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ヌンチャク

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テンプレート:Otheruses

ファイル:Nunchaku.JPG
様々なヌンチャク

ヌンチャクは、琉球古武術で用いられる武器の一つ。形状は2本の同じ長さので連結したもので、本来定寸はないが一般的には長さは25~45cm、太さは24mm~36mmのサイズである。振り回して相手を殴打したり、棍棒として「打ち」や「突き」としても用いられる。流派によってはヌウチクとも呼ばれる。

起源

ヌンチャクの起源には諸説がある。沖縄では馬具ムーゲー」からの発生説が一般にはよく知られているが、他にも脱穀用具「車棒(くるまんぼう)」からの発生説などもある。また、近年では中国から沖縄への伝播説なども唱えられている。ヌンチャクの語源についてはよく分かっていない。ヌンチャク以外にも、ヌウチクと発音する流派もある。 フィリピン武術の「カリ・エスクリマ」でも使われており、カリの歴史は古く1300年代後半には既に存在していたと言う記録も残っている。15世紀にフィリピンがスペインの植民地となり、禁武政策 が執られた。そのためフィリピンの民衆はカリを儀式の踊りに組み込んで伝承させた。 カリではヌンチャクのことを「タバク・トヨク」 と言い、他のカリの棒術と同じくグルグル振り回しながら操る。中国の梢子棍フレイルと同様の形状であり、いわゆるヌンチャクのように同じ長さの棍をつないだものではない。このため、沖縄起源説やフィリピン起源説も提示されている。

歴史

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ムーゲーを装着した琉球馬

上述のように、ヌンチャクの起源や歴史ははっきり分かっていない。以下は、代表的なムーゲー起源説である。

琉球王国時代、御殿殿内といった貴族、またある程度以上の上級士族は、乗馬用にを飼育しており、日常的に馬術の稽古も怠らなかった。こうした上流階級の貴士族は、不意の襲撃などに備えて隠し武器(いわゆる暗器)を携帯したり、また身近にある道具を隠し武器として利用するように心がけていた。例えば、簪(ジーファー)の活用などがそうである。

ムーゲーとは、製の(くつわ)の一種で、普段は馬のに装着されているが、不意の襲撃に遭った時などには、これを外して武器として活用できるように工夫されていた。これがヌンチャクの起源であるという[1]。例えば、本部御殿本部朝勇なども、こうしたムーゲーヌンチャクの作り方を心得ていた[2]

昔のヌンチャクは長さ75(約23cm)から長くて10寸(30cm)までで、一般に小型であった。それゆえ、着物の袂(たもと)に忍ばせたり、腰の間に隠したりして、隠し武器として携帯することが容易であった。また、木製のヌンチャク以外にも、手ぬぐいを湿らせて即席の武器として利用したり、あるいはタオルの端に小を包んで縫い付けておけば、立派なヌンチャクの代用品の役割を果たすことができた。 それゆえ、ヌンチャクは庶民護身武器ではなく、馬を飼育し、日常的に乗馬の習慣のあった貴士族の隠し武器として考案されたものであった。 1945年(S20)荒川武仙が国際剛柔流空手道連盟三代目会長泉川寛喜先生から「沖縄には拍子木のような武器がある」ということを聞き自分の発想でヌンチャクを作り杉並区の倫武館(旧名 泉武館、仙武館)で宗幹流双幹棍道を普及したのが沖縄以外では最初のヌンチャクの流派だったと思われる。そのヌンチャクは長さ45cmで棍間が3cmと短く安定した振り方ができるが現在は見かけることは少ない。

材質

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ヌンチャクの紐部の写真

棒部

棒部には、かつてはなどの木製が用いられた。今日では、赤樫などの木製、また玩具向けや練習用にプラスチックラバーなどの素材も用いられている。ほかにも、グラファイトLED内蔵のアクリル製なども素材として使用されている。

紐部

紐には、かつてはアダンの木根、シュロ、馬の人間頭髪などが用いられた。今日では、(チェーン)などもポピュラーである。鎖と棒の接合部分にボールベアリングをはめ込んだタイプなどもある。また、沖縄では現在でも馬の尾を用いて自作している流派もある。

技法

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ヌンチャクの実演。ただしこれはブルース・リー風の映画のための技法。

