SAE規格

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

SAE規格(えすえーいーきかく)とは、米国の技術者団体であるSAEが定める規格鋼材潤滑油バッテリー前照灯などの規格がある。

鋼材

チェーンブロックなど、主に荷役用の高強度に使われるSAE-15B25などがある。

SAE粘度

SAE粘度(SAE Viscosity Grades)とは、潤滑油粘度を定めた規格である。数字が小さいほど常温で柔らかく、大きくなるほど硬いオイルとなる。

一般にSAE粘度やSAE粘度分類とは、SAE J300またはJ306で規定された粘度や分類を指す。SAE J300はエンジンオイルの粘度、J306はギアオイルの粘度を規定する規格である。適宜改訂され現在最新のものはJ300は2013年4月に発行されたものとなる[1]。それ以前にも2009年、2007年、2004年、1999年に発行されたものなどがあるがネット上では1999年版などの古いデータを掲載している例が比較的見受けられる。分類自体に大きな変更はないのでおおまかな分類をみる場合は古いものでも問題はない。なお2013年版においてはSAE16に追加およびSAE20の粘度範囲の変更などやや大きな改訂が行われている。

自動車のエンジンオイルオートバイ用オイルに見られるSAE規格の表示は、10W-30といったマルチグレード表示が一般的である。Wは「Winter」の頭文字で、前半で低温時の粘度を示し、ハイフン後の数字で高温時の粘度を表す。寒冷地では5Wや0Wといったグレードを選ぶことで、クランキングをより容易にし、ハイフン後の数字が大きいものは、モータースポーツなどの過酷な条件下にも耐えうるオイルとなる。

同グレード表記の製品同士が同じ性質であると理解するのは誤りであり、実際の性質は製品ごとに異なっている。グレードの数字に表れない様々な性質が存在するため、「10W-40」と表記された高出力車のスポーツ走行に適するように開発された製品を、低出力の車両に使用するとその製品の持つ長所を発揮できないどころか、エンジンに対して負担をかけることになり予想外のトラブルに遭遇することもある。したがって、オイルの製品を選ぶ際はSAE粘度のグレード表示を見るだけでなく、その製品がどのような用途を想定して作られているかという視点を持つのが適切である。

以前は粘度を示すだけのモノグレード(たとえば「30」や「20W」と表記)のオイルも流通していたが、現在では温度などが一定の環境下で使用される産業用エンジンや、特定の条件におけるレース車両のエンジンなど、また、ラッシュアジャスターが摩耗した際にバルブクリアランスを保持する一時しのぎの救済策にしか用いられなくなっている。モノグレード以外にも20W-40などといったショートレンジマルチグレードオイルもメーカー純正を含め流通していたが現在では2輪用に存在する程度で4輪では殆ど用いられない。

ギアオイルにはエンジンオイルよりも大きな数字が当てられるが、これは分類方法が異なる為で表記粘度による単純比較はできない。前述のようにエンジンオイルがJ300、ギアオイルはJ306で規定される。エンジンオイルの分類に比べ各グレードの動粘度の幅が広く、特にSAE90以上の分類は広い。例えば75W-90のギアオイルは分類上はエンジンオイルのxW-40から×W-60に相当する(あくまで分類上の話であり実際に流通している75W-90は10W-40に相当するものが多い)。

バッテリー

容量・高率放電性能試験などJIS、DIN規格とは異なる。 表記:38B20Lなど

  • 最初の数字:放電性能を表す
  • 英字:大きさの区分(A~H)
  • 数字:横幅
  • 英字(L/R):端子の極性

関連項目

脚注

  1. http://standards.sae.org/j300_201304//