電子銃

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ファイル:Egun.jpg
ブラウン管の電子銃

電子銃(でんしじゅう、Electron-gun,e-gun)とは、固体中の電子を高や高電界により空間に放出させ、これを電界により加速すると共に、電子レンズにより電子線をビーム状に収束させて照射する装置。

固体中の電子を空間に取り出す電子源(エミッタもしくはカソード)には、熱エネルギにより電子放出を行う熱電子放出型と、高電界により固体表面近傍のポテンシャルバリアを薄くすることにより量子力学的トンネル効果により空間に電子を取り出す電界放射型 (Field Emission) がある。前者は、安価に安定な電子源が得やすいため、ブラウン管などに広く用いられているが、後者のタイプは微細な電子源(点電子源)が得やすく、また高い電流密度が得られるため、高分解能電子顕微鏡電子線描画装置などに用いられている。

ほかにも熱電子放出型FEG(Thermal Field Emission Gun) の電子銃も使われており、同様に電子顕微鏡や電子線描画装置などに用いられている。加熱しているためアウトガスの吸着が少なく、長寿命で安定的な電子線放出が行える。