エクソンモービル

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テンプレート:Infobox エクソンモービルテンプレート:En)は、アメリカ合衆国テキサス州を本拠地とする総合エネルギー企業である。国際石油資本であり、スーパーメジャーと呼ばれる6社の内の一社である。また民間石油会社としては世界最大の企業である。

日本においてもEMGマーケティング合同会社を親会社とするエクソンモービル・ジャパングループを展開している。

概要

第二次世界大戦後から1970年代まで、世界の石油の生産をほぼ独占状態に置いたセブン・シスターズ7社の内の一社である。

現在、エクソンモービルはスーパーメジャーと呼ばれる世界6大石油会社の一つであり、スーパーメジャーの中でも最大の企業である。エクソンモービルは、エネルギー資源の探鉱・生産、輸送、精製、販売までの事業を垂直統合で一括で行っている。

日本でも、石油製品・石油化学製品の「精製・製造」および「販売」のビジネスを展開している。また日本で、「エッソ」・「ゼネラル」・「モービル」の三つのガソリンスタンドのブランドを2005年時点で5917軒ビジネス展開している。

エクソンモービルは世界200カ国以上で事業展開をしている。また21カ国に38の石油精製所を展開し、毎日の石油精製は630万バレルである。エクソンモービルが保有している石油埋蔵量は2007年末で720億バレル換算とされ、現在の生産量で14年以上持つと予想される。いずれも、サウジアラムコなどの国営石油会社を除く民間石油会社の中では世界最大である。

評価

世界ブランド

エッソ (Esso)

テンプレート:Seealso テンプレート:Double image aside 地球を表す楕円形の中に「Esso」(Eastern States Standard Oil の頭文字)の文字が入り、Eは算用数字の3を左右逆にしたような丸みのある字体となる。ペットマークはで、「エッソタイガー」ないし「タンゴタイガー」と呼ばれる。

このほか、オリジナルキャラクターとしてオイルのしずくをかたどった「ドロップボーイ」(エッソボーイ/和名:いってきくん)と「ドロップガール」(エッソガール/和名:しずくちゃん)がある。

「Esso」はスタンダード・オイル・トラストが解体された後誕生したスタンダード・オイル・ニュージャージー(のちのエクソン社)の商標であり、米国東部州のスタンダード・オイルという意味だが、分割後のスタンダード・オイル各社に当たられた商標「SO」と混同するとされて、現在米国では使用されず、代わりに社名にもなった「EXXON」を使用している。

全米で「Esso」商標が使用できなくなったため、代わりにエナジーコーポレーションを示す「Enco」に改名し、続いて全世界の商標を「Enco」に切り替える計画を立てたが、日本法人(当時のエッソ・スタンダード石油)からの「Enco(エンコ)は日本ではエンジントラブルを意味する俗語である」という意見により使用を取りやめ、「EXXON(エクソン)」に変更した。ブランド名変更当初に日本法人もエクソンを名乗る予定であったが、「クソ」という部分が不快に感じるとの配慮から、エッソを商標名とし続けた[1]。なお「Esso」の商号は、日本では戦前に航空機用潤滑油として一部で使用されてきたが、1961年スタンバック社の解体でエッソ・スタンダード石油が設立された時より本格的に使用された。 テンプレート:Double image aside

モービル (Mobil)

テンプレート:Seealso 元来はスタンダード・オイル・トラストの解体時に独立した、ヴァキューム・オイル社が開発した航空機用潤滑油の商標。ライト兄弟が航空機の実験飛行に使用したといわれる。1931年、スタンダード・オイル・ニューヨーク社(ソコニー)と合併して以来、ソコニー・バキューム社(のちのモービル社)の潤滑油商標となる。日本でも「モービル油」「モービロイル」と呼ばれ、潤滑油の代名詞として知られたが、1960年代に全米・全世界向け同社統一商標として採用され、以降「モービルガソリン」などが販売された。

