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駅ビル

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世界一の高さを誇る駅ビル、JRセントラルタワーズ(名古屋)
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2014年春に全館開業した高さ300mのあべのハルカス(大阪阿部野橋)

駅ビル(えきビル)あるいはターミナルビルは、鉄道駅の駅舎を大規模化し、商業施設など駅機能以外の機能を持たせた建物のことである。特に日本において発達している。プラットホーム等に比べ駅の「顔」として紹介されることが多い。

多くの場合、テナントとして百貨店をはじめとする各種の店舗、企業のオフィス、ホテルなどを入れている。駅ビルに入居するテナントは駅の利用者層に応じて様々であり、観光客の利用が多い駅では、駅ビル内に地元商品、土産物を取りそろえた店もある。都心にある特に大規模な駅ビルでは下層階に商業施設、上層階にホテルやオフィスを入居させる例も見られる。

建物全体の規模の中で駅舎としての性格が小さくなる場合もあり、「駅ビル」と「駅に隣接し、駅と結ばれているビル」を厳密に区分して定義することは難しい。以下、一般的に駅ビルとみなされている建物について述べる。

日本における歴史

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戦前からのターミナル駅の例、松屋浅草店
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地方駅ビルの例、ペウレ千歳

駅舎と百貨店などの商業施設を一体化させた建物としての駅ビルは、1920年代の日本・関西地方の私鉄で始まった。1920年(大正9年)に完成した阪急電鉄梅田駅の阪急本社ビルディングがその第一号である[1][2]。ここでは1階が百貨店白木屋に貸し出され、2階が阪急直営の食堂、3階以上が本社事務所となっていた。1925年(大正14年)には改装され、直営の阪急マーケットが営業を始めている。その後新京阪鉄道天神橋駅の新京阪ビルディング(1926年(大正15年))、大阪電気軌道上本町停留場の大軌ビルディング(1926年(大正15年))など、他の関西私鉄も相次いでターミナルビルを建設した[1]。なお1929年(昭和4年)まで、地方鉄道法に基づく「鉄道」は兼業を禁止されていたが、軌道条例、軌道法に基づく「軌道」であった関西私鉄各社にはそのような規制は適用されなかった[3]。

関東地方の私鉄では、1931年(昭和6年)に開業した東武鉄道の浅草雷門駅(現浅草駅)に松屋が入居したのが初である[2]。

こうしたターミナルビルは、鉄道会社の増収策であるのみならず、郊外の沿線住民に鉄道を利用し、百貨店で買い物をしてもらうという相乗効果を狙ったものである。従来私鉄のターミナル駅は既存市街地のはずれに位置していたが、こうしたターミナルビルを中心とした商業施設の充実により、第二次世界大戦後には副都心として発展してゆくことになる[2]。

一方、日本国有鉄道(国鉄)では、戦後復興の過程で民間の資金を導入し、1階部分を駅施設、2階以上を民間商業施設などとした民衆駅と呼ばれる駅を建設した。1950年(昭和25年)の豊橋駅に始まり、1973年(昭和48年)の秋田駅まで66の例がある[4]。また1971年(昭和46年)の法改正で国鉄の出資できる事業範囲が広まった[5]ことにより、同年の平塚ステーションビル、1983年(昭和58年)の大阪駅アクティ大阪[5]などが建設された[4]。国鉄民営化後のJRグループも積極的に駅ビルの展開を行なっている[3]。

また1970年代以降は、特に利用者の多い郊外の駅においても。駅と商業施設、行政サービス機能などを一体化させた再開発事業が行われている[6]。地方都市においても、1971年(昭和46年)の伊予鉄道松山市駅のいよてつそごうのような駅ビルがみられる[3]。

