Close to 〜祈りの丘〜

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テンプレート:InfoboxClose to 〜祈りの丘〜』(クローストゥ いのりのおか)は、2001年4月19日KIDよりドリームキャストで発売された恋愛アドベンチャーゲーム

2003年7月24日にシナリオの追加やグラフィックの全面改訂などを行い、タイトルを『想いのかけら -Close to-』(おもいのかけら クローストゥ)としたPlayStation 2版も発売されている。なお、PlayStation 2版には本作出演声優によるラジオ風トークCDが特典として同梱されている(初回限定特典ではない)。2011年12月22日にはKIDの事業を引き継いだサイバーフロントからPlayStation Portable版が発売された。

キャラクターデザイン担当はごとP

2006年発売の『Separate Hearts』は、シナリオ上のつながりはないものの、本作と一部の舞台を共有している。

システム

おおむねオーソドックスな恋愛アドベンチャーゲームとして進行する本作の特徴は、ヒロインの遊那の部屋にいる時に部屋にあるいろいろな物に念を送ることで干渉するルームパートと呼ばれる部分があることである。

このルームパートを通じて、霊体であるため遊那に話しかけられない主人公の元樹は、間接的に失われた彼女の記憶を呼び覚まそうとする。まず手がかりになりそうなものを探し、対象に念を送ることで彼女の注意を引くことができる。元樹の霊能力が向上すれば、直接物体を動かせるようにもなる。

シナリオ進行上必要な操作もあるが、お遊び要素も盛り込まれており、誰にも見られていないと思っている遊那がひとりで人形劇を始めたり、奇怪な漫画を描いたりするアクションを起こすことがある。また、彼女が所持しているCDの再生という体裁で、『Memories Off』『infinity』などのKID作品のアレンジBGMを聞くこともできる(ただし遊那が不在でないと聞けない。在室時には、勝手に動き出したCDプレイヤーを不審がって彼女が停止させてしまう)。

PS2版では遊那のアクションやCDの内容が新規になっており、クリア後に出現するおまけで無制限にルームパートを鑑賞できる。さらにコレクション要素も追加されており、部屋にあるアイテムと遊那のアクションをすべて確認すると、壁にかけられた写真を選択することで、本編のCGを流用してセリフを付け替えたショートコントが見られる。

シナリオ

主人公の少年元樹は、ある日のデート中に恋人の遊那を交通事故からかばい、気がつくと肉体から脱け出た霊体になっていた。存在を誰にも気づいてもらえずに途方にくれる元樹だったが、霊能力を有する小雪麻衣との出会いを通じて、「彼を愛する人が祈りを捧げてくれれば、体に戻れる」という希望を得る。しかし遊那は、事故のショックで彼に関する記憶を失っていた。実体のない元樹は、彼女に訴えかける手段を見つけることができるだろうか? 抜け殻となった肉体が完全な死を迎える前に……。

登場キャラクター

穂村元樹 (ほむら もとき)
 : 菅沼久義(ドラマCD版)
主人公。遊那とのデート中に交通事故に遭い、幽体離脱状態に。
柏木遊那 (かしわぎ ゆうな)
声 : 麻績村まゆこ
校内で人気の高い美少女。天然ボケ系。元樹とは幼なじみで、1年前から恋人同士になった。
元樹のデート中に事故に遭い彼に関する記憶を失ってしまう。
汐見翔子 (しおみ しょうこ)
声 : 中原麻衣
元樹・遊那の親友。元気溌剌でスポーツ万能。記憶喪失になった遊那を親身に支える。また、催眠術ができるという隠し特技を持つ。
DC版では髪型がショートカットだったが、PS2版では長いポニーテールに変更されている。
橘小雪 (たちばな こゆき)
声 : 釘宮理恵
無口な少女。元樹たちの後輩に当たる。霊能力を有し、肉体から離れた元樹に最初に気づいた人物。性格は冷淡で、最初は彼を突き放すが、懇願に根負けして霊能力の使い方を伝授する。
毎日のように丘の上の教会で祈っている。友人はおらず、学校では浮いた存在。体が弱いらしく、体育の授業は見学している。
咲坂麻衣 (さきさか まい)
声 : 松来未祐
オカルト系を非常に好む小学生。幼いながらも霊能力に造詣が深く、「小雪の師匠」を自称する。元樹に生き返るための条件を教えたのも彼女である。
教会の裏庭でブランコに揺られているときに元樹と出逢う。彼の前では騒がしいくらいにはしゃいでいるが、小学校でひとり寂しそうにしている姿も見せる。
藤碕龍作 (ふじさき りゅうさく)
声 : 結城比呂
元樹・遊那・翔子の友人。ひそかに遊那に思いを寄せており、恋と友情の板ばさみに悩む。

スタッフ

外部リンク