ペットマークは赤いペガサス。スタンダード・オイル・トラスト時代に全米各地でペガサスの商標が使われていたが、現在の商標はソコニー誕生後に日本の横浜で誕生したもの。日本では長年「ペガサスガソリン」と呼ばれた。

ファイル:ゼネラル野方.jpg
東燃ゼネラル(ゼネラルオリジナル仕様)

ゼネラル

米国ではソコニー・バキューム社が保有していた商標である。日本では戦前、スタンバック社と販売代理契約を結んでいた三井物産が財閥解体で解散され、その元社員らによって設立されたゼネラル物産が使用した商標である。戦前の三井物産も「ゼネラルガソリン」として販売していた。

歴史

エクソンモービルは1999年に、エクソンとモービルが合併して出来た会社である。

元々は二社とも、ジョン・ロックフェラーが1870年に設立したスタンダード・オイルの流れをくむ企業であったが、1911年にアメリカ最高裁判所はスタンダードオイルを独占禁止法で34社に分割する判決を下した。34社の内の2つがジャージースタンダード ( スタンダード石油会社ニュージャージー )は最終的にエクソンとなり、 Socony ( スタンダード石油会社ニューヨーク)は、最終的にモービルになった。

前身であるエクソンモービルは、ともに第二次世界大戦後から1960年代まで、石油の生産をほぼ独占状態に置いた「セブン・シスターズ」と呼ばれる国際石油資本(メジャー)の1つであった。

沿革

  • 1911年5月15日 - アメリカ連邦最高裁の決定によるスタンダード・オイルの分割により、エクソンとモービルの前身会社がそれぞれ独立。
    • スタンダード・オイル・オブ・ニュージャージー (Standard Oil Company of New Jersey) - エクソンの前身。通称「ジャージー・スタンダード (Jersey Standard)」。
    • スタンダード・オイル・オブ・ニューヨーク (Standard Oil Company of New York) - モービルの前身。通称「ソコニー (Socony)」。
  • 1931年7月30日 - ソコニーとバキューム・オイル (Vacuum Oil) が合併し、ソコニー・バキューム (Socony-Vacuum) が発足。
  • 1933年9月7日 - ジャージー・スタンダードとソコニー・バキュームが東アフリカからニュージーランドまでの地域の販売網を統合し、合弁会社スタンダード・バキューム・オイル(Standard-Vacuum Oil、通称スタンバック Stanvac)を設立。
  • 1955年4月29日 - ソコニー・バキュームがソコニー・モービル・オイル (Socony Mobil Oil) に社名変更。
  • 1962年4月1日 - スタンダード・バキューム・オイル解散。
  • 1966年5月18日 - ソコニー・モービル・オイルがモービル・オイル (Mobil Oil) に社名変更。
  • 1972年11月1日 - ジャージー・スタンダードがエクソン・コーポレーション (Exxon Corporation) に社名変更。
  • 1975年6月18日 - モービル・オイルがモービル・コーポレーション (Mobil Corporation) に社名変更。
  • 1989年3月24日 - エクソン保有のタンカーエクソン・ヴァルディーズ」がアラスカで約42000kLの原油流出事故を起こす。
  • 1999年11月30日 - エクソンとモービルが合併し、エクソンモービルコーポレーション (Exxon Mobil Corporation) が発足。

日本での事業

テンプレート:Infobox エクソンモービル・ジャパングループは、EMGマーケティング合同会社(旧:エクソンモービル有限会社)を親会社とする関連企業から構成されている。

EMGマーケティング合同会社は、合同会社へ改組した当初は、エクソンモービルの100%子会社であるエクソンモービル アジア インターナショナル SARLが100%出資している会社であったが、現在は、親子関係が逆転し、東燃ゼネラル石油が99%出資し、残りの1%をエクソンモービルが出資する形となっている。このため、2012年現在は、東燃ゼネラルグループの1社となっており、一部事業も手掛ける中間持株会社の位置づけとなっている。