駅ビルの中には、その都市を代表するような巨大建築がある。例えばJRの札幌駅(JRタワー、高さ173m)・東京駅(グラントウキョウサウスタワー、高さ205m)・名古屋駅(JRセントラルタワーズ、高さ245m)のような超高層のビルや、JR京都駅(建築面積32,400m2、延床面積238,000m2、幅470m)、博多駅(JR博多シティ、開発面積 約22,000m2、延床面積 約200,000m2、幅230m)のような巨大建築もある。その一方、地方都市や衛星都市の駅のように2~3階建ての「ミニ駅ビル」と呼ばれる施設もある。代表的な例としては、JR東日本のグループ会社である横浜ステーシヨンビルが運営するエキストがある。

駅ビルの運営企業は、かつては私鉄本体またはその子会社か、国鉄と地元の合弁が多かったが、国鉄民営化後はJR本体やその100%子会社が直接運営に携わるケースも増えている。

日本国外における類例

1920年代に日本で出現したような駅ビルは、当時の欧米にも類例がみられず、日本の鉄道建築に特有のものであった[1]。

ただし、交通機関の結節点である駅近くに商業施設を集中させるというアイデア自体は、1830年代のパリにおけるパリ-サンジェルマン鉄道のターミナル駅構想などで既に存在している[7]。また駅舎内のホテルについては、欧米の主要ターミナル駅の多くにおかれており、日本においては1970年代ごろまで東京ステーションホテルなど少数の例にとどまったのとは対照的である[5][8]。

近年では、利用者の利便性の向上や鉄道会社の増収策として、駅内部のショッピングセンターを充実させる試みが行われている。ドイツ鉄道は1997年のライプツィヒ中央駅改装の際に駅舎内にショッピング街「プロメナーデン(Promenaden)」を作っている。実現には至っていないものの、ミュンヘン中央駅の改良計画「テンプレート:仮リンク」では、より大規模な駅と商業施設の融合の構想がある[9]。

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バーゼルSBB駅南口。上からスイス連邦鉄道、キーテナントのメディア・マルクト、RailCityのロゴが並んでいた。

また、スイス連邦鉄道は、2002年12月から「RailCity」の全国統一ブランドで駅ショッピングセンターの開発を進めてきた[10]。その形態は、商業施設主体の駅ビルを新設したもの(例:ベルン中央駅、バーゼルSBB駅南口(Bahnhof Süd))のほか、既存の地下街と旧来の駅舎内の商業施設を一体としてRailCityと呼称するもの(例:チューリッヒ中央駅(de:Shopville)、ジュネーヴ駅)、旧来の駅舎内でバックヤードの整理縮小により生み出されたスペースを商業施設としたもの(例:バーゼルSBB駅本屋(北口に相当)、ローザンヌ駅)、旧来の駅舎の大部分を取り壊し出札などの駅機能と地下街を一体として整備したもの(ルツェルン駅)など、さまざまである。なお、スイス連邦鉄道は10周年となる2012年12月、2013年からの「RailCity」ブランド廃止を発表し[11]、ベルン中央駅、バーゼルSBB駅、ルツェルン駅、チューリッヒ中央駅及びジュネーヴ駅のショッピングセンターについては、2013年10月から2014年夏に掛け順次ショッピングバッグを模したロゴに変更されている[12]。

主な駅ビル

エキナカ、高架下、ワンフロア等の小規模な商業施設及び地下街は省略。
(SC)=ショッピングセンター/寄合百貨店 (Dpt)=百貨店

JR東日本(東北・関東・甲信越地方)

JR東日本ホテルズ グループ

・浦和駅・津田沼駅・川崎駅・溝ノ口駅・水戸駅・新潟駅・長岡駅 / 宇都宮駅 - ホテルアール・メッツ宇都宮

支社グループ会社
その他

JR西日本(近畿・北陸・中国地方)

※JR四国は、主要駅構内、高架下にグループ会社によるコム高松他、ビッグキヨスク(コンビニ+土産物店)、めりけんや(うどん店)、ウィリーウィンキー(ベーカリー)等を展開しているものの、上記以外大規模ビルは存在しない。[42]

かつて存在した駅ビル

※ 1950-1973年、旧国鉄時代に建設された「ステーションビル」については、民衆駅も参照。

駅ビルと類似した用語

駅ナカ

一般的には「駅ビル」は、改札の外に展開する商業スペースのことを指すのにに対して、改札の内側に展開する商業スペースのことは「駅ナカ」と呼ぶ。但し、改札外も「駅ナカ」と混同して呼称する例もある。[55]

