Seealso|コスモ石油#モーレツ}}

[[1972年]]（昭和47年）、[[フォークソング|フォーク]]界から[[吉田拓郎]]が『Have A Nice Day』（[[富士フイルム]]）を（前年に[[中外製薬]]「新[[グロンサン]]」でも歌唱）、翌[[1973年]]（昭和48年）には、[[ロック (音楽)|ロック]]界から[[大瀧詠一]]（元・[[はっぴいえんど]]）が『Cider '73』（[[三ツ矢サイダー]]）を手がけ、若者を中心に人気を博した<ref group = "田家">田家　PP..46-49</ref>。

[[1973年]]（昭和48年）、第13回ACC全日本CMフェスティバルから、「シンギング部門」がテレビ・ラジオ部門から独立して扱われる<ref>藤本　P.66</ref>。

[[1974年]]（昭和49年）、[[サミー・デイヴィスJr.]]本人出演による[[スキャット]]のCM（[[サントリーホワイト]]）が、[[カンヌ国際広告祭]]グランプリを受賞（日本の作品としては初受賞）<ref group = "※">[http://mainichi.jp/select/person/news/20111019k0000e060015000c.html 訃報：椙山三太さん72歳＝ＣＭディレクター] - 毎日jp、2011年10月19日</ref>

;代表的な楽曲
* マンダム〜男の世界〜（[[ジェリー・ウォレス]]；[[マンダム]]） 
* ケンとメリー〜愛と風のように〜（[[バズ (バンド)|BUZZ]]；[[日産自動車]]「[[日産・スカイライン|スカイライン]]」）
* 家をつくるなら（[[加藤和彦]]；ナショナル住宅（現・[[パナホーム]]））
* ガンバラナクチャ（[[中外製薬]]「[[新グロモント]]」）　　※ 2004年からは[[ライオン (企業)|ライオン]]の商品
* ふりむかないで（[[ハニー・ナイツ]]；[[ライオン (企業)|ライオン]]「[[エメロン]]」）
*[[日立の樹]]（[[日立製作所]]）

=== 1975 - 1979年 ===
[[シンガーソングライター]]による[[ニューミュージック]]が人気に。[[バンドブーム#歴史|第一次バンドブーム]]も発生。それらを'''「イメージソング」'''として用いた[[資生堂#代表的なCMソング|資生堂]]と[[カネボウ化粧品#代表的なCMソング|カネボウ]]による化粧品キャンペーンソング合戦が勃発<ref group = "※">週刊文春 1979年9月20日号　PP..36-44</ref><ref>須藤　PP..133-135</ref>。その背景には「[[ザ・ベストテン]]」（1978年1月19日 - 1989年9月28日）に代表されるランキング形式の[[音楽番組]]の存在もあった<ref group = "小川">小川　PP..38-39</ref>。

なお、[[1978年]]（昭和53年）から、テレビCMの[[ステレオ]]放送が開始された。

;代表的な楽曲
* ソクラテスの唄（[[野坂昭如]]；「サントリーゴールド900」）
* [[愛のメモリー (曲)|愛のメモリー]]（[[松崎しげる]]；[[江崎グリコ]]「アーモンドチョコレート」）
* [[UFO (ピンク・レディーの曲)|UFO]]（[[ピンク・レディー]]；[[日清食品]]「UFO」）<ref group = "注">CMソングは、歌詞・メロディーともに、原曲の雰囲気に似せて作られた別物だった。</ref>
* [[時間よ止まれ (矢沢永吉の曲)|時間よ止まれ]]（[[矢沢永吉]]；[[資生堂]]）
* [[君のひとみは10000ボルト]]（[[堀内孝雄]]；資生堂）
* [[Mr.サマータイム]]（[[サーカス (歌手)|サーカス]]；[[クラシエホールディングス|カネボウ]]）
* [[夢想花]]（[[円広志]]；日本航空）
* [[季節の中で]]（[[松山千春]]；江崎グリコ「アーモンドチョコレート」）
* [[HERO（ヒーローになる時、それは今）]]（[[甲斐バンド]]；[[セイコーホールディングス|セイコー]]）
* [[いい日旅立ち]]（[[山口百恵]]；国鉄「[[いい日旅立ち]]」）
* [[魅せられて (ジュディ・オングの曲)|魅せられて]]（[[ジュディ・オング]]；[[ワコール]]）　　※ [[日本レコード大賞]]受賞
* [[異邦人 (久保田早紀の曲)|異邦人]]（[[久保田早紀]]；[[三洋電機]]「シルクロード」）
* 微笑の法則（[[柳ジョージ&レイニーウッド]]；資生堂）

