袋田の滝

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テンプレート:Infobox 滝 袋田の滝(ふくろだのたき)は、茨城県久慈郡大子町袋田にある。位置は、久慈川支流の滝川上流にあたり、長さ120m、幅73m。冬は「氷瀑」と呼ばれる、滝が凍結する現象が発生することがある。

茨城県指定名勝。茨城県北ジオパークのジオサイトの一つ。華厳滝那智滝とともに日本三名瀑のひとつに挙げられる場合もあり、日本の滝百選にも選定されている。1990年(平成2年)に行われた日本の滝百選の人気投票では1位を取った。

江戸時代水戸藩の領地内であり、水戸黄門として知られる徳川光圀が訪れたことがあるとされる。

成り立ち

大子町を含む久慈川沿いの地域は、西の八溝山地と東の阿武隈山地の間にある比較的低い地域であるが、地質学的には新生代中新世の中頃(およそ1500万年前頃)に堆積した地層でできている。地層が堆積した環境は、下位では川や沼などの淡水であるが、上位では海に棲む貝の化石が発見されるので、海であったことが分かる。つまり、今から1500万年前には太平洋の方から、海がこのあたりまで侵入していたのである。

地層は主に砂岩礫岩泥岩からできているが、火山灰などの火山噴出物からできた地層も少なからず見られる。そして、その代表格が奥久慈の名峰として名高い男体山(奥久慈男体山)をつくる「男体山火山角礫岩層」である。これは海底で火山が噴火して、冷却する際に、大きな礫状に破壊されたあと全体が固まったもので、非常に固く浸食に強い地層である。男体山を中心に南北に30km近くにわたって連なる急峻な尾根は、削り残されたこの地層によってできており、袋田の滝近くの月居山生瀬富士もそれに含まれる。

袋田の滝は、久慈川の支流滝川の水が、この固く何百万年もの浸食にも耐えてきた、かつての海底火山の噴出物が作る断崖から落ちることによって作られた。地形としては日光男体山の溶岩によって川がせき止められてできた日光華厳の滝に似ているが、この溶岩は約2万年前のもので、地質学的には袋田の滝の場合よりもはるかに新しい。また、袋田の滝の地形はせき止めによるものではなく、浸食に耐え残った約1500万年前の火山噴出物が作る「崖」である[1]

別名

この滝の別名「四度の滝」は、滝川が4段に岩肌を落ちることから名づけられたとされる説と、昔、この地を訪れた西行が「この滝は四季に一度ずつ来てみなければ真の風趣は味わえない」と、この滝を絶賛したと伝えられていることから名づけられたとされる説がある。

観瀑台

正面から滝の全景を観賞するためには、「袋田の滝 観瀑トンネル」(長さ276m、高さ3m、幅員4m)を通って第1・第2観瀑台へ行く必要がある。入場料は、大人300円、中学生以下150円(ただし茨城県民の日〈11月13日〉は無料)。無休であるが、営業時間は、5月〜10月が午前8時〜午後6時、11〜4月が午前8時30〜午後5時。この他、ライトアップ期間には夜間営業あり。袋田の滝観瀑トンネルの入り口には、今瀬剛一句碑がある。

  • 従来の観瀑台(第1観瀑台)へは、袋田の滝観瀑トンネルを通り、徒歩約5分。滝の上から3段目の目の前にある(最上段は見えない)。新観瀑台(第2観瀑台)完成後も引き続き利用可能である。
  • 新観瀑台(第2観瀑台)が、2008年(平成20年)9月13日午後1時にオープンした。袋田の滝観瀑トンネルの途中に新設した2機のエレベーターで、上部に上がる(階段等は設けられておらず、エレベーターのみとなる)。3つのデッキからなり、従来の第1観瀑台よりも、第1デッキは約44メートル、第2デッキは約48メートル、第3デッキは約51メートル上にあるため、最上段を含めた滝の全景を観賞することができる。建設費約5億2000万円は、補助金なしにすべて利用料収入から賄った。

なお有料の観瀑台を利用しない場合も、滝側面、及び滝側面を登り月居山へと続くハイキングコースから滝の一部を見ることができる。ハイキングコースからは滝の縁を上流側から眺めることができる。

交通アクセス

ファイル:Transit bus for Fukuroda Falls.jpg
滝本(袋田の滝)行の路線バス

2010年まではゴールデンウィーク紅葉が見頃の時期に、高萩駅花貫渓谷竜神大吊橋からの臨時バス(観光周遊バス・定員制)が運行されていたが、2011年からは事前予約制となっている[2]

周辺情報

脚注

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関連項目

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外部リンク

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テンプレート:日本の滝百選
  1. 神谷英利 (1969)、地質学雑誌、75、157-170.
  2. テンプレート:Cite press release