XP-77 (航空機)

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ベル XP-77
300px
用途 戦闘機
乗員 パイロット1名
初飛行 1944-04-01
製造者 ベルエアクラフト
寸法
全長 6.97 m
翼幅 8.38 m
全高 2.50m
翼面積 9.29m²
重量
空虚 1,295 kg
動力
エンジン レンジャー V-770-7×1
馬力 528PS×1
性能(目安)
最大速度 531km/h
航続距離 885km
武装
固定武装 1 x 20 mm 機銃, 2 x 12.7mm機銃

ベルXP-77は、第二次世界大戦中のアメリカ陸軍航空軍の試作戦闘機である。アメリカ合衆国ベル社が開発を行った。

概要

第二次世界大戦が始まると、航空機用の軽金属材料の不足が懸念されたのと、日本軍戦闘機、特にゼロ戦の運動性がアメリカ軍機のそれを上回っていたことが、アメリカ軍に製の小型軽量の戦闘機の開発を計画させた。開発計画は1941年10月に開始された。ベル社では、木製構造金属外板張り[1]の3車輪式の小型機を軍に対して提案した。この機体は、層流翼を有し[1]、ターボ過給器付エンジンXV-770-9[1]を装備して、最大時速は660km/hという触れ込みだった。陸軍航空軍ではテスト用に1942年に25機の発注を行った。しかし、エンジンの開発が進まないため過給器無しのXV-770-7エンジン[2]を装備[1]することになり、発注も6機に減らされた。さらに製造が遅れたため、1942年8月には試作機2機の発注となった[1]

試作1号機は1944年4月に初飛行した。しかし、機体重量過多でエンジンの出力不足のため、速度は高度1200mで531km/hがやっとの状態であった。加えて視界不良やエンジンの振動問題、飛行時の安定性不良などから、テスト時の評判は芳しくなかった。この時点では、他機種の生産が順調なこと、軽金属材料の不足が発生しなかったことより、この木製戦闘機の必要性は無くなっており、陸軍航空軍の本機に対する興味は薄れていた。そして、試作2号機が同年10月2日に墜落事故[1]を起こすとそのまま契約も1944年12月にキャンセルされ、生産はこの2機の試作のみに終わった。

関連項目

脚注

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外部リンク

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テンプレート:アメリカ空軍の戦闘機
  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 第二次大戦米陸軍機全集 航空ファンイラストレイテッドNo.74 文林堂 1994年 P152
  2. Fact Sheets > Bell XP-77