海蝕洞
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テンプレート:統合文字 海蝕洞(かいしょくどう)とは、波浪による侵食で海食崖に形成された洞窟のこと。常用漢字を用いて「海食洞」とも表記する。
概要
海岸の崖に断層や割れ目などの比較的弱い部分が存在すると、侵食が早く進むために海蝕洞が形成される。
大きなものでは人が居住できるほどの空間となった例もあり、古代の生活跡が残されている場合もある。これらの場合、その多くは隆起によって、満潮時の水位より上に洞窟が持ち上がったものがほとんどである。
水面近くに形成されるものは、干満の具合により、波が来るたびに海水を中の空気と一緒に吹き出すことがある。これを潮吹き穴と呼ぶ。
また、海岸が沈降した場合、海底洞窟ともなる。
海蝕洞の中には岩を貫通し、トンネル状になったもの(洞門)も見られる。
海蝕洞の事例
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イタリアカプリ島の青の洞窟
- サンタクルズ北部の海蝕洞(アメリカ合衆国カリフォルニア州)
- 青の洞窟(イタリアカンパニア州ナポリ県カプリ島)
- フィンガルの洞窟(イギリススコットランドヘブリディーズ諸島スタファ島)
- 三陸海岸の海蝕洞群(岩手県)
- 大桟橋(だいさんきょう)(秋田県男鹿市)
- 東滑川町の海蝕洞(茨城県日立市)
- 布良海蝕洞(千葉県館山市、 県天然記念物)
- 雨崎海蝕洞(神奈川県三浦市)
- 岩屋(別名弁天窟、金窟、龍窟、蓬莱洞、神窟、本宮岩屋、龍穴、神洞)(神奈川県藤沢市江の島)
- 玉川海蝕洞(福井県南越前町)
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蘇洞門(福井県小浜市)
- 蘇洞門の海蝕洞群(福井県小浜市、国の名勝)
- 堂ヶ島の海蝕洞(静岡県西伊豆町)
- 二見町松下の潜島(くぐりじま)(三重県伊勢市)
- 穴文殊(京都府丹後町)
- 円月島(和歌山県西牟婁郡白浜町臨海浦)
- 三段壁洞窟(和歌山県西牟婁郡白浜町)
- 紀の松島の海蝕洞群(和歌山県那智勝浦町)
- 竹野海岸の淀の洞門(兵庫県豊岡市)
- 香住海岸の海蝕洞群(兵庫県香美町、 国の名勝)
- 但馬御火浦の海蝕洞群(兵庫県新温泉町・香美町、 国の名勝および天然記念物)
- 諸寄海岸の海蝕洞群(兵庫県新温泉町) - 諸寄東ノ洞門、諸寄西ノ洞門など
- 居組海岸の海蝕洞群(兵庫県新温泉町) - 日本洞門、亀山洞門など
- 浦富海岸の海蝕洞群(鳥取県岩美町、 国の名勝および天然記念物)
- 橋津周辺の海蝕洞(鳥取県湯梨浜町)
- 加賀の潜戸(島根県松江市)
- 国賀海岸の通天橋 (島根県隠岐諸島、 国の名勝および天然記念物)
- 黄金洞(山口県長門市)
- 観音洞(山口県長門市)
- 大吼谷蝙蝠洞(おおごうやこうもりどう)(山口県下関市、国の天然記念物)
- 恵比須洞(徳島県美波町)
- 千羽海崖の通り岩(徳島県美波町)
- 御厨人窟(高知県室戸市)
- 芥屋大門(けやのおおと)(福岡県糸島市、 国の天然記念物)
- 洞山島(福岡県芦屋町)
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七ツ釜(佐賀県唐津市)
- 屋形石の七ツ釜」(やかたいしのななつがま)(佐賀県唐津市湊町、国の天然記念物)
- 一号橋下海蝕洞(熊本県宇城市)
- 長崎鼻の海蝕洞(大分県豊後高田市、県天然記念物)
- 日豊海岸の海蝕洞群(大分県)
- 鵜戸神宮(宮崎県日南市)
- フーチャ(鹿児島県和泊町)