コンテンツにスキップ

御家人斬九郎

提供: Wikippe

テンプレート:Portal 『御家人斬九郎』(ごけにんざんくろう)は、柴田錬三郎による時代小説。

概要

1976年(昭和51年)に講談社から単行本が刊行され、翌年2篇の読み切りが「オール讀物」で発表された。晩年の柴田が最も力を入れた連作である。フジテレビでドラマ化されている(後述)。

江戸時代の末期を舞台に、大給松平家に名を連ねる名門の家柄ながら無役・三十俵三人扶持の最下級の御家人である松平残九郎家正(通称、斬九郎)が、かたてわざと称する武士の副業によって活躍する物語。残九郎の許婚(いいなずけ)の松平須美、幼馴染で北町奉行与力の西尾伝三郎、馴染みの辰巳芸者のおつた、など多彩なキャラクターが登場する。

各話題名

※新潮文庫目次より (ISBN 4-10-115027-3)

  • 第一篇 片手業十話
第一話 男ってえ奴はこんなものさ
第二話 二兎を追ったら二兎を獲るさ
第三話 隻腕でやるかたてわざだぜ
第四話 柳生但馬守に見せてやりてえ
第五話 直参旗本の死にざまだぜ
第六話 良人を殺した気持が判るぜ
第七話 女の怨念はおそろしいやな
第八話 寺で新仏をつくってやらあ
第九話 正義の味方にだってなるぜ
第十話 女の嫉妬はこうして斬るのさ
  • 第二篇 箱根の山は越えにくいぜ
  • 第三篇 あの世で金が使えるか
  • 第四篇 美女は薄命だぜ
  • 第五篇 座敷牢に謎があるぜ (「オール讀物」昭和52年7月号掲載)
  • 第六篇 青い肌に謎があるぜ (「オール讀物」昭和52年2月号掲載)

テレビドラマ

テンプレート:基礎情報 テレビ番組 テンプレート:ドラマ 映像京都・フジテレビの制作によって、1995年から2002年まで、5つのシリーズ(全50話)として放送された。

主人公・斬九郎を演じたのは渡辺謙。『独眼竜政宗』や『仕掛人・藤枝梅安』シリーズなどで、時代劇作品の経験も豊富であった渡辺が、原作者が意図したとされる「明るい眠狂四郎」という斬九郎のキャラクターイメージが見事にはまり、「伊達政宗」と並び他の俳優が演じることなど考えられない彼の当たり役となる。その後、従来の歴史劇の武将役にとどまらず、『ラストサムライ』など幕末・明治初期の武士の役を演じることが多くなった。

原作は数本の短編作品を収録した文庫本1冊分しかなく、従って原作のネタはすぐに尽きてしまったが、魅力的なキャラクター達を活かしたオリジナルエピソード作品が製作された。物語はステレオタイプ時代劇の単純な勧善懲悪形式ではなく、救いのない話や後味の悪い結末のエピソードも多い。が、斬九郎と岸田今日子演じる母・麻佐女とのコミカルなやり取りが清涼剤となり、その重さを払拭している。また、貧乏御家人に過ぎない主人公が葵の御紋の使用を許されている(が、濫用はしない)など、既存の時代劇の"お約束"を皮肉ってもいる。

描かれている第1~4シリーズまでは11代徳川家斉在世の時代(なお第3シリーズから第4シリーズまでの間に2年の歳月が経ったという設定)、第5シリーズは幕末という設定。ただし史実に忠実という訳では勿論無く、物語の面白さを優先させている。