=== 1980年代 ===
[[クラシック音楽]]、[[民族音楽]]、[[現代音楽]]、[[ミニマル・ミュージック]]、[[ラップ]]<ref group =  "※">[http://www.cdjournal.com/i/disc/-/1291110510 いとうせいこう ／ ボディ・ブロウ] - CDJournal.com</ref>など、CMに使われる音楽のジャンルの多様化が一層進んだという指摘がある<ref group="小川">小川　PP..42-43</ref>。

[[1984年]][[11月]]から、雑誌「オリコン・ウィークリー」の[[シングル]]HOT100に、タイアップ情報が付記される<ref group =  "※">創 1991年8月号 P.74</ref>。

[[1985年]] - [[1986年]]頃から、力関係が逆転し、楽曲提供側からの売り込みの傾向が出てきたという指摘がある<ref group="小川">小川　P.82</ref>。

;代表的な楽曲
* [[君に、胸キュン。]]（[[イエロー・マジック・オーケストラ]]；カネボウ）
* [[ワインレッドの心]]（[[安全地帯 (ロックバンド)|安全地帯]]；サントリー赤玉パンチ）
* ふたりの愛ランド（[[石川優子]]と[[CHAGE|チャゲ]]；日本航空・JAL沖縄キャンペーン）
* [[SWEET MEMORIES]]（[[松田聖子]]；サントリービール）
* [[そして僕は途方に暮れる]]（[[大沢誉志幸]]；[[日清食品]]「[[カップヌードル]]」）
* [[熱き心に]]（[[小林旭]]；[[味の素ゼネラルフーヅ]]）
* [[幸せって何だっけ|しあわせって何だっけ]]（[[明石家さんま]]；[[キッコーマン]]）
* I feel Coke（[[佐藤竹善]]；[[日本コカ・コーラ]]「[[コカ・コーラ]]」）
* [[あなたを・もっと・知りたくて]]（[[薬師丸ひろ子]]；[[日本電信電話|NTT]]）
* [[クリスマス・イブ (山下達郎の曲)|クリスマス・イブ]]（[[山下達郎]]；[[JR東海]]「[[クリスマス・エクスプレス]]」／[[ケンタッキーフライドチキン]]／SUZUKI「シボレーMW」）※元々は1983年のアルバム「[[MELODIES (山下達郎のアルバム)|MELODIES]]」収録曲
* [[勇気のしるし]]（[[時任三郎|牛若丸三郎太]]；[[三共 (製薬会社)|三共]]「[[リゲイン]]」）

=== 1990年代 ===
[[バンドブーム#歴史|第二次バンドブーム]]を経て、[[カラオケボックス]]の普及、従来型の生放送[[音楽番組]]の縮小化などにより、日本の音楽シーンは変化していた。

この頃、イメージソングは'''「タイアップソング」'''と呼ばれるようになり、[[長戸大幸]]・[[吉江一男]]らが仕掛けた[[ビーイングブーム]]がその中核だったといわれている<ref group = "小川">小川　PP..48-49</ref>。1992-1995年にかけて[[大塚製薬]]「[[ポカリスエット#歴代タイアップ曲|ポカリスエット]]」では、[[ビーイング]]所属歌手を連続起用した。

また、[[三貴#CM|三貴グループ]]（「銀座じゅわいよ・くちゅーるマキ」「ブティックJOY」など）は、自作自演アーティストの楽曲を起用したスポットCMを、深夜帯を中心に大量出稿（特に[[TXN|テレビ東京系列局]]）した<ref group = "※">週刊朝日 1994年2月11日号　P.46</ref>。

