配当

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テンプレート:出典の明記 配当(はいとう)とは、金銭等を「割り当てて配ること」あるいは「割り当てて配られたもの」をいう。会社保険、ギャンブル(賭博)、破産手続き民事執行手続き等で用いられる。

会社における配当

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  • この節で、日本会社法については条名のみ記載する。

概要

配当とは、社員株主)が利益配当請求権剰余金配当請求権、105条1項1号、621条1項)に基づいて受け取ることができる利益の分配のことである。一般に配当という場合には現金によって支払われる現金配当を指すが、現在の株式分割を、株式による配当(株式配当)と表現していたこともあった。会社法においては配当財産が現金以外である場合が存在すること(現物配当)を明示的に認めているが、株式、社債及び新株予約権は除かれている(454条1項1号、4項)。かつては、現金配当のかわりに株式(新株)自体を配当として株主に配ることもあった(1990年頃のにっかつなど)。これを株式配当という。これは、資本構成上は、いわゆるかつての無償増資、現在で言えば小幅な株式分割と同じことであり、一株当たり利益は当然薄まり、株価は下がるので、実質的にはあまり意味がないものであった。単位株制度導入以後は、実質的になくなった。

配当は、会社の利益を源泉として支払われるものであるため、その金額は一定ではない。赤字で利益のない期や、あっても少なく内部留保を厚くしたい場合には無配、すなわち配当が支払われない場合がある。株式会社においては、無配になる場合も含め、配当の金額は株主総会の決議によって決定される(454条1項)。ただし以下の二社の場合には、定款で定めることによって株主総会ではなく、取締役会によって配当を決定することが可能になる。

株式会社の純資産額が300万円を下回る場合には、剰余金の配当は出来ない(会社法第458条)。利益配当の上限額(剰余金の分配可能額)は、純資産額から資本の額資本準備金及び利益準備金の合計額、その決算期に積み立てることを要する利益準備金の額、その他法務省令(会社計算規則)に定める額を控除した額である(446条461条など)。この限度を超えた配当は、俗に蛸配当と呼ばれる違法なものであり、返還請求の対象となる(463条)。

計上している利益の割に配当金が少ない企業は、外国からの企業買収(M&A)のターゲットとされることが多い。対抗策として、配当金の増額が行われることもある。

単元未満の株を所有していても議決権は得られないが、配当は単元未満の株に対しても支払われる。近年テンプレート:いつ、株主価値を上げるため上場企業が積極的である。これは会社法が改正で、外国資本の買収が容易になることから買収防衛策の一環として行われている。

中間配当

中間配当とは、事業年度を1年とする会社(取締役会設置会社)が、事業年度中につき1回に限り一定の日を定めてその日における株主に対して取締役会の決議により行う金銭の分配をいう(454条5項)。これをなすには定款の定めが必要となる。

その他

配当の種類
配当の種類としては、一般の「普通配当」、特別に増益した期に増額する「特別配当」、創立記念や上場記念として増額する「記念配当」がある。額面株式が存在していた時代は、株式の額面額を配当する額面配当と呼ばれるものも存在した。
配当の変更について
配当を予定していたのに無配に変更することを無配転落という。逆に無配の会社が配当を出すことに変更することを「復配」という。また、配当を減らす場合は「減配」、増やす場合は「増配」と言う。
配当利回り
配当利回りとは、1株あたりの配当を株価で割ったもの。預貯金で言う金利と類似しているが、支払われ方等が大いに異なる。
配当性向
配当性向とは、配当で支払う金額を当期利益で割ったものを百分率で示したもの。配当利回りが高くても、この値が高いと減配や、場合によっては無配転落も心配される。

保険における配当

生命保険損害保険において配当とは、契約者が支払った保険料のうち、実際の保険運営において生じた余剰を契約者に返還するものを言う。保険株式会社では契約者配当と呼ぶのに対し、保険相互会社では社員配当と呼ぶ。

生命保険の場合、配当は以下の5つに区分できる。

  • 通常配当
    • 費差配当 - 会社の運営にかかる費用が、当初の見積もりより低かった場合の配当
    • 死差配当 - 実際の契約者死亡率(保険金支払い率)が、当初の見積もりより低かった場合の配当
    • 利差配当 - 保険金の運用利率が、当初の予想を上回った場合の配当
  • 特別配当 - 10年以上の契約期間を有する保険に対して、特別に支払われる配当
    • 長期継続特別配当 - 10年以上契約が継続している契約に対して支払われる。ラムダ配当
    • 消滅時特別配当 - 10年以上契約が継続した契約に対して、契約が消滅した際に支払われる。ミュー配当

ただし、1990年代~2000年代には予定利率(当初見積もった資金の運用利率)を下回る運用環境が続いたことから、配当金がほとんど支払われない場合も多かった。そのため当初より配当を支払わない事にし、その分保険料額を引き下げた「無配当保険」や、利差配当に関してのみ配当を支払う「利差配当保険(準有配当保険)」も現れている。

なお、本来は配当金が支払われるべきはずである契約であったにも関わらず、不当に支払われなかった事案が一部の保険会社で明らかになっている[1]

ギャンブルにおける配当

ギャンブルにおける的中に対しての払戻を配当と呼ぶ。払戻金の事を配当金とも呼ぶ。 配当金を決める方式には2通りあり、それぞれ

  1. ブックメーカー方式
  2. パリミュチュエル方式

と呼ばれる。

日本の公営競技における投票券およびスポーツ振興くじではパリミュチュエル方式が採用され、配当金(払戻金)は、的中券100円分に対する金額で表現される。

破産手続きにおける配当

破産手続きにおける配当とは、破産者の財団を換価して得られた金銭を、破産債権者にその債権の額に応じて分配することをいう。

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民事執行手続きにおける配当

民事執行手続きにおける配当とは、債務者の財産を換価した後、その売却代金を各債権者に対し分配することをいう。債権者が2人以上で、かつ売却代金で各債権者の債権及び執行費用の全部を弁済することができない場合に実施される(民事執行法84条1項)。

脚注

  1. [1]

関連項目

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