登場人物・キャスト

松平残九郎(通称:斬九郎) - 渡辺謙
九人兄弟姉妹の末子で、余計者という意味合いの「残九郎」と名付けられたが、兄達は若死したり養子に行ったりし、姉達は結婚したり大奥に上がったりした為、家督を継がされる。剣の達人だが、遊び人かつ大酒飲みで、いつも褌が丸見え。30俵の家禄だけでは到底生活が成り立たず、罪を犯した者を幕府にも内密に首を討つ仕事を請け負う“かたてわざ”で、鼓の名手でプライドの高い、美食家の母を養わなければならない。最終回、下河原藩邸での壮絶な立ち回りの中、土屋左門の放った凶弾を浴び…
松平麻佐女 - 岸田今日子
残九郎の母親で、79歳になるが気丈で口達者。残九郎がこの世で唯一頭が上がらない存在で「くそババア」。残九郎が、かたてわざで得た報酬のほとんどを召し上げ、高級料亭の食事に費やす食通で、人並み外れた大食家である。鼓となぎなたの腕は一流であり、鼓に関しては御台所の御前演奏を行ったほどの腕前で世に広く知られている。
蔦吉 - 若村麻由美
深川育ちの辰巳芸者で江戸っ子気質。武家の生まれだが、両親とは死別して植木職人、辰五郎の養女となる。芸者として多くの座敷に出入りしている事情通で、たびたび残九郎に有益な情報をもたらす。残九郎とは相思相愛だが、粋な性格が邪魔して素直に甘えることができず、顔を合わせれば痴話げんかになる。なお原作では“おつた”といい、残九郎の情婦というテレビ版とはまるっきり別設定となっている。本名は大沼妙子
西尾伝三郎 - 益岡徹
残九郎の幼馴染で、北町奉行所の与力。甘いものが好きで屋敷にいる時はいつも菓子をつまんでいる。残九郎は「雷おこし」というあだ名をつけている。真面目な性格(まるっきり堅物ではなく、賄賂を貰うことや粋な面もある)で、義理に厚く、役目のかたわら残九郎のかたてわざにも手を貸すことを惜しまない。妻りくの前では優柔不断なところがある。一人娘のゆき江は目に入れても痛くないほど可愛がっている。原作ではテレビ版と違い、残九郎に匹敵する達人とされている。
南無八幡の佐次 - 塩見三省
西尾配下の岡っ引き。残九郎の悪友でもある。死体を見るたびに「南無八幡」というのが口癖。背中に八幡大菩薩の姿を彫ってもらっていると言ったので、麻佐女と須美が試しに見せてもらったところ、軍神である八幡様の顔にしては柔和な顔だったため、「観音様と間違えたんじゃ」と言われてしまう。相生町の親分、相生町の佐次とも呼ばれている。
西尾りく - 唐沢潤
伝三郎の妻女。一見伝三郎を尻に敷いているように見えるが、ここぞという時には夫を立てる良妻。伝三郎の役目に支障をきたす面倒を持ち込む存在として、残九郎のことをよく思っていない。残九郎もそんなりくを苦手としていたが、娘・ゆき江を授かってからは性格も丸くなる。
おえん - 奈月ひろ子
残九郎が入り浸っている船宿「舟久」のおかみ。おえんの母の代から松平家とは縁があり、残九郎の父も顔なじみだったという。その関係もあり催促なしのツケが利く。
お光 - 奥田小百合
「舟久」の女中。残九郎にほのかな恋心を寄せる。
松平須美 - 吉沢梨絵
残九郎の許婚だが、残九郎は妹のように思っている。蔦吉の存在に気づき、自ら身を引き、第3シリーズ最終回で別の相手と幸せな結婚をした。
喜助 - 牧冬吉
妻のよねと共に松平家に仕える通いの下男。年中麻佐女に振り回されている。舟久の場も知っており、時に残九郎を家へと呼び戻しに来る。演じた牧冬吉没後も用事で不在という形が取られたり、過去映像を流用・編集するなどの処理で登場している。
よね - 松村康世
夫の喜助と共に松平家に仕える通いの下女。年中麻佐女に振り回されている。喜助役の牧冬吉没後は喜助が担っていた役割も果たすようになった。
東八 - 喜多村英三
残九郎たちのたまり場となっている居酒屋の主人。寡黙な人柄。その発言は残九郎に有益なものをもたらすことも多々ある。演じる喜多村英三が亡くなったことに伴い、第3シリーズ終了後、故郷へ帰ったという設定が取られた。
おもん - 長野いずみ
東八の女中。通いであり、夜道は物騒だからと度々残九郎や蔦吉に送ってもらっている。
りよ - 日下由美
いろいろあって娘/八重と共に江戸へ出てくる。その後東八を受け継ぐことになり、佐次と相思相愛の末に結ばれる。
梅吉 - 大橋一三
佐治配下の下っ引き。佐治共々残九郎のために骨を折る。