その後、不況による制作費縮小などによりCM作りの傾向が変化し、例えば「[[サカイ引越センター|引越のサカイ]]」「[[湖池屋]] [[ドンタコス]]」「[[サントリー]] [[C.C.レモン]]」など、[[#1951 - 1958年|初期]]のような連呼型CMソング<ref group =  "※">[http://www.j-cast.com/tv/2011/09/29108478.html?p=all 「杜若清司」誰でも知ってるCMみんな作曲「サカイ～、仕事きっちり！」] - J-CASTテレビウォッチ、2011年9月29日</ref>が復興した。楽曲提供側との力関係が再逆転し、大物アーティストの起用が難しくなったという点もあった。遅くとも[[1995年]]には、イメージソングの衰退・限界が指摘されていた<ref group =  "※">創 1995年9月号 P.32</ref>。

[[1999年]]には、『[[ウラBTTB|energy flow]]』（[[坂本龍一]]；[[第一三共ヘルスケア]]「リゲインEB錠」）が、'''[[器楽曲|インストゥルメンタル]]のシングル'''として初めて、週間[[オリコンチャート]]1位になった。

;代表的な楽曲
* [[ロマンスの神様]]（[[広瀬香美]]；[[アルペン (企業)|アルペン]]）
* カーキン音頭〜フリーター一代男〜（[[河内家菊水丸]]；[[リクルート]]「フロムA to Z」）
* [[カローラIIにのって]]（[[小沢健二]]；[[トヨタ自動車]]「[[トヨタ・カローラII|カローラII]]」）
* 鉄骨娘（[[鷲尾いさ子]]と鉄骨娘；[[サントリー]]「鉄骨飲料」）
* [[ジン ジン ジングルベル]]（[[森高千里]]；サントリー「アイスジン」）
* パッ!とさいでりあ（[[小林亜星]]；[[新興産業 (建材)|新興産業]]）
* てりっこ（[[郷ひろみ]]；[[宝ホールディングス|宝酒造]]「タカラ本みりん」）
* さらりとした梅酒（[[黒谷友香]]；[[チョーヤ梅酒]]）
* [[ウイスキーが、お好きでしょ]]（SAYURI〔[[石川さゆり]]〕；サントリークレスト12年）
* それがあなたのいいところ（ダイナミックス；[[サントリー]]「ダイナミック」）
* [[言葉にできない]]（小田和正；[[明治安田生命保険|明治生命]]）
* [[innocent world]]（[[Mr.Children]]；[[日本コカ・コーラ]]「[[アクエリアス]]」）
* Synchronized Love（[[ジョー・リノイエ]]；[[武富士]]）

=== 2000年代 ===
2000年代初頭には、『[[愛のうた (ストロベリー・フラワーの曲)|愛のうた]]』（[[ストロベリー・フラワー|友妻タケシ]]）、『[[NOVAうさぎ|NOVAうさぎのうた]]』（松村祐治）、『[[サントリー]][[燃焼系|燃焼系アミノ式]]』（[[本間絹子]]） といった、[[電通]]のCMプランナーによるCMソングが相次いで注目を集めた<ref group = "注">1990年代には同じく電通の[[佐藤雅彦 (メディアクリエーター)|佐藤雅彦]]が、「[[湖池屋#キャラクター|湖池屋]] ポリンキー」などの作詞作曲を手がけていた。</ref>。

[[2001年]]、[[著作権等管理事業法]]が施行。[[日本音楽著作権協会|JASRAC]]以外も、音楽著作権管理に参入可能となった。

[[2003年]]、『はつ恋』（[[小島麻由美]]）が、[[任天堂]]USAのCM「who are you?」に起用され、北南米で1年間に渡り放映される<ref group = "※">[http://www.art-life.ne.jp/opengallery/artist_top.php?artist_id=O0044 小島麻由美 アーティスト館] - ArtLIFE MUSEUM the NET</ref>。