合築駅

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合築駅の例、図書館と一体になった女満別駅舎

JRや私鉄の公式サイト内では「駅ビル」と紹介されることがなく駅ビルとは呼ばれないことが多いが、鉄道駅の駅舎に様々な施設が鉄道駅の施設に合築して使用されているケースが全国に多数ある。例えば、

などが該当する。

特に近年は街づくりの一環として、交通の便がよく集客が見込まれる鉄道駅舎を地域の交流の場として活用しようと、駅舎を改築するケースも増えている。例えば島根県安来市にある安来駅は、2008年に駅舎を大規模に改築した結果、観光と地元の情報発信をする町の玄関口としての機能を高めて観光客の集客に貢献している[56]。また富山県舟橋村にある越中舟橋駅に併設された舟橋村立図書館は、駅直結というアクセスの良さも手伝って、年間約151,000冊、住民1人あたりの貸出冊数は55.8冊と、村民一人当たりに換算した貸出冊数が日本一の図書館となった。この事例は村内コミュニティーの中心的活動基地として村おこしに大きく貢献した成功例として高く評価されている[57]。

地方行政体による大規模な開発によるもの
  • 新札幌駅 - 札幌副都心開発公社(第三セクター) アークシティデュオ(SC)(サンピアザを含む)札幌市の「厚別副都心開発基本計画」に基づいたショッピングセンター内に駅やバスターミナルが併設されている。[58]
  • 稚内駅 - まちづくり稚内 キタカラ バスターミナル、地域交流センター、高齢者用のグループホーム併設。[59]
  • 岐阜駅 - アクティブG 岐阜市再開発事業で、鉄道高架化に伴い岐阜県が建設したもの。商業施設は森ビル都市企画が運営。公証人合同役場、県パーソナル・サポート・センター、県総合人材チャレンジセンターなどが入居。[60]
  • 藤枝駅 - オーレ藤枝 藤枝市再開発事業 新日邦藤枝駅南口開発プロジェクト[61]
  • 吹田駅 - 吹田開発 吹田さんくす 吹田市の駅前再開発事業により建設されたビル内に併設。市民サービスコーナー、吹一地区公民館分館、さんくす図書館、社会福祉協議会などが入居している他、ダイエーを核とした商業施設(さんくす名店会)を形成している。[62]
  • 播州赤穂駅 - (兵庫県) 赤穂駅周辺整備(第三セクター) プラット赤穂 ※経営破綻、2012年10月に民事再生の申し立て。[63]
地域交流センター等

自治体施設併設駅は、2013年3月31日現在JR東日本管内だけでも84駅ある。[65]

(道の駅)