ほか

スタッフ

  • ナレーション - 相川浩(OPナレーション及び次回予告担当。第3シリーズまで)

放送局

第1~4シリーズ:水曜20:00 - 20:54
第5(ファイナル)シリーズ:火曜19:59 - 20:54(以上JST)
  • CS
時代劇専門チャンネルで再放映された。
これを機にHDリマスタリングが行われ、当時制作に携わった映像京都のスタッフが監修にあたっている。
古い番組ハイビジョン化 「映像の違和感」解消へ(アサヒ・コム、2009年6月23日)
  • 地上波
2012年10月よりテレビ東京系列のテレビせとうち、同年11月にテレビ愛知で全シリーズの再放送を行ったが、先述のHDリマスタリング版で放映された。

放映リスト(サブタイトル)

  • 第1シリーズ(1995年1月~3月、全8回)
話 サブタイトル ゲスト
第1話 「かたてわざ」(スペシャル) 隆大介、宮川一朗太、汐路章、粟津號、宮田圭子
第2話 「用心棒二人」 丹波哲郎、田中実(1回目)、西田健(1回目)、前野有香、小瀬格
第3話 「姉の宿下り」 香山美子、椎谷建治、渡辺哲、三遊亭圓窓、佐古正人
第4話 「青い肌の謎」 橋爪功、岡本舞、有川博、泉知奈津
第5話 「入牢志願す」 山本圭、北原佐和子、中田浩二(1回目)、井上博一
第6話 「わしは将軍」 田村高廣、西沢利明、関根大学
第7話 「遊蕩の指南」 蟹江敬三、天田俊明、廣田行生、趙方豪
第8話 「奇妙な刺客」 柴俊夫、三ツ木清隆、鷲生功、河原さぶ、沼田爆、星遥子


  • 第2シリーズ(1997年1月~3月、全11回)
話 サブタイトル ゲスト
第1話 「初春火の用心」(スペシャル) 阿部寛、坂上忍、山内八郎、小林昭二、長門裕之
第2話 「居残り」 藤吉久美子、鷲生功、広岡由里子、河原崎建三
第3話 「母の仇討」 江波杏子、宮下直紀、大林丈史、小松エミ
第4話 「北国の人」 わたなべけん(渡辺謙の別名義による一人二役)、岩本千春、津村鷹志、立川三貴、御木本伸介
第5話 「雲隠れ」 伊原剛志、麿赤児、徳井優、小野進也
第6話 「仕官の罠」 渡辺梓、岡野進一郎、有川博、伊藤高
第7話 「白魚の吉次」 田中邦衛、茅野佐智恵、松木路子、山本清、大川ひろし
第8話 「賞金桜」 夏八木勲、川原和久、伊藤洋三郎、高木均、真嶋麗
第9話 「駆け込み」 堤大二郎、佐藤仁哉、高城淳一、泉知奈津、亀井賢二
第10話 「おみなえし」 森口瑤子、筒井功、廣田行生、久保田篤、中島俊一
第11話 「あんぶれらあ」 八代亜紀、朝加真由美、原田清人、頭師孝雄


