鰻重

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テンプレート:出典の明記 鰻重(うなじゅう,うな重)とは、重箱の中にを入れ蒲焼を載せ、上から蒲焼のタレをかけた日本料理の一つ。

用いる食器丼鉢であれば鰻丼(鰻丼飯の略)と呼ぶ[1]

料亭では鰻の蒲焼と飯を別の食器に盛って供する店もある。また、鰻重とは鰻が重なった状態の鰻重ね(うながさね)を意味する事もある。御飯と鰻の蒲焼を交互に重ねる物であり、下から「飯」「鰻」「飯」「鰻」と交互に重ねるものである。これは、蒸さずに調理した鰻の蒲焼をご飯で蒸らしてふっくらと柔らかくするための工夫でもある。

鰻重は、ウナギの蒲焼と同様に注文を受けてから調理を始める事も多い事から急ぎの食事には適さない。注文を受けてから御飯を炊き始める鰻屋も有る。

食べ方

消化を助ける漢方薬ともされる山椒の粉を振りかけて食べる事が多い。またウナギの肝吸いと共に食べることが多い。また、舌先が痺れるほど大量に粉を振りかけるのは無作法とされる。

松竹梅

鰻重はのメニューにわかれている事があり、これは価格の高い順であるが、内容の差異は、店によって異なり、定義は無い。

鰻重単体で比較した場合、ウナギの個体差により若干の差が生じるが、その蒲焼の大きさによってランク付けする場合、使用する蒲焼の量で分ける場合、ウナギが天然か養殖かでランク付けする場合、前記のような鰻重ねとして蒲焼が一重の二倍入っている場合、切り落としや細切れを混ぜた飯を使用した上で蒲焼を載せる場合など、様々である。

トリヴィア

鰻重を好んで食べる有名人としては将棋棋士加藤一二三(九段・元名人)が挙げられる。かつては対局中の食事としてほぼ毎回鰻重をとり、別のものを注文するとそれが話題になるほどであった(ただし2013年現在はほぼ鰻重を頼まなくなっている)。当時は将棋会館近くのうなぎ屋から、昼食に「鰻重(竹)」夕食に「鰻重(松)」の出前を取ることを定跡としており、それぞれの代金2100円と3100円を左右のポケットに入れて準備していた[2]

脚注

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  1. うな重とうな丼、違いは名前と器だけ?(エキサイトニュース2007年7月22日。執筆: 田幸和歌子)
  2. 別冊宝島440『将棋これも一局読本』(宝島社、1999年)pp.106 - 107