穴吹工務店

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テンプレート:半保護 テンプレート:Infobox 株式会社穴吹工務店(あなぶきこうむてん、Anabuki Construction Inc.)は、香川県高松市に本社を置く不動産会社デベロッパー)。大手マンションデべロッパー大京グループの一員で、同社の完全子会社である。

概要

全国46都道府県に1,300棟以上の供給実績のある『サーパス』および『サーパスシティ』ブランドの分譲マンション事業を展開しているほか、『サーパスホーム』ブランドの戸建て分譲事業を展開している。

同社独自のビジネスモデルとしてATD(アナブキ・トータル・ディべロップメント)システムがあり、分譲マンション建設に際し用地取得から企画設計販売アフターサービスまでを自社グループで一貫して行うことにより製販一体型とし、一次取得者向けファミリータイプのオーソドックス間取り設備仕様の分譲マンションを全国各地に累計7万8,000戸以上供給している。またサーパスマンション入居者向けサービスとして、24時間365日フリーダイアルで住まいの様々な相談を受ける穴吹コンタクトセンターを開設している。

沿革

1905年香川県高松市に穴吹喜作がゼネコンとして創業、1945年穴吹夏次が二代目社長となり1961年に株式会社に改組した[1]1994年に穴吹英隆が社長(当時)となる[2]

2007年度には国内の事業主別マンション供給戸数ランキングで首位(5,037戸)になるなど拡大路線を歩んだ[3]。しかし2008年9月の米国リーマンショックに端を発した世界同時不況によりサーパスマンションの主な供給先である地方中核都市においても競合するマンションデベロッパーの経営破綻が相次ぎ、それらの業者が手がけたマンションが売れ残り市場に放出されたことからサーパスマンションも分譲価格が下落し収益が悪化[3]2009年11月に会社更生法の適用を申請し認可された。

2010年5月、投資ファンドであるジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP)と、ライオンズマンションを展開する株式会社大京が出資して再建支援を行うことが決定し[4]、同年9月に更生計画が東京地方裁判所に認可された[5]

2013年3月、穴吹工務店が東京地方裁判所に会社更生法の終結を申請したのに伴い、大京はジェイ・エル・ケイ(大京とジェイ・ウィル・パートナーズの出資による合同会社)が保有する穴吹工務店の全株式を4月1日付で買い取ることを発表し、大京の100%子会社になることが決定した[6][7]

  • 1905年(明治38年) - 香川県高松市にゼネコンとして穴吹工務店創業
  • 1961年(昭和36年) - 株式会社穴吹工務店設立
  • 1970年(昭和45年) - 事業部制を導入
  • 1978年(昭和53年) - 自社マンションブランド第1号『サーパス小笹(福岡市)』分譲開始
  • 1986年(昭和61年) - CIコーポレートアイデンティティ)を導入
  • 2004年(平成16年) - 穴吹コンタクトセンターを開設
  • 2007年(平成19年) - サーパスマンションシリーズ1,000棟目『サーパスつくば研究学園(茨城県つくば市)』分譲開始
  • 2009年(平成21年) - 会社更生法適用を申請
  • 2010年(平成22年) - 大京とジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP)を支援先とする更生計画が認可される
  • 2013年(平成25年) - 大京が穴吹工務店の全株式を取得し大京の完全子会社となる

関連会社

穴吹興産との人的・資本的関係

同社と同じ香川県高松市に本社を置く穴吹興産は、もともと穴吹工務店グループの別会社として設立された。しかし当初から資本的関係はそれぞれ独立した形であった(この点は学校法人穴吹学園も同様)。これは穴吹工務店の二代目経営者である穴吹夏次が「資本三分割法」を実践した結果であったという[8]。その後穴吹興産が1985年にマンション分譲事業に参入したことにより穴吹工務店と競合関係となり、穴吹興産は穴吹工務店グループより分離し独立系マンションデべロッパーとなった[9]。穴吹夏次の死去から2年が経過した2002年10月、穴吹興産はマンションブランド『アルファステイツ』を差別化するため穴吹工務店と同一だったCIコーポレートアイデンティティ)を変更し、対外的な商標も『あなぶき興産』とひらがな表記を使用するようになった[9]。その後、2009年の穴吹工務店の会社更生法申請までは穴吹工務店と穴吹興産の経営者が兄弟という人的関係が残っていたが、現在の穴吹工務店は創業家である穴吹家から大京が100%株式を取得し、穴吹工務店と穴吹興産との人的・資本的関係は完全に解消されている。

イメージキャラクター

2009年の会社更生法申請以前は、赤ずきんをアレンジしたあなぶきんちゃんイメージキャラクターとしてテレビコマーシャルなどに使用していた。

過去のスポーツへの支援

2009年の会社更生法申請以前は、各種スポーツへの支援をおこなっていた。

関連項目

同社の出資により発足し、当初のスタジオは香川県高松市藤塚町の穴吹工務店本社ビル内にあった。会社更生法申請後にトライグループに株式が譲渡され、現在はスタジオも香川県高松市常磐町に移転している。
穴吹工務店1社提供の紀行番組。

脚注

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外部リンク

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  1. 創業100周年記念事業スタート 香川大学大学院地域マネジメント研究科へ寄付 穴吹工務店ニュースリリース(2004年7月29日)
  2. 株式会社穴吹工務店 代表取締役社長 穴吹 英隆 氏
  3. 3.0 3.1 地元密着でシェア急拡大が仇 穴吹工務店・経営破綻の誤算 - 『週刊ダイヤモンド』2009年11月30日
  4. ファンドと大京が支援/穴吹工務店の経営再建 四国新聞2010年5月29日
  5. 穴吹工務店更生計画認可/新社長に立山管財人 四国新聞2010年10月1日
  6. 47NEWS 大京、穴吹工務店を買収 307億円、再建終了で 『共同通信』2013年3月11日
  7. テンプレート:PDFlink - 更生会社株式会社穴吹工務店 管財人立山繁美 平成25年3月11日
  8. あなぶき興産代表取締役社長 穴吹忠嗣さん ビジネス香川2010年2月1日
  9. 9.0 9.1 テンプレート:PDFlink あなぶき興産ウェブサイト(PDF文書) - 22ページを参照。