美少女文庫

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美少女文庫(びしょうじょぶんこ)は、フランス書院が発売しているジュブナイルポルノ文庫本レーベルである。キャッチコピーは、L・O・V・E・宣言!(2009年頃までは「ライトHノベルNo.1」が使われていた)。

本項では、2009年3月17日創刊の姉妹レーベル・美少女文庫えすかれについても記述する。

概要

2003年5月に創刊。元々フランス書院は「ナポレオンXXノベルス」および、その前身にあたる「ナポレオン文庫」などのジュブナイルポルノを扱うレーベルを持っていたが、事実上それから全面刷新する形で創刊された。それは当時、それまでのナポレオンとつくレーベルの最後、「ナポレオンXXノベルズ」は発行のペースが落ちており、コンセプトも変化しはじめていたところから新レーベルとして企画されたものと思われる。

フランス書院がそれまで発行していた「ナポレオンXXノベルズ」や、キルタイムコミュニケーションから発行されている「二次元ドリームノベルズ」、その他のアダルトゲームノベライズなど、発刊された当時にはジュブナイルポルノでは主流だった新書の形態は取らず、文庫の形態でそのぶん安価(文庫としては少し高めの価格設定ではあるが)に発売された。その後、美少女文庫に追随するかたちでキルタイムコミュニケーションから「二次元ドリーム文庫」が創刊され、オリジナルジュブナイルポルノの文庫での発行点数は新書とほぼ同等になるが、レーベル立ち上げ当時、文庫判ジュブナイルポルノレーベルは、元々比較的小規模なレーベルの上にジュブナイルポルノ系の作品の刊行ペースが低下傾向にあった青心社文庫[1]程度しか残っておらず、事実上は各社が一度撤退した空白地への再挑戦であった。

また、従来のナポレオンXXノベルズと比べると、表紙も煽情的なものを使うのを避け普通の美少女のイラストを配し、最初のページにはカラーの口絵を用意するなど、既存のライトノベルおよびその販売戦略を強く意識していることが窺い知れる。作品の内容も同様で、他のレーベルと比しても学生を主人公として学園生活や恋愛を描く作品が多く、ほとんどの作品では何らかの形でいわゆる「萌え」が意識されている。この点でもライトノベルを意識していると言ってよいだろう。挿絵も、ライトノベルなど性描写がない作品でも人気のあるイラストレーターが担当することも少なくない。

また、その一方では、

  • タイトルによりいわゆるその作品の「萌え属性」が明確に分かるようにされている。
  • ほぼ全ての作品において口絵が具体的に本編内のどこかのシーンをさしているわけではない。
  • 出版以前に出される速報的な書店向けの新刊情報においては仮タイトルで発表がおこなわれ、発売直前にならなければタイトルがわからない。

など、フランス書院文庫をはじめとする官能小説に特有の方法も踏襲されている。

また、これはフランス書院の担当者も言っていることであるが、出版の段階から成人向けとはされておらず、書店ではライトノベルなどと同じ棚に陳列されることも多い。

公式サイトでは、文庫及び電子書籍版(一部のみ)の販売や、WEB小説、萌えポイント制度などがある。

美少女文庫えすかれ

2009年3月創刊の姉妹レーベル。「えすかれ」は「エスカレート」の意味。メインレーベルの美少女文庫の作品内容がフランス書院文庫などで伝統的に培われて来た編集方針を踏襲しているのに対し、本レーベルでは「敢えて条件や編集制限を設けない」ことを売りにしている。表紙デザインが異なるため、美少女文庫との見分けは容易である。

外見上の特徴 特色

基本的に、白を基調とした光沢のあるカバーのかかった文庫である。たいていの場合帯がかけられており、ヒロインがメインに配置されている。そこに、タイトルと、著者名、挿絵を描いたイラストレータ名が書かれている。

帯(おび)
初期に発行された作品は、金や銀が施されたものが使われていたが、現在はナチュラルな色のものがかけられている。
裏表紙
大抵の場合、カラーの口絵イラストにつかわれたイラストが小さく切り出され、ワンポイントで配置されている。
背表紙
上端部に、各作品毎に小さなイラストが入り、その下にタイトルが書かれている。

その他

  • 基本的にあとがきは書かれない。
  • 著者/イラストレーターのプロフィールは記載されない。
  • わかつきひかるによれば、ジュブナイルポルノの本のタイトル、および章タイトルは、著者ではなく編集者がつけるのだという。
  • おなじく、わかつきひかるは、「ジュブナイルポルノでは、主人公以外の男性キャラを(あまり)登場させてはいけない、というルールがある」と自著『AKUMAで少女』のあとがきにて語った。

執筆陣

 等

あおぞら鈴音は、美少女文庫の公募新人賞「美少女文庫新人賞」よりのデビュー作家であり、受賞時の年齢が16歳ということでかなり話題を呼んだ。

月に2点から3点の刊行であるが、非常に少ない人数の常連作家が定期的に作品を発表し、時にゲスト的にそのほかの作家が登場するといった刊行の手法をしている。

脚注

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外部リンク

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  1. 青心社文庫にはジュブナイルポルノ系の作品群と、クトゥルフ神話翻訳作品及びクトゥルフ神話に題材を求めたライトノベル系作品という、大きく分けると2つの系統があり、ジュブナイルポルノ系作品が事実上終息した後も後者はしばらくの間刊行されていた。