荻野アンナ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
荻野 アンナ(おぎの あんな 1956年11月7日 - )は、日本のフランス文学者、小説家。慶應義塾大学文学部教授。本名、荻野安奈。
人物・経歴
アンナ・ガイヤールとして神奈川県横浜市中区に生まれ育つ。父はイタリア、スペイン、クロアチアなどの血を引くアメリカ人。母江見絹子は兵庫県明石市出身の[1]画家で、岡本太郎らと交流した。荻野の文学研究や創作活動には、母親の強い影響があると自認している。
小学生時代に日本へ帰化し、荻野姓となる。フェリス女学院高等学校、慶應義塾大学文学部仏文科を卒業。フランス政府給費留学生としてパリ第4大学に留学し、ラブレーを研究する。のち、慶應義塾大学大学院博士課程修了。
小説家としては1991年『背負い水』で第105回芥川賞を受賞。2002年『ホラ吹きアンリの冒険』で読売文学賞を受賞。2008年『蟹と彼と私』で第19回伊藤整文学賞を受賞。
駄洒落好きとして知られ、ワイドショーのコメンテーターとして駄洒落を連発する他、芥川賞の受賞を報せる電話にも「あ、しょう」と応えた。 2005年には落語家の11代目金原亭馬生に弟子入り。2009年現在、二つ目として金原亭駒ん奈を名乗り高座にも上がっている。
2002年、慶應義塾大学文学部教授に就任。2007年、内閣官房「美しい国づくり」プロジェクト・企画会議委員。2009年より読売文学賞選考委員。
著書
単著
- 『遊機体』文藝春秋 1990
- 『ブリューゲル、飛んだ』新潮社 1991 のち文庫
- 『私の愛毒書』福武書店 1991 のち文庫
- 『背負い水』文藝春秋 1991 のち文庫
- 『アイ・ラブ安吾』朝日新聞社 1992 のち文庫
- 『コジキ外伝』岩波書店 1992
- 『週刊オギノ』角川文庫 1993
- 『アンナ流元気がなにより』海竜社 1993
- 『マドンナの変身失格』福武書店 1993
- 『桃物語』講談社 1994
- 『食べる女』文藝春秋 1994
- 『ラブレー出帆』岩波書店 1994
- 『百万長者と結婚する教』講談社 1995
- 『アンナの工場観光』共同通信社 1995 のち朝日文庫
- 『生ムギ生ゴメ生アクビ』講談社 1995
- 『名探偵マリリン』朝日新聞社 1995 のち文庫
- 『空の本』パルコ出版 1996
- 『華のパサージュ物語――パリ』日本放送出版協会 1996
- 『半死半生』角川書店 1996
- 『一日三食ひるね事典』ティビーエス・ブリタニカ 1999
- 『空飛ぶ豚 アンナのブタ・コレ』共同通信社 1999
- 『ホラ吹きアンリの冒険』文藝春秋 2001
- 『けなげ』岩波書店 2002
- 『とんとん拍子』清流出版 2002
- 『アンナのエネルギー観光』エイ出版社 2004
- 『ラブレーで元気になる』みすず書房 2005
- 『蟹と彼と私』集英社 2007
- 『殴る女』集英社 2010
- 『働くアンナの一人っ子介護』グラフ社 2009
- 『えろたま』中央公論新社、2013
共編著
- (松原秀一、養老孟司共著)『死の発見―ヨーロッパの古層を訪ねて』(岩波書店 1997年)
- (夏石番矢、復本一郎共編)『パロディーの世紀』(雄山閣出版 1997年)
- 『荻野アンナとテリー伊藤のまっかなウソのつき方』イーグルパブリシング 1999
- 『人造美女は可能か?』巽孝之共編著 慶應義塾大学出版会 2006
- 『大震災欲と仁義』荻野アンナとゲリラ隊 著 共同通信社 2011
- 『古武術で毎日がラクラク! 疲れない、ケガしない「体の使い方」』甲野善紀指導・監修 2012 祥伝社黄金文庫
翻訳
- とんだタビュラン ジャンージャック・サンペ 作・絵 太平社, 1997.7
- 恋人たち アーム・スール ジャンージャック・サンペ 作・絵 太平社, 1998.11.
- おはなのすきなおおかみくん マルティーヌ・ブール 絵 マリー・オディール・ジュード 文 講談社, 1999.2. 世界の絵本
- サン・トロペ ジャンージャック・サンペ 作・絵 太平社, 1999.11.