IDCフロンティア
株式会社IDCフロンティア(英称:IDC Frontier Inc.)は日本のデータセンター事業者、ヤフーグループの企業である。日本国内9ヶ所でデータセンターを運営している(後節参照)。
近年の取り組み
新宿データセンター内ハウジングスペースの空調効率を高めるために、コールドモールと呼ばれる環境を構築し2007年から運用開始した。また、福岡県北九州市に環境対応型のデータセンターコンプレックス「アジアン・フロンティア」が2008年10月に開業、冷却に外気を取り入れるグリーンモールと呼ばれる空調方式を採用した。2010年10月には福島県白河市に環境対応型の大規模データセンター建設を発表し、2012年10月に「白河データセンター」を開業した(起工式:2011年9月1日、竣工式:2012年10月1日)。
2009年6月30日、IaaS型のパブリッククラウド「NOAHプラットフォームサービス(現:IDCフロンティア クラウドサービス マネージドタイプ)」の提供を開始した。また2011年9月20日には、オープンソースのクラウド基盤「CloudStack」とクラウドリソース管理ソフトウェア「CloudPortal」を採用したセルフポータル型の「NOAH(現:IDCフロンティア クラウドサービス セルフタイプ)」の提供を開始している。2012年10月16日、ホスティッドプライベートクラウド「IDCフロンティア プライベートクラウドサービス」の提供を開始、さらに12月6日にオンプレミスとクラウド/データセンター間を接続する「プライベートコネクト」の提供を開始した。
2010年7月、国内のパブリッククラウドサービスを提供事業者で初めてSLA99.99%の提供を開始した。2013年4月1日には販売パートナー制度「IDCフロンティア パートナープログラム」を開始、SLAが99.995%から99.999%に向上した。
沿革
- 1986年 - 企画会社(国際デジタル通信企画)として設立され、翌年には国際通信専業の事業会社として発展した国際デジタル通信株式会社 (IDC) となった。
- 1999年9月 - ケーブル・アンド・ワイヤレスに買収され、社名をケーブル・アンド・ワイヤレスIDC株式会社に変更。CWグループのアジアハブとして事業運営される。
- IDCを巡り、国際電話事業への新規参入を目指すNTTグループとCWで買収戦が起こる。その後、NTTはNTTコミュニケーションズにより自力参入した。
- 2002年8月 - 経営再建中のインタードットネット株式会社(旧ピーエスアイネット株式会社)を買収。
- 2003年9月 - 経営再建中のエクソダスコミュニケーションズ株式会社を買収。
- エクソダスコミュニケーションズの傘下にはかつてグローバルオンラインジャパン(GOL, 1999年11月にエクソダスが買収)があったが、同年1月にフュージョン・コミュニケーションズに売却していた。
- 2004年3月 - リムネットをイージェーワークスに売却。
- 2005年
- 2月17日 - チェンジオブコントロールでソフトバンクグループとなる。日本テレコムIDC株式会社に社名変更。
- 5月 - ソフトバンクIDC株式会社に社名変更。通信事業を日本テレコム(現ソフトバンクテレコム)株式会社に対し、(新)日本テレコムIDC株式会社として分割。その後、アバヴネットジャパン株式会社を合併。ソフトバンクグループのデータセンター専業会社となった。
- 2007年 - 情報セキュリティ認証基準「ISO/IEC27001:2005(JIS Q 27001:2006)を取得している。
- 2009年
- 2月2日 - ソフトバンクIDCソリューションズ株式会社に社名変更。営業部門は100%子会社の(新)ソフトバンクIDC株式会社に分割。
- 2月19日 - 2月24日付けでソフトバンクIDCソリューションズの全株式をYahoo! JAPAN(ヤフー株式会社)に売却することを公表、以降ヤフーグループとなる。ヤフーにとってはデータセンターの自社運営が可能となることでの業務効率化を目指すとしている。
- 4月 - 2月のヤフー傘下入りに伴い、株式会社IDCフロンティア(現商号)に社名変更。
- 6月30日 - パブリッククラウド(IaaS)サービスの提供を開始。
- 2011年9月20日 - CloudStackを採用したクラウドサービス「セルフタイプ」の提供を開始。
- 2012年4月 - 東京国税局の税務調査で租税回避を指摘され、追徴税額約6億円を求められたことが明らかとなる。同社はこれを不服として、東京地裁に処分取消を求め提訴した。
受賞歴
- 2008年
- 1月25日 - 特定非営利活動法人ASP・SaaSインダストリ・コンソーシアム・ジャパン(略称ASPIC)が主催する「ASP・SaaS・ICTアウトソーシングアワード2007/2008」で、IDC部門 大規模分野準グランプリを受賞。
- 5月 - 第36回「環境賞」で環境大臣賞・優秀賞を受賞。
- 11月 - 北九州市が選定する「北九州市環境賞」の奨励賞を受賞。
- 12月 - 「平成20年度地球温暖化防止活動環境大臣表彰」を受賞。
- 2010年10月 - グリーン・グリッド(The Green Grid)とDatacenterDynamics社が共催する「グリーン・グリッド データセンター・アワード2010」の特別賞を受賞。
- 2011年6月 - ASP・SaaS・クラウド コンソーシアム(略称 ASPIC)が主催する「第5回 ASP・SaaS・クラウドアワード2011」のデータセンター部門で準グランプリを受賞。
事業所
データセンター拠点
詳細はIDCフロンティ公式サイトの「データセンター一覧」を参照。
- 福島白河
- 1号棟(2012年9月竣工)
- 2号棟(2013年9月竣工)
- 東京有明第1
-
東京有明第2(※2014年5月時点で、公式サイト「データセンター一覧」に記載なし) - 東京新川
- 東京新宿
- 東京虎ノ門
- 東京日本橋
- 神奈川横浜(ポートサイド地区)
- 大阪吹田
- 福岡北九州(データセンターコンプレックス「アジアン・フロンティア」として、第5号棟まで稼動している)
- アジアン・フロンティア1号棟(2008年9月竣工)
- アジアン・フロンティア2号棟(2009年3月竣工)
- アジアン・フロンティア3号棟(2011年9月竣工)
- アジアン・フロンティア4号棟(2012年4月竣工)
- アジアン・フロンティア5号棟(2013年5月竣工)
その他
データセンターの日
当社は2007年11月、日本記念日協会に「12月1日」を「データセンターの日」として登録申請し、正式認定された。データセンター(Data Center)の頭文字DCから「December(12月)」と、サーバ機器運用の安心・安全第一が事業の基本であることを示す「1日」を組み合わせることによって、事業名とその使命を分かりやすく表現している。