  • 第3シリーズ(1997年10月~1998年1月、全11回)
話 サブタイトル ゲスト
第1話 「男二人」(スペシャル) 北大路欣也、沖田浩之、小林綾子、佐藤和久、楠年明、峰蘭太郎(2回目)、芝本正
第2話 「虎退治」 寺尾聰、清水由貴子、遠藤憲一、奥村公延(1回目)、谷崎弘一
第3話 「姉上」 梶芽衣子、左右田一平、中野誠也、山本容子、川崎あかね、神谷けいこ、森岡隆見(1回目)
第4話 「三十六人斬り」 根本りつ子、本田博太郎、長江英和、森川正太、深見亮介、西園寺章雄 
第5話 「馬の脚」 沢竜二、中原果南、竜小太郎、入鹿尊、升毅
第6話 「美人局」 松井誠、不破万作、赤星昇一郎、酒井敏也、桂三象
第7話 「犬も歩けば」 渡辺裕之、一色彩子、角田英介、中田浩二(2回目)、根岸一正
第8話 「切腹志願」 石田登星、山田吾一、菅原あき、二瓶鮫一  
第9話 「可愛い目撃者」 石橋蓮司、日下由美、野平ゆき、山本奈々、井筒森介、林統一
第10話 「待ちぼうけの女」 紺野美沙子、火野正平(1回目)、沼田爆、服部妙子、北見唯一、粟津號
第11話 「深川節」 田中実(2回目)、穂積隆信、浅田裕二


  • 第4シリーズ(1999年1月~3月、全10回)
話 サブタイトル ゲスト
第1話 「おふくろ」(スペシャル) 中村玉緒、角田英介、斎藤林子、木村栄
第2話 「流れ着いた男」 上杉祥三、奥村公延(2回目)、原口剛、宮野琢磨
第3話 「大利根の月」 わかむらまゆみ、近藤正臣、櫻木健一、長森雅人、松井範雄
第4話 「恋文」 平淑恵、梨本謙次郎、堀内正美、鹿内孝
第5話 「罠には罠を」 田中邦衛、石原良純、大出俊、螢雪次朗
第6話 「脱獄」 新井康弘、山下智子、磯部勉、中平良夫、安多和久
第7話 「武者修行」 江藤潤、谷川清美、池内万作、三谷昇
第8話 「ねらわれた女」 伊藤蘭、藤堂新二、岡本富士太、犬塚弘、森岡隆見(2回目)、井出みな子
第9話 「追われもの」 中村敦夫、上野めぐみ、西田健(2回目)、入鹿尊、須永克彦
第10話 「佐次の純情」 杉田かおる、沢向要士、世古陽丸、門田裕


  • 第5シリーズ(2001年11月~2002年2月、全10回)「渡辺謙の御家人斬九郎 ファイナルシリーズ」
話 サブタイトル ゲスト
第1話 「迷惑な忠義者」 火野正平(2回目)、井田州彦、川合伸旺、芝本正、峰蘭太郎(2回目)、佐々木敏、波多野博、水上保広    
第2話 「箱根の鬼」 三ツ木清隆、佐藤恵利、安藤一夫、成瀬正孝、大前均、田中隆三
第3話 「最後の忍者」 真瀬樹里、有薗芳記、笹野高史、横山あきお、今井喜美子、勇家寛子、町野あかり、久保田磨希、中谷由香、辻本一樹、本山力    
第4話 「盗賊見習い」 米倉斉加年、蜷川有紀、大橋吾郎、勝野賢三、泉知奈津 
第5話 「ゆうれい長屋」 三浦洋一(放映前に、敵役の三浦の死去の為、エンディングにテロップが流れた)、佐藤友紀、筒井巧、遠藤太津朗、中丸新将、五月晴子、木内美帆、鷹家昌子
第6話 「捨値五両」 萩原流行、高橋長英、片桐光洋、下塚誠、うえだ峻、楠年明
第7話 「母の夢」 藤村志保、麻乃佳世、光石研、織本順吉、伊藤敏八、木村元、加藤正記 
第8話 「乱調麻佐女」 林与一、神山繁、小沢和義、清水宏、木下ほうか、木内美帆 
第9話 「冬木町の女」 美保純、米山善吉、中田博久、相馬剛三、田辺ひとみ  
第10話 「最後の死闘」 山崎努、うじきつよし、三浦浩一、中村久美、松重豊、平田満、下元年世 (主演の渡辺謙が監督)

     

ロケ地

関連項目

テンプレート:フジテレビ水曜20時枠の時代劇 テンプレート:フジテレビ火曜時代劇