鈴木董

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テンプレート:BLP unsourced 鈴木 董(すずき ただし、1947年9月 - )は、東京大学東洋文化研究所名誉教授。専門は、西アジアイスラム世界の政治文化研究で、オスマン帝国を主なフィールドとする。

1970年東京大学法学部卒業、72年同大学院法学政治学研究科修士課程修了、博士課程進学、トルコイスタンブル大学留学、75年帰国、79年東大博士課程中退、日本学術振興会奨励研究員、80年立教大学法学部助手、83年東大東洋文化研究所助教授、91年教授。82年「オスマン・トルコ支配エリートの研究」で東大法学博士。2012年定年退官。

オスマン帝国時代のパクス・イスラミカとその根幹であるズィンミー制度については高く評価し、同時代のキリスト教社会の諸国に比して宗教的に寛容で、民族・宗教紛争やユダヤ人迫害なども極めて少なかったと賞賛している。同時に、現代においてはこのようなイスラームの絶対的優越の元での不平等の共存は、共存の論理というよりは差別の論理として受け取られるだろうとその限界も指摘している。

専門書以外にも、トルコのグルメを紹介する本を2冊出版している。

著書

単著

  • 『オスマン帝国―イスラム世界の「柔かい専制」』(講談社[講談社現代新書] 1992年)
  • 『オスマン帝国の権力とエリート』(東京大学出版会, 1993年)
  • 『イスラムの家からバベルの塔へ―オスマン帝国における諸民族の統合と共存』(リブロポート 1993年)
  • 『図説イスタンブル歴史散歩』(河出書房新社、1993年)
  • 『食はイスタンブルにあり―君府名物考』(NTT出版、1995年)
  • 『オスマン帝国とイスラム世界』(東京大学出版会 1997年)
  • 『オスマン帝国の解体―文化世界と国民国家』(筑摩書房[ちくま新書] 2000年)
  • 『世界の食文化(9)トルコ』(農山漁村文化協会 2003年)
  • 『ナショナリズムとイスラム的共存』(千倉書房 2007年)

編著

  • 『新書イスラームの世界史(2)パクス・イスラミカの世紀』(講談社[講談社現代新書] 1993年)
  • 『中東人国記』(総合法令、1994年)
  • 『暮らしがわかるアジア読本・トルコ』(河出書房新社 2000年)

共編著

参考

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