グループは、石油製品・石油化学製品の「精製・製造」および「販売」を主要事業としている。「エッソ」・「モービル」・「ゼネラル」という3つのブランドにより、エクソンモービル有限会社がガソリンスタンドを直接、間接に運営している。

ガソリンスタンドのビジネス展開

2005年(平成17年)末時点で、3ブランドのマークを掲げるガソリンスタンドは全国に5917軒ある。

またセルフスタンドが解禁になると3ブランドは逸早くエクスプレス (Express)を展開した。「クイック&イージー」をキーワードに、誰もがすぐに、気軽に利用できるセルフSS戦略である。

ドトールコーヒーショップセブン-イレブンを同じ敷地内に併設する新しいタイプの店舗も展開している。

また、オイル交換などを行うモービル1センターを併設している店もある。

ファイル:General Minamisomakashima SS.jpg
ゼネラルエクスプレス

EMGマーケティング合同会社の沿革

ファイル:Standard Vacuum Oil ad in Japan Oct 1938.jpg
スタンダード・ヴァキューム石油の広告
1938年10月

1884年(明治17年)3月1日、スタンダード・オイル・ニューヨーク社(ソコニー)が横浜に支店を開設。以後勢力を拡大し、明治末期にはライジングサン石油日本石油、宝田石油と販売協定を結んでいる。歴史の項にもあるとおり1931年(昭和6年)7月30日に合併でソコニー・ヴァキューム日本支社となり、1933年(昭和8年)9月7日には ジャージー・スタンダードと合弁でスタンダード・バキューム・オイル(スタンバック)が設立されるとそこの日本支社となった。太平洋戦争開戦に伴い1941年(昭和16年)12月にスタンバック日本支社は閉鎖されるが、終戦と共にGHQ石油顧問団の一角として参画。1948年(昭和23年)8月、在日連合国人への販売が許可され、1949年2月11日に東亜燃料工業と資本・技術・原油供給・販売について提携。同年9月13日には同社の株式51%を取得して関係を強化する。
戦時中を除きスタンバックはソコニー・ヴァキュームのペガサスマークをガソリンスタンドに掲げ、また潤滑油もMobiloilを販売してきたが、スタンバックが解体されることとなり、1961年(昭和36年)12月11日ジャージー・スタンダードとソコニー・ヴァキュームは共に日本法人を立ち上げ両社間の競争が開始されることになった。スタンバック日本支社の横浜本店はエッソ・スタンダード石油の本店として継承されたが、エッソブランドはこのときまで日本の一般大衆にはほとんど認知されておらず、事実上の新規進出になった。