[[2006年]]頃からは、洋楽[[カバー]]のCMソングが増えたという指摘がある。要因としては、オリジナルを使用するよりも著作権使用料が多少安かったり、権利関係が複雑でないなどが考えられている<ref>かまち　PP..118-120</ref>。

;代表的な楽曲
* ハナコアラの見直しマンボ（[[ハナコアラ]]；[[そんぽ24損害保険|そんぽ24]]）
* も〜ど〜にでもして〜（[[ぴちょんくん]]；[[ダイキン工業]]）
* タケモトピアノの歌（[[財津一郎]]&タケモット；[[タケモトピアノ]]）
* きのこの唄（きのこオールスターズ；[[ホクト]]）
* ガリガリ君のうた（[[ポカスカジャン]]；[[赤城乳業]]「[[ガリガリ君]]」）
* [[Dear WOMAN]]（[[SMAP]]；資生堂「[[TSUBAKI]]シャンプー」）
* [[たらこ・たらこ・たらこ]]（[[キグルミ]]；[[キユーピー]]「キユーピー あえるパスタソース たらこ」）
* お金は大事だよ（[[矢田亜希子|アキコ先生]]とよーく考え隊；[[アメリカンファミリー生命保険会社|アフラック]]）
* [[まねきねこダックの歌]]（[[マユミーヌ|たつやくんとマユミーヌ]]；[[アフラック]]）
* 天使のはねセイバンの唄（[[佐藤弘道]]；[[セイバン]]「[[天使のはね]]」）

=== 2010年代 ===
CM総合研究所は2010年のCM動向として、[[替え歌]]を用いたテレビCMの使用を指摘した<ref group = "※">[http://www.cmdb.jp/media/newspaper/20100610_news1.html 「懐古」「替え歌」CM流行　過去の曲に意外な新鮮さ] - CM DATABANK CM総合研究所（読売新聞、2010年6月3日）</ref>。

;代表的な楽曲
*[[あいさつの魔法。]]（[[松本野々歩|野々歩]]；[[ACジャパン]]）
*消臭力のうた（[[ミゲル・ゲレイロ]]；[[エステー]]「消臭力」「チカラにかえて」）

== 著作権と業界 ==
[[日本音楽著作権協会|JASRAC]]に登録されている（既発売の）楽曲をCMに用いる場合、[[オンエアー]]数に応じて、放送使用料が発生する（1998年時点）<ref>近藤　P.83</ref>。

[[1971年]]（昭和46年）[[4月]]、広告音楽制作に携わる法人有志により、日本広告音楽制作者連盟（JAM）が発足<ref group = "※">[http://www.jam.or.jp/what/index.html JAMとは?] - 日本広告音楽制作者連盟</ref>。後に「広告音楽ハンドブック」を作成するなど、著作権問題に取り組んでいる。

== CM用にカバーされた楽曲の例 ==
『[[恋のダイヤル6700|ダンダン娘]]』（[[西田ひかる]]；[[三菱電機]]「霧ケ峰」）、『[[亜麻色の髪の乙女 (ヴィレッジ・シンガーズの曲)|亜麻色の髪の乙女]]』（[[島谷ひとみ]]；[[花王]]「エッセンシャルダメージケア」）、『[[明日があるさ|明日があるさ〜ジョージアで行きましょう編〜]]』（[[ウルフルズ]]；日本コカ・コーラ「[[ジョージア (缶コーヒー)|ジョージア]]」）、『[[エイトマン]]』（[[SMAP]]；[[東日本電信電話|NTT東日本]]「[[フレッツ|FLET'S光]]」）、『[[待つわ]]』（[[市原悦子]]他；トヨタ自動車「[[トヨタ・デュエット|デュエット]]」）など、[[懐メロ]]のリメイク・アレンジ起用は多数ある。『[[淋しい熱帯魚|スッキリが止まらない]]』（[[相田翔子]]；[[アサヒ飲料]]「[[WONDA|WONDA ショット&ショット]]」）や『[[無理だ!決定盤〜YOU CAN NOT DO THAT〜|挽きたての歌]]』（[[大泉洋]]；[[キリンビバレッジ]]「FIRE」）、『[[恋愛レボリューション21|太麺レボリューション21]]』（[[モーニング娘。]]；[[日清食品]]「太麺堂々」）、『[[恋のダイヤル6700|ジンジャーリングの歌]]』（[[スマイレージ]]；[[ミスタードーナツ]]「ジンジャーリング」）、『[[恋愛レボリューション21|拭くレボリューションいい感じ]]』（[[保田圭]]；[[ソフト99コーポレーション]]「フクピカ」）などのように、[[替え歌]]を伴うものも決して少なくない。

