石割桜

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石割桜(いしわりざくら)とは岩手県盛岡市にある巨大な花崗岩の割れ目から育った直径約1.35m、樹齢360年を越えるである。見ごろは4月の半ばから。盛岡駅から徒歩15分の、盛岡地方裁判所構内に所在する。1923年大正12年)に国の天然記念物に指定された。寛永年間頃に南部藩主の分家にあたる北監物の庭園であったといわれ、明治初期には桜雲石と呼ばれていた。家老の屋敷内の庭にあった巨石が落雷をうけてできた割れ目にエドヒガンザクラという種子が入り込み成長したという伝承も残っている。1932年昭和7年)に盛岡地方裁判所が火災に遭い石割桜も北側の一部が焼けたが、幸い全焼を免れ翌春には再び花を咲かせた。火事の際、庭師・藤村治太郎が身につけていた半纏(はんてん)を水で濡らし、濡れた石で足を滑らせて口を切るケガをしながらも石割桜を守ったというエピソードは有名である。樹勢の衰えが目立っていたため、2000年平成12年)春に50年ぶりに樹木医による本格的な治療が行われた。


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