  • 1961年(昭和36年)12月11日 - エッソ・スタンダード石油株式会社、モービル石油株式会社設立。
  • 1982年(昭和57年)3月1日 - エッソ・スタンダード石油がエッソ石油株式会社に社名変更。
  • 2000年(平成12年)2月18日 - エッソ石油・モービル石油が株式会社から有限会社に改組。
  • 2002年(平成14年)6月1日 - エッソ石油がモービル石油・エクソンモービルマーケティング有限会社・エクソンモービルビジネスサービス有限会社を吸収合併し、エクソンモービル有限会社に社名変更。
  • 2003年(平成15年)1月1日 - エクソンモービル化学有限会社を合併し、石油化学製品の販売を集約。
  • 2010年(平成22年)10月1日 - 日本国内の事業を縮小させる計画が明らかになる。その一環として九州地区の一部のGSを国内の販売会社に売却を打診していることも明らかになった[2][3]。売却後も店舗ブランドが維持されることが条件となっている。一部メディアで日本市場撤退と報じられたが、それに関しては否定している[4]
  • 2012年(平成24年)1月4日 - エクソンモービルの日本事業及びエクソンモービルが保有する東燃ゼネラル石油の株式の一部(3割程度)を1000億-4000億円で東燃ゼネラル石油が取得し日本市場から縮小・撤退させる方向であると再度一部のメディアが報道する[5]。しかし両社ともに「うわさや憶測に対してはコメントしないが、エクソンモービルが日本から撤退するような計画はない」と否定するコメントを発表している[6][7]
  • 2012年(平成24年)1月29日 - エクソンモービルが子会社を通じて所有する東燃ゼネラル石油株式会社の持分99%を、同年6月に東燃ゼネラル石油が取得し、新たな提携関係に移行することを発表。エクソンモービルが子会社を通じてが保有する一部の化学品事業と東燃ゼネラル石油の株式8千万株を所有し続け、本持分取得後の東燃ゼネラル石油に対する議決権の保有割合は約22%となり、主要株主として留まる見込み。エクソンモービルのブランド(エッソ・モービル・モービル1など)は日本国内で独占的に使用する。またクレジットカード等の各種サービスも従前どおり提供する。石油精製および石油化学におけるテクノロジーや技術サポートも継続して使用し、原油や製品の調達においてもエクソンモービルとの協力関係を継続する。[8]
  • 2012年(平成24年)5月21日 - EMGマーケティング合同会社に商号と組織を変更[9]
  • 2014年(平成26年)7月1日 - MOCマーケティングより石油販売事業が譲渡される。将来的には会社も吸収すると発表された。

グループ企業

CM

  • 1959年にEssoブランドで行われた「タイガーをお車に!(Put a Tiger in your Tank)」キャンペーンはティーザー広告の嚆矢である[10]
  • 経営統合前は、ゼネラル石油が光GENJI田代まさし後藤久美子、エッソ石油が志穂美悦子松雪泰子、モービル石油が鈴木ヒロミツ丹波哲郎山瀬まみらのタレントを起用したCMを放送していた。
  • モービルのエンジンオイル「モービル1」のCMでは過酷な耐久テストをCMに採用したことがあった。夏季には245℃での耐熱試験、冬季には氷点下40℃の冷凍試験(バナナが打てたり、バラが粉々になるなど)を行い、それら過酷な条件でも他のオイルと違い耐久性に優れていることをアピールしていた。
  • 統合後は、一時期シナジーオイルのCMを放送していた。
  • 2010年(平成22年)8月現在、地上波放送では提供スポンサーは無いものの、J SPORTS ESPNで「モービル1・ザ・グリッド」を提供している。

関連製品

  • モービル1 (化学合成エンジンオイル)
  • ESSO MOTER OIL(現在は発売されていない)

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

関連項目・人物

外部リンク

テンプレート:Sister

テンプレート:石油企業 テンプレート:ダウ平均株価 テンプレート:石油連盟

テンプレート:石油鉱業連盟
  1. ただし、現在の日本法人は「EMGマーケティング合同会社」となる。
  2. テンプレート:Cite web
  3. テンプレート:Cite web
  4. エクソンモービル・ジャパングループの小売事業に関してエクソンモービルプレスリリース
  5. エクソン、資源開発に集中 東燃ゼネ株3割売却、日本事業縮小 米エクソンが事実上の日本撤退へ - 日本経済新聞 2012年1月5日閲覧
  6. 米エクソンが事実上の日本撤退へ、東ゼネに株式・事業売却で調整 - ロイター 2012年1月5日閲覧
  7. 本日の一部報道について - 東燃ゼネラル石油株式会社・エクソンモービル有限会社 2012年1月5日閲覧
  8. テンプレート:Cite press release
  9. エクソンモービル有限会社の商号と組織の変更、および役員の異動に関するお知らせ - 東燃ゼネラル石油株式会社・エクソンモービル有限会社 2012年5月27日閲覧
  10. ブライアン・アッシュ著, 岡本幸雄翻訳 『タイガーをお車に!―世界を征服した広告キャンペインの分析(ハヤカワ・ノンフィクション・ビジネス)』 早川書房、1970年、241頁