江ノ島電鉄10形電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2014年7月26日 (土) 22:35時点におけるSakakibarashigeki (トーク)による版 (概要)
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
移動先: 案内検索

10形電車(10がたでんしゃ)は、江ノ島電鉄電車

ファイル:Enoden-10.JPG
10形(側面) 七里ヶ浜駅にて

概要

1902年明治35年)の江ノ電開業から95周年を迎えることを記念して、東急車輛製造で2両編成1本(番号は10-50)が製造され、1997年平成9年)4月18日より営業運転を開始した。他の車両と運用上の区別はなく、共通で使用されている。

観光客を意識してオリエント急行を思わせるレトロ調デザインを採用しており、ブルーとクリームの2色に、イエローとホワイトの装飾帯を配した車体塗色が非常に特徴的な車両である。

外観上の特徴としては旧500形以来の両開き扉を採用し、車体幅が従来車両より100mm広げられ江ノ電初の裾絞り車体となったほか、先細り状の形状の先頭部、腰部の丸形一灯式前照灯や、江ノ電初のシングルアームパンタグラフ採用などが挙げられる。

また上部が弧を描く独特の形状の窓や、の救助網を模したような形状の前面排障器(スカート)、屋根上の冷房装置などを隠すように取り付けられたモニタ屋根状カバーなど本形式独自の特別装備も目立つ。

客室内装は木目調部品(一部部品は木製)を多用しており、金属部分もブロンズ仕上げ、丸形蛍光灯カバーに電球照明など欧風の「レトロ調」に徹底している。その一方で、車内には2000形と同型のマップ式旅客案内表示器や江ノ島電鉄では初めての車椅子スペースが設置されている。

車内自動放送装置は2000形と同様のテープ式が用いられていたが、その後20形と同一のIC式に変更され、さらには新500形と同一の英語放送が追加された。

この10形導入に伴い、江ノ電最後の非冷房車かつ旧性能車(吊り掛け駆動、電磁SME制動)であった300形の302-352編成が同年3月に営業運転を終了した。ただし、どちらかのみ特徴を持つ車両としては、吊り掛け駆動方式の車両はブレーキシステムが電気指令式である1000形が在籍しており、非冷房車は初代500形が最後であった。

構想段階では8種類のデザインが考案されたが最終的には3種類に絞られた。塗装もこの段階では緑とクリームの「江ノ電カラー」と茶色の「チョコ電」塗装が考えられていた。なお、「江ノ電カラー」はその後20形で採用されている。

運用

他の形式と共通運用である。なお同形は2両編成1本のみなので、4両編成で運転する際は他形式と連結する。


テンプレート:江ノ島電鉄の車両