貴州省

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テンプレート:基礎情報 中華人民共和国の一級行政区画 貴州省(きしゅうしょう、テンプレート:Lang-zhテンプレート:Lang-en)は、中華人民共和国南西部の。省都は貴陽市。略称の(けん)は黒を意味する。

地理

中国の西南地区に位置し、北に四川省重慶市、東に湖南省、南に広西チワン族自治区、西に雲南省と接する。

省域は、雲貴高原と呼ばれる、雲南省から湖北省に向かって低くなる平均標高 1,000 メートル程度の高原になっている。北側は四川盆地に高度を下げ、烏江が流れ出して重慶の涪陵で長江に注いでいる。南側は雲南省から流れる紅水河の上流域となっており、貴陽、安順などのある省中央部は、2つの河川の分水嶺になっている。安順市黄果樹瀑布は、紅水河の支流あるアジア最大の瀑布である。

省の80パーセント以上が石灰岩に覆われており、中国有数のカルスト地帯となっている。南部を中心に峰林、峰叢地形と呼ばれる凸型カルストが顕著に見られ、その典型である茘波は、2007年に中国南方カルストの一つとして世界遺産に登録されている。平地は大型カルスト盆地に見られるが、広いものは見られないことから、「地に三里の平地無し」と言われている。

烏江をはじめとする主要河川は、高原面を深く切り込んで峡谷作っている。南部では、多くの河川は地下にもぐりこみ、数十キロメートルに及ぶ地下河川になっているところも多い。

鍾乳洞も大規模なものが発達しており、綏陽県にある双河洞は、総延長距離が 100 キロメートルを超え、アジア第2位の長さを誇っている。このほかにも、織金県の織金洞、安順市の竜宮などの鍾乳洞が観光開発されている。

気候

全体が亜熱帯高原であるため、極端な暑さや寒さは無い。年間平均気温は摂氏 14 度から摂氏 16 度であり、1月の平均気温摂氏 5 度前後、8月の平均気温摂氏 25 度前後である。年間降水量は 1,000 ミリメートルから 1,400 ミリメートルで、主として夏季に雨が多く降る。広西方面からの湿った空気が高原にぶつかるため、晴天の日は少なく、雨が降っていなくても曇り空であることが多い。この様子は「天に三日の晴れ無し」と言われている。

民族

2002年末の総人口は 3,837 万人で、少数民族が 37.9 パーセントを占める。最大の少数民族はミャオ族で、プイ族トン族トゥチャ族スイ族などがこれに続く。全国でも少数民族が比較的多い地区である。省面積の 55.5 パーセントが少数民族自治区域となっている。近年これらの民俗が観光資源化されており、カルスト地形と共に開発が進められている。

歴史

古代の夜郎国の地である。戦国時代にはが勢力を延ばし、黔中郡や且蘭郡を設置し、後にの黔中郡となった。ミャオ族など少数民族が多く、中国王朝の支配下に入っても土着封建領主を通じて間接支配する地域が多かった。は黔中道を置き、になって貴州布政使司となり、代に貴州省が成立した。省内第二の都市である遵義市は、中国共産党の長征の途上で、毛沢東が主導権を握った遵義会議の故地である。

行政区画

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6地級市、3自治州が設置されている。

教育

経済

現在は貧しい省だが、省内には水力発電資源や石炭ボーキサイトなどの鉱物資源が豊富に存在し、中国南部の重要なエネルギー基地となる可能性を秘めている。

2002年の全省国内生産総額は対前年比 8.7 パーセント増の 118 億人民元であり、2000年から始まった西部大開発によって道路や空港の建設、「西電東送」と呼ばれる広東省に電力を供給する送電線の建設工事などが加速している。

特産

歴代指導者

歴代省委書記

歴代省長

参考文献

  • 鈴木正崇・金丸良子『西南中国の少数民族―貴州省苗族民俗誌―』古今書院、1985年
  • 曽士才「西南中国のエスニック・ツーリズム」鈴木正崇(編)『東アジアの民衆文化と祝祭空間』慶應義塾大学出版会、2009年
  • 西幹夫写真、黒川美富子紀行文編集『中国貴州省 少数民族の暮らしと祭り—苗族・トン族・プイ族・老漢族の村々を行く—』文理閣、2008年

関連項目

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外部リンク

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