また、『[[ウイスキーが、お好きでしょ]]』（[[サントリー角瓶]]）のようにアーティストを変えつつ歌い継がれるものがある。

[[ガーナ]][[民謡]]『チェッチェッコリ』（[[清水ゆみ|ゆみ]]&[[井元由香|ゆか]]；[[サッポロ飲料]]「まる福茶」）は、CM起用によって、楽曲の知名度が上がった。

;シリーズ物
*[[1988年]]から10年間続いた[[ノエビア#CM|ノエビア]]「コスメティック・ルネッサンスシリーズ」
*[[1992年]]からの[[サントリー]][[烏龍茶]]「中国語で歌う日本の曲シリーズ」<ref group = "※">[http://www.suntory.co.jp/softdrink/oolongtea/30th/history02.html サントリーウーロン茶 30年の歴史（1991～2000）] - サントリー</ref>
*[[1997年]]の[[富士フイルムのコマーシャルメッセージ|富士フイルム]]「[[写ルンです]]」（[[沢口靖子]]・[[稲垣吾郎]]）

== 長寿CMソングの例 ==
2011年現在もCMにて使用されているもの（放送開始当初から[[編曲|アレンジ]]されているケースも含む）。
* 牛乳石鹸の歌（[[中原美紗緒]]；[[牛乳石鹸共進社]]）
* [[シャボン玉石けん]]（山崎夕起子）
* 伊東に行くならハトヤ（ブラック・キャッツ；[[ハトヤ|ハトヤホテル]]）
* チョコレートは明治（[[スリー・グレイセス]]；[[明治製菓]]「[[明治ミルクチョコレート]]」）　　※「明治アーモンドチョコ」でも応用。
* [[ホダカ#CMなど|マルキン自転車]]（楠トシエ；[[ホダカ|丸金自転車]]）
* ブタブタコブタ（[[エースコック]]）
* カステラ1番電話は2番（[[文明堂]]）
* 目覚め - ネスカフェ・ゴールドブレンドのテーマ（[[ネスレ日本|ネスレマニュファクチャリング]]「[[ネスカフェ]]・ゴールドブレンド」）
* 明治[[チェルシーの唄]]（[[シモンズ]]；明治製菓「チェルシー」）
* [[初めての街で]]（[[西田佐知子]]；[[菊正宗酒造]]）
* [[日立の樹]]（[[ヒデ夕樹]]；[[日立グループ]]）　　※[[日立 世界ふしぎ発見]]、[[投稿!特ホウ王国]]等も参照。
* いいもんだな故郷は（[[三橋美智也]]；明治製菓「[[カール (スナック菓子)|カール]]」）
* それにつけてもおやつはカール（[[千昌夫]]；明治製菓「カール」）
* [[かに道楽]]（[[デューク・エイセス]]）
* [[スジャータ]]　([[めいらくグループ]])
* [[サッポロ一番]][[カップスター]]（[[のこいのこ]]；[[サンヨー食品]]）
* [[青雲のうた]]（[[森田公一]]→[[尾崎紀世彦]]→[[錦織健]]；[[日本香堂]]「[[青雲]]」）
* 街は青春（[[両備グループ]]）
* [[富士サファリパーク]]（[[串田アキラ]]）
* [[私のお気に入り]]（[[東海旅客鉄道|JR東海]]「[[そうだ 京都、行こう。]]」）
* [[フレデリック・ショパン]][[前奏曲 (ショパン)|前奏曲]]作品28第7番イ長調（[[太田胃散]]）
* VC-3000のど飴（[[天童よしみ]]；[[ノーベル製菓]]）
* [[いすゞのトラック]]（KAZCO;[[いすゞ自動車]]）

