リブロ

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テンプレート:Infobox 株式会社リブロ(LIBRO CO., LTD.) は、東京都豊島区南池袋西武百貨店池袋本店内に本店を構える中規模書店チェーンである。関東地方を中心に主要都市で商業施設テナント内を中心に展開する。かつてパルコの子会社としてセゾングループに属し、「文化戦略」の多方面展開における一端を担った。パルコ内に出店していることが多い。現在は取次最大手・日販傘下。

なお、「リブロ」(libro)とは、イタリア語スペイン語で「本」を意味する。

概要

テンプレート:独自研究 池袋は東京都区部では神田神保町と並ぶ書店激戦区である。読書が知的な娯楽であり、書籍以外のメディアが乏しいこともあって売れ行きの良かった1970年代には、思想・社会系で優れた品揃えをする駅西口の芳林堂書店(閉店)や、東口駅前(南池袋)に店構えした法律・経済系に強い老舗新栄堂書店(閉店)など、多くの書店が競り合った。

当時の社会情勢では、左翼思想運動などに関与して体系思想をもった人材が出版関連に参入し、そこで活躍するといった潮流ができていた。しかし、リブロの前身である西武ブックセンターに限っては、百貨店テナントとして進出したものであり、歴史も人材も持たぬところからのスタートであった。

ところが逆に、自由で柔軟な売り場編集が許され、西武・セゾンの強力なブランドイメージを背景に、営業方針思想からして違う書店を目指した。ポストモダンがファッションの小道具と化した時代には、セゾンがその商業的中心であり、当然リブロも付き従って一定の知名度を獲得した。硬直した思想が疎まれたバブル期の「軽チャー」路線の象徴ともされた。

1980年から1998年には、系列会社の出版社「リブロポート」が活動した。2000年代中頃には、同じ系列で同業種だったパルコブックセンターとの経営統合を行った。

ちなみに、韓国には同名・同業種の「BOOKS LIBRO」が存在するが、特に関係は無い。

現況

書店業界も小売り一般と同様、営業規模がものを言う大規模化・チェーン化の道を辿り、1997年には近畿地方に地盤を持つジュンク堂書店が池袋店(当時関東最大級)を出店させ、商戦の激化に拍車をかけた。

不動産事業にも進出したセゾングループは、平成不況を受けて迷走を極め、戦略は空中分解した。2003年日本出版販売がリブロの株式をパルコから90%取得することで買収した。以後リブロ自体の営業は、大型化を進め、池袋本店は西武池袋線改札横に立地し、ジュンク堂書店池袋店、西口側の旭屋書店東武百貨店池袋店内)、いけだ書店メトロポリタンプラザ内)等と競合する。

日販傘下となった以降は、各地の大型商業施設への出店を進め(郊外型店舗ではイオングループのショッピングセンター、また都市型店舗では九州・熊本市県民百貨店(旧・くまもと阪神)沖縄県那覇市パレットくもじリウボウ〕への出店など)。一方でさいたま市大宮区には大宮駅再開発で2005年に開業した「エキュート大宮」には2店舗出店しているのに対し、大宮ロフト(旧・西武百貨店大宮店)ではジュンク堂書店が入居していた。

回想

セゾングループ時代の回想に、本部勤務の今泉正光(聞き手小田光雄)『「今泉棚」とリブロの時代-出版人に聞く〈1〉』(論創社 2010)、中村文孝(聞き手同)『リブロが本屋であったころ-出版人に聞く〈4〉』(論創社 2011) 。

またインタビューを交えた永江朗(元スタッフ)による 『セゾン文化は何を夢みた』(朝日新聞出版 2010)。

田口久美子(リブロの元店長)による『書店風雲録』(本の雑誌社、新版・ちくま文庫)と、続編『書店繁盛記』(ポプラ社、新版・ポプラ文庫)がある。

駅シェルパサービス

池袋本店では1,575円以上の購入で、西武鉄道の一部改札の「お客様ご案内用オープンカウンター」で購入商品を受け取ることが可能な「駅シェルパサービス」を実施していたが、現在はサービスを終了している。

外部リンク

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