私鉄

脚注

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参考文献

関連項目

外部リンク

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  1. ↑ 1.0 1.1 1.2 テンプレート:Harvnb
  2. ↑ 2.0 2.1 2.2 テンプレート:Harvnb
  3. ↑ 3.0 3.1 3.2 テンプレート:Harvnb
  4. ↑ 4.0 4.1 テンプレート:Harvnb
  5. ↑ 5.0 5.1 5.2 テンプレート:Harvnb
  6. ↑ テンプレート:Harvnb
  7. ↑ テンプレート:Harvnb
  8. ↑ テンプレート:Harvnb
  9. ↑ テンプレート:Harvnb
  10. ↑ テンプレート:Cite web
  11. ↑ テンプレート:Cite web
  12. ↑ テンプレート:Cite web
  13. ↑ 札幌駅総合開発会社概要
  14. ↑ 前身は帯広ステーションデパート(1965年11月開業)。開業わずか2年後の1998年11月に経営破綻。経営再建中。
  15. ↑ ジェイ・アールはこだて開発会社概要
  16. ↑ ルミネ会社概要
  17. ↑ グランデュオ会社概要
  18. ↑ アトレ会社概要
  19. ↑ JR東日本リテールネット会社概要
  20. ↑ 錦糸町ステーションビル会社概要
  21. ↑ JR東京西駅ビル開発企業情報
  22. ↑ シァル
  23. ↑ 湘南ステーションビル会社概要、タウンニュース平塚版2013.6.20
  24. ↑ 千葉ステーションビル会社概要
  25. ↑ 水戸ステーション開発会社情報
  26. ↑ 宇都宮ステーション開発会社について
  27. ↑ 高崎ターミナルビル会社情報
  28. ↑ ステーションビル MIDORI企業情報
  29. ↑ JR東日本青森商業開発会社概要
  30. ↑ 仙台ターミナルビル会社概要
  31. ↑ 盛岡ターミナルビル会社概要
  32. ↑ 秋田ステーションビル総合案内
  33. ↑ ジャスター会社概要
  34. ↑ トッキー会社案内
  35. ↑ 名古屋ステーション開発会社概要
  36. ↑ JR東海グループ一覧
  37. ↑ 大阪ステーションシティHP
  38. ↑ 京都駅ビルHP
  39. ↑ 神戸新聞2013/3/13
  40. ↑ JR西日本グループ会社一覧より抜粋
  41. ↑ JR西日本プレスリリース
  42. ↑ JR四国グループ会社一覧
  43. ↑ NETIBNEWS2008.2.29
  44. ↑ JR九州グループ会社一覧
  45. ↑ 読売新聞九州版 2011.1.25、日本経済新聞西部版九州経済面 2011.1.22付、、大分合同新聞2013.4.23
  46. ↑ 京成電鉄 新本社業務開始日等決定のお知らせ、本八幡A地区市街地再開発組合
  47. ↑ 京王電鉄ニュース2013.11.28
  48. ↑ 東急のオフィス・ビル情報
  49. ↑ JA津軽みらい
  50. ↑ 伊豆高原駅やまもプラザショッピングモールのご案内
  51. ↑ 四国新聞2013/10/19
  52. ↑ 西鉄平尾メディカルセンター・フロアマップ
  53. ↑ 日本経済新聞 2012.8.17
  54. ↑ とうてつ駅ビル 当面は営業継続 デーリー東北新聞社 2010年10月5日
  55. ↑ “駅ナカ”の定義、本当に分かってますか? - exciteニュース(2007年6月19日)
  56. ↑ 安来駅に新たな観光拠点 中海・宍道湖・大山圏域観光連携事業推進協議会
  57. ↑ 文部科学省 舟橋村立図書館における村おこし駅舎との一体化(富山県舟橋村立図書館) 2011年3月11日閲覧
  58. ↑ 札幌副都心開発公社
  59. ↑ キタカラ
  60. ↑ 首相官邸 構造改革特別区域計画、岐阜のまちづくり、 アクティブGについて
  61. ↑ 藤枝市
  62. ↑ 吹田市、再開発ビル活性化ネットワーク
  63. ↑ 赤穂駅周辺整備株式会社、赤穂市市政情報
  64. ↑ ヒューモスの歩み
  65. ↑ JR東日本CSRレポート2013
  66. ↑ きたひろネットワーク
  67. ↑ 青森の魅力
  68. ↑ 西和賀産業公社
  69. ↑ 秋田県健康福祉部
  70. ↑ 湯沢市
  71. ↑ 山形県健康福祉部
  72. ↑ 南陽ブランド推進プロジェクト
  73. ↑ 最上エコポリス
  74. ↑ JA長野厚生連佐久総合病院
  75. ↑ 天龍村
  76. ↑ マイタウンかめだ
  77. ↑ 津南彩発見
  78. ↑ (財)地域スポーツシステム研究所
  79. ↑ 小野市
  80. ↑ 安来市観光協会
  81. ↑ 市民交流センター
  82. ↑ 久留米観光コンベンション国際交流協会
  83. ↑ 別府市、別府大学沿革
  84. ↑ 門川町商工会
  85. ↑ 北秋田市
  86. ↑ 立山町