香りハイター

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香りハイターは、かって花王株式会社が販売していた、塩素系漂白剤の商品名である。ハイターシリーズの一つで、塩素系漂白剤独特の塩素臭を無くし、また香りをつけた、日本の塩素系漂白剤初、やさしい香りの漂白剤だった。

経緯

同社が販売していた、ツンとした塩素臭のしない塩素系漂白剤、ハイターEが評判だったことから、花王の漂白剤研究グループがさらに、発展した商品を改良開発し、1988年5月にフローラルの香りのする、塩素系漂白剤として発売された。

ボトルはハイターEと同じ白を使用、ラベルはの商品名を囲む円として、グリーンとピンクを使用、ハイターE時代に書かれた、花王の文字が消え、そこに(香り)の文字が入った、香りの文字の上には(ほのかでやさしい香り)と記載、なおギザギザ文字の中に書かれている(真っ白に)の文字は残され、(洗剤だけでは落ちないシミ黄ばみが消えて)の文字は、下に移された。

発売当初は、珍しくかつ使いやすさから、売り上げはあったが、1990年に入り、液体の酸素系漂白剤が開発され、花王も液体ワイドハイターを発売開始し、この頃から塩素系漂白剤の売り上げが下降し始めた。

また香りのする漂白剤だったため、誤使用も発生していたこともあり、花王側は1991年9月、塩素系漂白剤の商品の絞込みを実施した。

この時衣類用の塩素系漂白剤を、ハイター一本化にすることを決意し、整理対象品として赤ちゃんのいる家庭向けの、洗浄も出来る漂白剤ベビーハイターとともに、発売が中止された。これにより1984年のハイターEから続いた、塩素臭のしない一般用塩素系漂白剤は、店頭から姿を消した。

なお海外では、レモンの香りやフローラルの香りのする、塩素系漂白剤が、各メーカーから現在も販売されている。

テレビコマーシャル

ハイターEの時と同じく、積極的な宣伝活動をした。この商品は1作だけ、テレビCMも作られた。

設定は母親と子供で、子供は漂白剤のCMでは珍しい、高校生位の娘という設定だった、実際子供役として出演したのは、当時16歳で後にタレントや女優として活躍する内田さゆりだった。

CMの流れは、洗濯しようとしている母親と、少し遠くから困った顔をしている少女が映し出される。そして、紅茶のシミの付いた長袖の白い服を持ちながら、「お母さん落ちない」と言いながら母親のところに寄ってくる。

そして、そのシミを見た母親は、「落ちっこ無いじゃない、こういうシミは洗剤では無理よ、ハイターよ」と言う。

そして浸け置き漂白をする場面、漂白剤の香りを、母親が確かめて、それを見ている娘と笑顔で見つめあい、服を浸け置きする洗面器に、漂白剤を注ぐ、後は浸け置きと漂白イメージが映される。

その後漂白された服を母親が持って「シミだけでなく、全部真っ白になったでしょ」と言う、そして娘も「と言うことは、白く見えていたけれど」と言いながら、別の未洗濯状態の白のブラウスを持って母親に見せる、母親は漂白した物を持って比較しながら、「黄ばんでいたのよ」と言う。

最後に洗濯物を干す場面になり、母親が「ねっ、白い物はハイターよ」と言う、娘は真っ白になった、自分の服を持ちながら、「真っ白っていいねー」と、互いに笑顔で答えるところで終わる。

なお漂白のイメージは、この時からシミの部分が映されて、漂白されていく物になった。

また2本目は作られなかった代わりに、ハイターのCMが製作され、その最後で「香りハイターもあります」と紹介され、一緒のCMとなった。