== 脚注 ==
=== 注釈 ===
{{Reflist| group = "注"}}
=== 出典（雑誌・事典・Web等） ===
{{Reflist|group = "※"}}
=== 出典（書籍） ===
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{{Col-2}}
{{Reflist|group = "小川"}}
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{{Col-end}}
{| class="wikitable"
|-
|電通||(1960)||広告読本シリーズNo.3『CM（企画・制作）』||電通
|-
|藤本倫夫ほか||(1977)||『コマソン繁昌記』||日本工業新聞社
|-
|須藤公明||(1995)||『ヒットCM半世紀』||日経BP
|-
|近藤浩章||(1998)||『CM音楽ア・ラ・カルト』||興陽館
|-
|[[小川博司 (社会学者)|小川博司]]ほか||(2005)||『メディア時代の広告と音楽』||新曜社
|-
|田家秀樹||(2007)||『みんなCM音楽を歌っていた』||徳間書店
|-
|[[小川博司 (社会学者)|小川博司]]ほか||(2010)||『テレビ・コマーシャルの考古学 －昭和30年代のメディアと文化』||世界思想社
|-
|かまち潤||(2010)||『TVコマーシャルと洋楽コマソン40年史』||清流出版
|}

== 外部リンク ==
* [http://www.jasrac.or.jp/info/cinema/cal02.html 使用料の計算方法] - JASRAC

== 関連項目 ==
* [[サウンドロゴ]]
* [[オープニングキャッチ]]
;作曲家
* [[平賀源内]] - 日本初のコマーシャルソングといわれる「漱石膏」を作詞作曲。
* [[三木鶏郎]]とその門下の[[いずみたく]]、[[桜井順]]、[[越部信義]]、[[嵐野英彦]]、[[はやし・こば]]
* [[大滝詠一]] - 数多くのコマーシャルソングを手がけ、日本初のコマーシャルソングを集めたアルバム（『[[NIAGARA CM SPECIAL]]』）を制作したといわれる。
* [[キダ・タロー]] - 大阪を中心として多くのCMソングを手がけた。代表作に「[[かに道楽]]」、「[[出前一丁]]」、「[[京橋グランシャトービル]]」、「[[日本海味噌醤油|日本海みそ]]」等。彼の作曲した曲の殆どは、『浪花のモーツァルト キダ・タローのすべて』というCDに、収録されている。
;作詞家
* [[伊藤アキラ]]
* [[山上路夫]]
;歌手
* [[団しん也]] - [[1978年]]当時の有名コマーシャルソングをメドレーにして歌った楽曲「ロック・トンデレラ〜買ってから聴くか!聴いてから買うか!〜」を発売した。
* [[楠トシエ]]
* [[のこいのこ]] - 隠れCMソングの女王と呼ばれ、800曲以上を手がけた。2006年にアルバム『のこいのこ大全』を発売。
* [[藤本房子]]
* [[串田アキラ]]
* [[松崎しげる]]
; その他
* [[大森昭男]] - CMディレクター
* [[山川浩二]] - 広告研究家
;集団
* [[ジモうた]] - 東海地区を中心多くのCMソングを制作。
;作品
* [[フニクリ・フニクラ]] - [[イタリア]][[民謡]]。[[ナポリ]]にある[[ヴェスヴィオ]]（ベスビオ）[[火山]]の火口までの[[登山電車]]の乗客増をはかってつくられた、世界初のコマーシャルソング。作曲者は[[ルイージ・デンツァ]]。

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[[Category:コマーシャルソング|*]]
[[Category:広告]]
[[Category:音楽作品の一覧]]
[[Category:和製英語]]
[[Category:コマーシャルソング集|*]]
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