落下傘候補

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テンプレート:出典の明記 落下傘候補(らっかさんこうほ)とは、主に地方区制の国政選挙や都道府県知事選挙で、その土地に地縁血縁の無い人間が立候補すること。またはその人本人を指す言葉。

概説

落下傘候補を立てる目的としては、元中央官庁の上級官僚、各政党の公認を得た党の有力幹部、知名度のあるタレントらの擁立など当該選挙区(または当該選挙)の梃入れケースと、選挙区の候補者一本化の調節の為の配置換えなどが多い。知らない土地から突如舞い降りてくるという落下傘(パラシュート)のようなイメージからこの名が付けられた。

一般に、落下傘候補はその土地にゆかりが無いため、対立候補や地元住民から「その土地の現状をよく把握していない人間」としてしばしば非難の対象になる。落下傘候補は選挙に必要な三バンのうち、特に地盤(後援会)が充実していないケースがほとんどである。また、あまりにも急な立候補の場合は、候補者自身が当該選挙区(または当該選挙)での選挙権を有していない場合も珍しくない。なお、地方議会議員の選挙では公職選挙法第10条で選挙権を有していないと被選挙権を有さない規定があるため、3ヶ月前に当該選挙の選挙権を有する住民でなければ立候補をすることができない(選挙区分がある選挙では当該選挙の選挙権を有する住民であり被選挙権の要件を満たせば、住所が選挙区外であり自分へ投票することができない選挙区でも立候補をすることは可能)。

日本での実例

2005年衆院選では郵政国会で衆議院採決時に郵政民営化法案に反対した議員に対し、自由民主党の党公認を与えない上、刺客候補と呼ばれる落下傘候補を党議拘束に造反した議員の選挙区で漏れなく立候補させ、相当の成果を挙げた。

海外での例

イギリスでは、カーペットバッガー(carpetbagger)と言う。旅行カバンを持って、国内の選挙区を転々とすることに由来する。イギリスでは選挙区に土着した候補よりは落下傘候補のほうが多い。

アメリカでは選挙区において3ヶ月以上住民でなければ、選挙区で立候補をすることが出来ない。

関連項目

en:Carpetbagger#Modern_use