東京シューレ

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テンプレート:基礎情報 特定非営利活動法人 特定非営利活動法人東京シューレ(とくていひえいりかつどうほうじんとうきょう-、英語:Tokyo Shure)は、フリースクールの運営を中心に、不登校子供とその親への支援活動を行う特定非営利活動法人である。理事長(2009年現在)は奥地圭子、会員(特定非営利活動促進法で定められた社員)は約300人(2007年現在)である。

概要

法人の目的は、不登校の子供や不登校を経験した子供、および学校外の学びや交流を求める若者に対して、その成長や生活の権利を保障・拡大すること、並びに、子供主体の教育の在り方を創造および発展させ、学歴社会の変革に寄与することである。

主な事業は、「フリースクール東京シューレ」の運営、フリースクール「シューレ大学」の運営、家庭を拠点とする教育の全国的ネットワーク組織「ホームシューレ」の運営である。他に、各種の相談・支援活動(不登校相談、子育て支援、引きこもり支援など)も行っている。

シューレ(英語:Shure)の語源は、「精神を自由に扱う」という意味の古代ギリシャ語から取ったとされる[1]ドイツ語学校を意味するSchuleではない。

沿革

事業内容

フリースクール東京シューレ

概要

主に不登校の子供たちの学びの場として活動しているフリースクールである。フリースクール東京シューレには、「王子シューレ」(東京シューレ王子)、「新宿シューレ」(東京シューレ新宿)、「柏の葉シューレ」の3箇所のスペースと呼ばれる施設がある。フリースクールの会員数は、200人前後(2007年現在)である。

2008年現在、日本国内では最大規模の不登校の子供達のためのフリースクールで、全国にある団体のネットワークの要としての役割も担っている。

所在地

シューレ大学

学歴を問わず、18歳以上を対象とした、知的・表現的学びの場である。在学期間を自分で決めることができる。入学金(15万円)と学費(54万円/年)が必要である。講座の開催、不登校研究、演劇や映像、ソーラーカーのプロジェクトなどがある。「大学」という名称であるが、学校教育法に規定される大学ではない。不登校、フリースクールの研究者として知られる朝倉景樹がスタッフとして務めている。詳しくは、シューレ大学を参照。

その他の活動

国内の活動

18歳までの子供専用の電話相談「東京シューレチャイルドライン」や、ひきこもりの当事者達が集まる「土曜サロン」、インターネットを使ったフリースクール「ライブシューレ」などの活動もある。相談活動、学生ゼミの開催、子供や子育てに関する団体やNPOとの連携もしている。設立者の奥地圭子には、不登校やいじめ等に関連する著書が多く、東京シューレ出版、教育史料出版界、講談社等から出版されている。

国際的な活動

海外への主な活動としては、1998年頃から、IDEC世界フリースクール大会(International Democratic Education Conference)に毎年参加し、世界のオルタナティブスクール、デモクラティックスクール、フリースクールなどの関係者や子供達との交流を行っている。また韓国や台湾などの東アジア地域の教育問題不登校に関する調査や、相互交流も盛んに行なわれている。それらについては、それぞれ報告書が発行されている。

関連施設

東京シューレ葛飾中学校

特定非営利活動法人東京シューレが中心となり、2006年に「学校法人東京シューレ学園」が設立され、同年11月に東京都知事に認可された。2007年4月には、フリースクール以外にもフリースクールの理念に沿う形で、年間30日以上学校を休んだ不登校児を対象とする、学校教育法第1条に基づく中学校として、東京シューレ葛飾中学校が東京都葛飾区の旧松南小学校跡に開校した。

参考文献

  • 内閣府『豊かな公を支える資金循環システムに関する実態調査』平成18年度調査結果、第2章 民間非営利団体が抱える資金調達に関する現状と課題、2.2 東京シューレ、65頁〜73頁、2007年7月5日(pdf書類

脚注

  1. 「シューレ」って、どんな意味ですか?(東京シューレQ&A)

外部リンク