北陸鉄道金石線
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(金石電気鉄道から転送)
|} 金石線(かないわせん)は、石川県金沢市の中橋駅から大野港駅間を結んでいた北陸鉄道の鉄道路線。軌道法による軌道である。
北陸鉄道の経営合理化と金沢市内の交通渋滞常態化解消を理由として1971年(昭和46年)9月1日、全線廃線となった。
目次
路線データ(最終時)
- 路線距離(営業キロ):7.5km
- 軌間:1067mm
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化区間:全線(直流600V)
- 長田町変電所(金石電気鉄道電化時)三相誘導電動発電機(交流側3300V直流側550V)直流側の出力75KW[1]
運行形態
交換駅は畝田と金石の2つだったが、通常は畝田で上下列車が交換する30分毎の運行で、貨物列車は旅客列車の続行で運転されていた。
歴史
中橋 - 金石間は金石往還(現在の石川県道17号金沢港線(金石街道))に沿って走っていた。
- 1897年(明治30年)6月3日 長田町 - 金石間 (4.85km) 軌道敷設特許[2]
- 1898年(明治31年)2月5日 金石馬車鉄道が長田町 - 金石間 (4.85km) を開業[2]・軌間762mmの馬車鉄道
- 1914年(大正3年)
- 1918年(大正7年)4月22日 中橋 - 長田町間軌道敷設特許[3]
- 1920年(大正9年)
- 1923年(大正12年)8月22日 金石 - 大野港間 (2.01km) 開業[2]
- 1931年(昭和6年)
- 1943年(昭和18年)10月13日 金石電気鉄道が北陸鉄道に合併され、同社の金石線となる
- 1945年(昭和20年)5月22日 松原 - 涛々園前間廃止(線路自体は三善製紙の専用線としてその後も残存)
- 1971年(昭和46年)9月1日 全線廃止
駅一覧
- 凡例
- 列車交換 … ◇・V:交換可、|:交換不可
本線
駅名 | 駅間キロ | 営業キロ | 接続路線 | ホーム | 列車交換 | 駅員配置 |
---|---|---|---|---|---|---|
中橋駅 | - | 0.0 | 国鉄:北陸本線 北陸鉄道:浅野川線(北鉄金沢駅)、金沢市内線(金沢駅前電停、六枚町電停) |
1面2線 | V | ◎ |
長田町駅 | 0.6 | 0.6 | 1面1線 | | | ◎ | |
北町駅 | 1.2 | 1.8 | 1面1線 | | | ||
藤江駅 | 0.9 | 2.7 | 1面1線 | | | ||
畝田駅 | 1.0 | 3.7 | 1面2線 | ◇ | ||
寺中駅 | 0.8 | 4.5 | 1面1線 | | | ||
金石駅 | 0.9 | 5.4 | 2面2線 | ◇ | ◎ | |
三善製紙前駅 | 0.6 | 6.0 | 北陸鉄道:金石線(支線) | 1面1線 | | | |
無量寺駅 | 0.5 | 6.5 | 1面1線 | | | ||
大野港駅 | 0.7 | 7.2 | 1面1線 | | | ◎ |
支線
- 松原駅は後の三善製紙前駅
駅名 | 駅間キロ | 営業キロ | 接続路線 | ホーム | 列車交換 | 駅員配置 |
---|---|---|---|---|---|---|
松原駅 | - | 0.0 | 北陸鉄道:金石線(本線) | 1面1線 | | | |
涛々園前駅 | 0.4 | 0.4 | 1面1線 | | |
使用車両
- モハ3000形(モハ3001-3005)
- 1949年製。1964年に石川総線からモハ3011とともに5両全車が転入、在来のモハ3301・モハ1831などの雑多な車両を置き換えた。路線廃止後は小松線へ転属した。
- EB30形 (EB301)
- 元若松市交通局の電気機関車2と推測されている。
金石電気鉄道時代
- 1-3 電化時に京都電気鉄道よりN電(171-173号)を譲受けた。北陸鉄道デハ1-3→モハ522・523(デハ1廃車)[6]
- 4・5 1915年梅鉢製の木製ボギー附随車。非対称で片側2扉片側3扉。北陸鉄道サハ531・532
- 6 木製単車詳細不明。1938年廃車のため北陸鉄道には引き継がれない。
- 7・8 1921年名古屋電車製の木製単車。北陸鉄道モハ561・562
- 9・10 1928年に鉄道省より払い下げられた四輪三等客車[7]ハ2083・2084[8]原型は5扉であるが末期は2扉となっていた。北陸鉄道サハ101・102。
- 11 1936年日本車輌製の鋼製単車。北陸鉄道モハ611。
- 12-14 1938年に鉄道省より払い下げられた元簸上鉄道の三等ボギー客車。北陸鉄道サハ511・501・521
- 15 京王電気軌道より譲受けた旧武蔵中央電気鉄道の鋼製ボギー車。北陸鉄道モハ1101
廃線後の状況
金石駅の跡地は北陸鉄道のバスターミナル、大野港駅の跡地はバス停・転向場として現在でも利用されている。
代替バス
北陸鉄道バスが大野港・金石地区から中橋を経て、武蔵ヶ辻・香林坊など金沢市内各地への路線バスを運行している。また平日の朝1便のみ金沢駅西口へ乗り入れている。
脚注
- ↑ 『電気事業要覧. 第9回』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 『地方鉄道及軌道一覧 : 附・専用鉄道. 昭和10年4月1日現在』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
- ↑ 「軌道特許状下付」『官報』1918年4月23日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ↑ 「軌道特許状下付」『官報』1920年8月27日や『鉄道省鉄道統計資料。 大正9年度』では24日
- ↑ 「軌道特許状下付」『官報』1931年6月10日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ↑ 吉川文夫・高橋弘『N電』ネコパブリッシング、2002年、25頁
- ↑ 『鉄道統計資料. 昭和3年』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
- ↑ 『客車略図』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
参考文献
- テンプレート:Cite journal (再録テンプレート:Cite book)
- 宮田雄作「昭和24・30年代の北陸鉄道の車両」『レイル』1980Summer
- 和久田康雄『日本の市内電車 -1895 - 1945-』成山堂書店、2009年
関連項目
- 涛々園(金石電気鉄道が経営していた遊園地)
- 石川県道17号金沢港線(金石街道)