ヌンチャクの技法は、世界的な普及もあって、現在では世界各国で様々な技法が生み出されている。以下に紹介するのは、基本的に沖縄の伝統的な技法である。

ヌンチャクの技法の基本は、棒の基底部を握り、振り回すことで遠心力を発生させ、これを打撃に利用するものである。後述のように、ヌンチャクはブルース・リーの映画で世界的にポピュラーになったが、ブルース・リーが用いた技法は、フィリピン武術の技法などを元に、映画的な殺陣の迫力や美しさを追求して彼が独自に編み出したものと言われており、本来の沖縄の技法ではないので注意が必要である。また、打撃以外にも、棒部による防御などの技法もある。

沖縄では一般にヌンチャク一本による操作を基本とするが、二本一対を基本とする流派(本部御殿手)もある。また、振り方にも各流派によって特徴がある。ほかにヌンチャクの材質、重量、長さによっても要求される技法は違ってくる。いまでも馬の尾を紐部に使用する流派(渡山流)では、尾の弾力を利用して弾くように振ったりもする[3]

ヌンチャクは元来が隠し武器という性格上、かつては人前で演武したりして、武器の存在そのものを広くアピールするということはなかった。例えば、尚泰王の冊封の際に開催された演武会の目録には、棒や(鉄尺)の演武の記録はあるが、ヌンチャクが演武された記録はない(『島袋全発著作集』)。ヌンチャクが一般に紹介されるようになったのは、主に戦後である。それゆえ、棒や釵などと違って、昔から広く知られた伝統的なヌンチャクの型というものは存在していない。しかし、近年では稽古用に、また演武会用に演出を強く意識した型などが、各流派、団体によって創られている。 フリースタイルは従来のクラシックスタイルの振り方には見られなかった振り方が加えられている。把棍ー飛棍ー把棍への持ち替えを順手ー逆手ー順手で行う技や連結ロープに親指をかけて回して持ち替える技など極めて多彩で難度が高い技を競っている。多くの人は約13cmの長さで連結したヌンチャクを用いているがリーバーデンLee Bardenは3cmほどの短いロープで連結したプロチャックヌンチャクを用いて持ち替えの早業を行える数少ない達人である。

類似の武器

その形状から、中国武術で用いられる二節棍や双節棍といった梢子棍としばしば混同されるが、二節棍は鎖で2つつないだ棍を指す言葉で、連接された棍の長さが違うものも含まれる。いっぽう双節棍は棍の長さが両方同じであるが、あくまで棍のバリエーションであるため、全体のサイズはヌンチャクよりも大きいなどの違いがある。また棍ではないので多節棍には本来含まれないテンプレート:要出典。因みに沖縄武術の武具には、各部位の長さが短い四節棍も存在している。

ヌンチャクとブルース・リー

截拳道(ジークンドー)を創始した中国武術家で俳優ブルース・リーが映画『燃えよドラゴン』の劇中で使用したことで、ヌンチャクは世界中で知られる武具となった。日本人俳優の倉田保昭は、「私がリーにヌンチャクをプレゼントして映画に採用した」と語っている[4]。しかし倉田と会う以前にリーがヌンチャクを使用している写真が残っている。一方、リーとともに截拳道を創始したダン・イノサントが、フィリピン武術で用いられている類似の武具「タバク・トヨク」を紹介したという説もある(イノサントは世界中の武術を幅広く学んでおり、映画『死亡遊戯』の中でもヌンチャクの技術を披露している)。さらには出村文男がテレビ番組[5]に出演した際には「ブルース・リーにヌンチャクを教えた伝説の空手家」とし、出村の執筆したヌンチャク専門書[6]を読んだリーが直接出村に教えを請いにやったきたと紹介されている。 アメリカでは、ヌンチャクは空手の師範である落合秀彦(落合信彦の兄)ヒデヒコ’ハイディー’オチアイがブルース・リーに伝えたと言うのが一般的な見解であるらしい。二人が最初に出会ったのは1960年代半ばのロスのYMCAにおいてだった。[7] もっともリーは、ヌンチャクに実戦的な価値を見出していなかったらしい[8]。しかし、アクションシーンの演出としてはインパクトがあると考えて、映画で使用した。ただしリーが映画撮影時に用いたヌンチャクは棍がゴム製、鎖がプラスティック製のものである。映画内で登場する他の武具はそうでない事から、他の武具にはないイレギュラーな棍の跳ね返りなどのアクシデントから共演者及び自身の安全を確保するためと思われる(訓練していない者が使うと自分に当たる場合がある)。

