セゾン美術館

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テンプレート:出典の明記 セゾン美術館(セゾンびじゅつかん、Sezon Museum of Art)は、かつて東京都豊島区池袋西武百貨店池袋店内に存在した美術館

1975年西武美術館として開館し、1989年10月にSMA館への移転に伴いセゾン美術館に改称[1]。改称の前後で美術館のコンセプトに大きな変更はなされていない。なお、本来「セゾン」のラテン文字表記は「Saison」だが、本館に限って「Sezon」となっている理由は不明。

美術館として独立した建物になっておらず、西武百貨店池袋店の建物(現在のイルムス館&書籍館)の中に入っており、2階分の構造となっていた。また、(百貨店系にしては)高めの天井で、レイアウト的にも極めて自由の利く構造を持っていた(壁の移動のみならず、入り口を1階と2階のいずれにすることもできた。さらに1階と2階を完全に仕切って別々の企画を行うこともでき、企画により使い分けていた)。

企画の対象は他の百貨店系の美術館(美術スペース)とは異なり、20世紀の内外の美術(主として前衛的なもの)に特化しており(建築写真デザイン等を含む)、国立の近代美術館レベルの企画も数多く行った。展示スペースも20世紀美術(特に第二次世界大戦後の美術)を意識していた。

各展覧会のポスター、展覧会カタログ、チラシ、チケット等のデザインについても力を入れており、当初は田中一光、のちには松永真を採用して、他の美術館に先駆けてトータルなイメージ作りを行った点にも大きな特徴がある。

百貨店の宣伝的機能をはるかに超え、利益を度外視したいわゆる「メセナ」活動といっていい展開を示した(セゾングループ堤清二の意向を強く反映しているといわれる)。それが理由か、バブル崩壊後の経済状況に持ちこたえられず、1999年閉館。現在跡地は北欧の家具・雑貨を扱うショップ「イルムス」を経て書店のリブロになっている。

西武美術館・セゾン美術館で開催された展覧会を通じてセゾングループが収集した美術作品は、軽井沢のセゾン現代美術館に収蔵・展示されている。1999年から数年間、セゾン美術館の学芸員が東京の青山にセゾンアートプログラムという企画団体を組んで展覧会の企画運営などを行った。

開催された主たる展覧会

(開催年順、西武美術館時代を含む)

脚注

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関連項目

外部リンク

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  1. セゾン美術館 現代美術用語辞典 artscape