黒棒
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
概要
製法は黒砂糖、卵、小麦粉、重曹を練って寝かせた生地を棒状に成型してオーブンで焼き、適当な長さに切り揃えた後、黒砂糖やショウガで作った糖蜜を表面に塗り、乾燥させる。地元の方言ではくろんぼうと呼ばれている。黒砂糖の代わりに白砂糖を用いるものもあり、白棒(しろぼう)と呼ばれる。他に類似した物に紫蘇パン(しそパン)等がある。
歴史
黒棒の起源ははっきりしないが、南蛮菓子として渡来したビスコッティ(イタリア語 Biscotti di Prato)の製法が日本化したものという説[1]もある。黒棒は製菓会社によって大量生産がなされており、現在では九州地方ばかりでなく全国各地で市販されている。売価が安く、駄菓子の一種とみなされることが多い。
げたんは
鹿児島県にはげたんは(下駄ん歯)と呼ばれる黒棒に類似した郷土菓子がある。原料や味は黒棒とほぼ同じであるが、形状が下駄の歯のように平たい直角二等辺三角形または台形で、周囲に付けられる黒蜜も、十分乾燥させずに半生の状態に仕上げている。
鹿児島県では、スーパーマーケットやコンビニエンスストアでも常時販売されているが、他県では郷土菓子コーナーや物産展などに限って販売されることが多く、売価も鹿児島県で買うよりも高いことが一般的である。
脚注
関連項目
- クロボー製菓 - 福岡県久留米市に本社・工場を置く黒棒の製造業。
- 春駒 - 原料の似た菓子で、鹿児島県の郷土菓子。
- ふくれ菓子 - 原料の似た菓子で、鹿児島県の郷土菓子だが、砂糖をまぶさない。
- ラスク
- 橋本製菓 - 九州産小麦粉を100%使用。熊本県南関町に工場がある。
- 野田製菓本舗 - 明治25年創業の黒棒の老舗。福岡県八女市に工場がある。
外部リンク