その他

テンプレート:雑多な内容の箇条書き

  • 上述のように、ヌンチャクはブルース・リーの武具として人気があるため、空手や中国武術、多様なマーシャルアーツの流派を問わず取り入れられている。
  • ブルース・リーが劇中ヌンチャクを振ると「ヒュンヒュン」という軽快な音が聞かれるが演出上の効果音であり、むくの樫の木等で作られた純粋なヌンチャクでは、振り回しても劇中のような音は出ない。ただし先端を多少抉られている物は多少の風切り音を発生させる事もある。また練習用のゴム製の筒状の中に錘の金属が入ったような物を振った時も似たような音が出る場合がある。
  • 武術という枠を出て、「美しく表演するスポーツ」「健康に良い運動」といった観点での活動も見られ、型にとらわれないフリースタイルというジャンルが個人スポーツとして欧米を中心に広まっている。
  • 従来のヌンチャクは樫の木で作られたもので、長さ約36cm、棍間13-15cmが一般的に用いられていた。現在はラバーヌンチャクなど柔らかい素材で作られたものもある。
  • 振り方も従来の打撃を目的にした技の他に、連結する紐やチェーンを手首に巻いて回転させるリストスピン(リストロール)がフリースタイルに繁用されている。これには親指側から回すフロントハンド小指側から回すバックハンドの回し型がある。
  • 現在では、古流空手、近代武道、中国武術、ブルース・リースタイル、エクストリームマーシャルアーツ(楽曲などを伴う演武が中心の武道風アクションパフォーマンス)、フリースタイル、ジャグリングなどの幅広い技術展開がなされている。
  • フリースタイルヌンチャクは2003.5.1 Freestyle Rulebook, 2006.11 Freestyle Competition共にWNA(World Nunchaku Association)の記録があるがホームページは消失。現在www.freestyleforum.net/, nunchakututorials.com/のホームページがある。
  • 日本では携帯すると軽犯罪法に触れる恐れがあり、海外でも単独所持を法律で禁じている国もある。
  • ロッククライミングに使う、2つのカラビナを短いザイルで結んだ用具(クイックドロー)をその形状から「ヌンチャク」とも呼ぶ。
  • 竜音棍は夢遊流樋口裕乗の考案した空洞の発音器が棍についていて振ると「ヒューヒュー」と心地よい音がする。夢遊流はX字型に片手で4種の振り方をテーブル表記式にして112の振り方が容易に理解できるようにした健康法である。www.sportsfukiya.net/ 参照
  • ヌンチャクトワリングはバトントワリングのように棍を車輪回転させる華麗な技で、順手から飛棍を順手に持ち替えの技と順手から逆手にさらに把棍を順手に握りかえる技がある。youtu.be/xUpMeMZTwxE

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

参考文献

  • 外間哲弘『沖縄空手道・古武道の真髄』那覇出版社、平成11年。 ISBN 4890951245
  • 仲本政博『沖縄伝統古武道・改訂版』ゆい出版、2007年。

関連項目

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ヌンチャクのデモンストレーション 2012

  1. 仲本政博『沖縄伝統古武道・改訂版』ゆい出版、2007年、129頁参照。
  2. 同上、129頁。
  3. 『月刊空手道』2009年3月号、37頁参照
  4. 「ブルース・リー 真実のドラゴン伝説」(『知ってるつもり?!』1993年放映)
  5. 世界を変える100人の日本人! JAPAN☆ALLSTARS」 (テレビ東京) 2009年11月20日放送。
  6. 『Nunchaku - Karate Weapon of Self-defense』 1969年出版。ISBN 0897500067
  7. Adopted his legendary nunchaku routine in his movies from the legendary karate master Hidehiko "Hidy" Ochiai. The two met at the Los Angeles YMCA in the mid 1960s.
  8. "Remembering Bruce"James Bishop著